( 香水工場の )
香る生活
調香師になりたい(リアルな方法)
「パフューマーになりたい」という相談 (2016/06/07)
当社が開催している調香セミナーでの話。
セミナーでは、実習タイムになると私とアシスタントが受講者の席を回ります。
その場で質問を受けたり、香水の出来映えを拝見します。
ある女性の席に来たとき「調香師になりたいのですが、どうしたらいいですか?」と質問されました。
(実習とは無関係な話、唐突な質問だな~と思いましたが・・)
実習中に返答するには一言で返せないテーマ、言葉に詰まりました。
その方は大学生で現在、就活されている模様です。
しかし、パフューマーは狭き門。
パフューマーになることが困難という意味でなく、就職口が「ほぼない」という現実がある。
調香師(パフューマー)には国家資格がありません(民間団体による独自資格はあります)。
そのため、自称パフューマーでも問題ありませんが、事実上職業として成立しにくい点が苦しいところです。
私は香料会社さんに就職することが一番の近道と考えます。
香料会社さんへの就職を勧めましたが、そういう部署に配置してもらえるか不明です。
また日本の香料会社さんの場合、食品フレーバーとフレグランスの売上比率は「90% 対 10%」とも「100% 対 0%」とも言われ、フレーバーの方が圧倒的に重要。
社員もパフューマーよりも圧倒的にフレーバーリストが求められます。
「パフューマー」と「フレーバーリスト」の違いを説明します。
日本語ではどちらも「調香師」。
調香師は香料を混ぜ合わせターゲットとする香りを作る人を指します。
香水やフレグランスは調香師によって作られますが、実は食品の味・香り(フレーバー)も調香師によって作られます。
たとえば、桃(ピーチ)のキャンディなら桃の味がしますが、桃からは香料が採れませんので、他の香料から桃のフレーバーを作る必要があります。
だから調香師には、香水やフレグランスを作る人もいれば、フレーバーを作る人もいます。
(お香の場合は「調香師」ではなく「調合師」というコトバが使用されるようです)
繰り返しますが、日本語の調香師は、パフューマーとフレーバーリストのどちらも指します。
しかし、英語では、別の職業と認識されています。
そのため、"香水やフレグランス" を作る人と "フレーバー(食品の味・香り)" を作る人には、違う別の単語が当てられています。
日本の香料会社(というか世界的にそうですが)の場合、フレーバーの方が圧倒的に重要ですので、求められる人材も圧倒的にフレーバーリスト。
彼女はその辺の事情をご存じで、私が香料会社への就職をすすめると「でも、フレーバーリストではなくパフューマーになりたい」とのことでした。
香水の本場フランスでも、香料会社の世界的なM&Aの繰り返しの結果、パフューマーは余り気味の時代が続いています。
パフューマーは香料会社に所属しているケースが多いのでリストラなども過去10年くらい多かったと聞きます。
まして、日本ではパフューマーの求人は極端に少なく、それ以上のアドバイスはできませんでした。
少なくとも並の就活ではパフューマーのポジションはなかなか不可能です。
ここは自分を売り込むための戦略が必要と思います。
職業として活躍されているパフューマーさんは、勝手な推測ですが、日本では100人程度ではないかと思います。
非常に小さな集団です。
それゆえパフューマーさん同士の有形・無形のコミュニティも存在しており、そういうコミュニティに接触し情報やコネクションを得るといったゲリラ戦的なアクションが有効かもしれません。
そういったコネクションがあれば、レアな情報やレアなチャンスが舞い込まないとも言えません。
しかし、まったく赤の他人がそういうコミュニティに唐突に接触しても相手されないでしょう。
だから、一般人も参加可能な調香の勉強会のようなものへ通い実績を作りながら相談できる人を探すという努力も意味があるかもしれません。
手間暇をかける努力。
私のオススメは、JSPT(日本調香技術普及協会)さんの勉強会です(勝手にこんなことを書くとJSPTさんからクレームが来るかもしれませんので、ほんのちょっとだけ)。
JSPTは、プロのパフューマーさんが数多く参加している団体で精力的にセミナーやイベントを開催しています。
JSPTは今のところ一般の方々の参加も歓迎していますので、こういった機会を利用して本気で勉強すると同時に会合に参加するパフューマーの方々に自分を売り込むという戦略はどうでしょうか?
私自身はそういった活動をやったことがないので、机上の空論かもしれません。
パフューマーさんの中には、本を出したり、Youtubeで調香セミナーを開催されている方がおられる。
そんな人にはコンタクトが取りやすい。
実際にそういう方に弟子入りして修行をしている方にお会いしたことがある。
その方はパフューマーとして企業への就職ではなく、自分で香水や香りビジネスの起業を目指されていた。
勉強の方は進んでいましたが、それきり、お会いしたことがなく起業されたかどうかは不明です。
(2016-06-07)
調香セミナーで受けた質問
当社が開催している調香セミナーでの話。
セミナーでは、実習タイムになると私とアシスタントが受講者の席を回ります。
その場で質問を受けたり、香水の出来映えを拝見します。
ある女性の席に来たとき「調香師になりたいのですが、どうしたらいいですか?」と質問されました。
(実習とは無関係な話、唐突な質問だな~と思いましたが・・)
実習中に返答するには一言で返せないテーマ、言葉に詰まりました。
就職口が「ほぼない」という現実
その方は大学生で現在、就活されている模様です。
しかし、パフューマーは狭き門。
パフューマーになることが困難という意味でなく、就職口が「ほぼない」という現実がある。
調香師(パフューマー)には国家資格がありません(民間団体による独自資格はあります)。
そのため、自称パフューマーでも問題ありませんが、事実上職業として成立しにくい点が苦しいところです。
香料会社への就職が近道か?
私は香料会社さんに就職することが一番の近道と考えます。
香料会社さんへの就職を勧めましたが、そういう部署に配置してもらえるか不明です。
また日本の香料会社さんの場合、食品フレーバーとフレグランスの売上比率は「90% 対 10%」とも「100% 対 0%」とも言われ、フレーバーの方が圧倒的に重要。
社員もパフューマーよりも圧倒的にフレーバーリストが求められます。
「パフューマー」と「フレーバーリスト」の違い
「パフューマー」と「フレーバーリスト」の違いを説明します。
日本語ではどちらも「調香師」。
調香師は香料を混ぜ合わせターゲットとする香りを作る人を指します。
香水やフレグランスは調香師によって作られますが、実は食品の味・香り(フレーバー)も調香師によって作られます。
たとえば、桃(ピーチ)のキャンディなら桃の味がしますが、桃からは香料が採れませんので、他の香料から桃のフレーバーを作る必要があります。
だから調香師には、香水やフレグランスを作る人もいれば、フレーバーを作る人もいます。
(お香の場合は「調香師」ではなく「調合師」というコトバが使用されるようです)
パフューマーとフレーバーリストは違う職業
繰り返しますが、日本語の調香師は、パフューマーとフレーバーリストのどちらも指します。
しかし、英語では、別の職業と認識されています。
そのため、"香水やフレグランス" を作る人と "フレーバー(食品の味・香り)" を作る人には、違う別の単語が当てられています。
・香水やフレグランスを作る人 = パフューマー(Perfumer)
・フレーバーを作る人 = フレーバーリスト(Flavorist / Flavourist)
※「Perfumer」には香水商や香水の製造業者の意味も含まれる
・フレーバーを作る人 = フレーバーリスト(Flavorist / Flavourist)
※「Perfumer」には香水商や香水の製造業者の意味も含まれる
求人は圧倒的にフレーバーリスト
日本の香料会社(というか世界的にそうですが)の場合、フレーバーの方が圧倒的に重要ですので、求められる人材も圧倒的にフレーバーリスト。
彼女はその辺の事情をご存じで、私が香料会社への就職をすすめると「でも、フレーバーリストではなくパフューマーになりたい」とのことでした。
香水の本場フランスでも、香料会社の世界的なM&Aの繰り返しの結果、パフューマーは余り気味の時代が続いています。
パフューマーは香料会社に所属しているケースが多いのでリストラなども過去10年くらい多かったと聞きます。
まして、日本ではパフューマーの求人は極端に少なく、それ以上のアドバイスはできませんでした。
就活もゲリラ戦の時代
少なくとも並の就活ではパフューマーのポジションはなかなか不可能です。
ここは自分を売り込むための戦略が必要と思います。
職業として活躍されているパフューマーさんは、勝手な推測ですが、日本では100人程度ではないかと思います。
非常に小さな集団です。
それゆえパフューマーさん同士の有形・無形のコミュニティも存在しており、そういうコミュニティに接触し情報やコネクションを得るといったゲリラ戦的なアクションが有効かもしれません。
そういったコネクションがあれば、レアな情報やレアなチャンスが舞い込まないとも言えません。
たとえば、JSPTの勉強会
しかし、まったく赤の他人がそういうコミュニティに唐突に接触しても相手されないでしょう。
だから、一般人も参加可能な調香の勉強会のようなものへ通い実績を作りながら相談できる人を探すという努力も意味があるかもしれません。
手間暇をかける努力。
私のオススメは、JSPT(日本調香技術普及協会)さんの勉強会です(勝手にこんなことを書くとJSPTさんからクレームが来るかもしれませんので、ほんのちょっとだけ)。
JSPTは、プロのパフューマーさんが数多く参加している団体で精力的にセミナーやイベントを開催しています。
JSPTは今のところ一般の方々の参加も歓迎していますので、こういった機会を利用して本気で勉強すると同時に会合に参加するパフューマーの方々に自分を売り込むという戦略はどうでしょうか?
私自身はそういった活動をやったことがないので、机上の空論かもしれません。
たとえば、パフューマーさんに弟子入り
パフューマーさんの中には、本を出したり、Youtubeで調香セミナーを開催されている方がおられる。
そんな人にはコンタクトが取りやすい。
実際にそういう方に弟子入りして修行をしている方にお会いしたことがある。
その方はパフューマーとして企業への就職ではなく、自分で香水や香りビジネスの起業を目指されていた。
勉強の方は進んでいましたが、それきり、お会いしたことがなく起業されたかどうかは不明です。
(2016-06-07)
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