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( 香水工場の )

香る生活


新年への抱負#2 回り続ける輪転機

止めれない巨大システム


逆に、出荷が一瞬でも途絶えると工場は赤字なんでしょう。入荷も途絶えますので、サプライチェーンに組み込まれたグループ企業、関連企業、取引先、原料を納める農協や契約農家、すべての循環が滞ります。

サプライチェーンのことは知らないので、あまり書けませんが、コトバのイメージは在庫なしのリアルタイムな物量システム。

血液のように流れ続けないと危ないはずです。脳溢血は血管のトラブルですが、サプライチェーンと脳溢血がオーバーラップします。

そんな空想をしながら、巨大ハイテクシステムを見学していました。感動でテンションが上がった部分が製品の出荷システム。

工場の端に直づけされる大型トレーラーは側面パネルがごっそりと開き、フォークリフトのようなメカが山積み段ボール箱を山ごとトレーラー側面に入れていきます。

この部分は実際に見ることができず、ビール会社制作のビデオでしたが、感動しました。

米国式ロジスティックスに負けない大量処理。無人24時間稼働。ロジスティックスとはこうあるべきと悦に浸りました。

途絶えることのない商品の無限出荷の中から薄利を掻き集めてようやく企業は存亡している、と思うと資本主義経済システムの一面に触れたような工場見学でした。

消費者に届く缶ビール1本200円前後。この価格を「メーカー」と「卸」と「流通」と「広告代理店」と「税金」と「政治資金」と・・・多くの関係者と分け合うことで社会に利益を還元しこの産業に関連する人々の生計を支えます。

ここには職人さんが一本一本手作業で作り上げるという発想は微塵もありません。また衛生的にも人の手が極力介されず全自動でメカニカルに製造されることが理想です。

「大量生産と大量消費の連鎖」が支える現在資本主義社会の構造はもはや、作り続け、みんなで消費し続けなければ社会のモノ・カネ・ヒトの循環が途絶え、私たちはあっという間に生活の糧さえ失います。

イメージ的には、自分は巨大な新聞印刷の輪転機の中に放り込まれ、走り続けなければコケでしまう哀れな子羊みたいな思えてきました。

この記事は#2

#3 手仕事工場
#2 回り続ける輪転機
#1 巨大ビール工場
(2009-12-29)
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