( 香水工場の )
香る生活
香水を敬遠する日本の化粧品会社
(2012/08/28)
ミーティングで香水の市場規模を話し合いました。おもしろかったので一部をご紹介。そこにあるものは「誰も香水を作りたがらないニッポン」(2012/08/28)
化粧品の「工業出荷額」データが、日本化粧品工業連合会の化粧品統計として公開されています。
では、データを見てみましょう。
うーん、凄い。
香水を含めスキンケア・メイクアップ・ヘアケアなど化粧品全体は、安定して増加の一途なのに、こと香水に関しては、減少の一途。
日本の化粧品会社さんは香水を完全にあきらめています。
過去30年くらいの統計データですが、日本の化粧品工場出荷額は、1980年代に1兆円を突破し、安定して緩やかな右肩上がりです。バブル崩壊があっても大不況が襲っても比較的安定した右肩上がり。
・2010年 1兆4千億円
・2008年 1兆5千億円(リーマンショック)
・2000年 1兆4千億円
・1992年 1兆3千6百億円(バブル崩壊翌年)
・1991年 1兆3千3百億円(バブル崩壊)
・1990年 1兆2千億円
・1985年 1兆1千億円
バブル崩壊前後をご覧ください。なんと、むしろ増加というパワー。唯一の例外は、リーマンショックでわずかに成長が揺らいでいます。「不況に強い化粧品」とよく言われますが、おおむね、事実のようです。
そして香水。化粧品全体として、確実に出荷額を伸ばしているにも関わらず、なんと、香水は「安定して右肩下がり」。
1985年、香水の工場出荷額は220億円。これが穏やかに毎年安定して下がっていき、1990年には210億円。
・2011年 44億円
・2008年 48億円(リーマンショック)
・2000年 85億円
・1991年 180億円(バブル崩壊)
・1990年 210億円
・1985年 220億円
バブル崩壊でも影響を受けなかった化粧品に対して、香水は弱いです。そして、リーマンショックでも頓挫している様子がうかがえます。
この調子なら今年2012年は、香水出荷額は40億くらいになるのでしょうか。化粧品全体の工場出荷額からすれば、わずか0.3%。
これは全体からすれば、限りなくゼロに等しい数字。要は、もはや「日本では、誰も香水を作らない」という実情が見えています。
日本での香水の市場規模は、いろいろな人の意見を総合すると400億円。そのほとんどがインポート香水という現状も説明できます。
欧米のメジャーブランドが強すぎることもあります。しかし、この数字の意味は「日本の香水市場全体があまりにも薄い、魅力のない市場」と日本の化粧品会社は判断していると推測されます。
逆に燃えてきました。
日本の香水は、武蔵野ワークスが作る!、ある意味、おいしいニッチ市場に見えて仕方がないですね。
(補足)
一般に普及している「市場規模」と「工業出荷額」は似ていますが、少し違います。
「市場規模」はマーケティングプランを練る会社さんや新規参入を狙う企業にって重要なデータです。しかし「工場出荷額」は化粧品会社さんが自分たちのマーケット規模を知るための統計データ。
日本の化粧品会社「工業出荷額」は、ある程度化粧品の「市場規模」に比例しますが、大きな勢力であるインポート化粧品が含まれていません。
また一般に「市場規模」は消費者価格でのマーケット総量を指すことが多くメーカー出荷価格ではじき出す「工業出荷額」とは単価に大きな開きがあります。
「市場規模」から香水の出荷量を考えると香水も安定して、増加傾向にあります。つまり、インポート香水は安定して伸びてきているということでしょう。
(2012-08-28)
ミーティングで香水の市場規模を話し合いました。おもしろかったので一部をご紹介。そこにあるものは「誰も香水を作りたがらないニッポン」(2012/08/28)
「工場出荷額」で知る香水の動向
化粧品の「工業出荷額」データが、日本化粧品工業連合会の化粧品統計として公開されています。
香水を完全にあきらめている日本の化粧品会社
では、データを見てみましょう。
うーん、凄い。
香水を含めスキンケア・メイクアップ・ヘアケアなど化粧品全体は、安定して増加の一途なのに、こと香水に関しては、減少の一途。
日本の化粧品会社さんは香水を完全にあきらめています。
過去30年安定して右肩上がりの化粧品全体
過去30年くらいの統計データですが、日本の化粧品工場出荷額は、1980年代に1兆円を突破し、安定して緩やかな右肩上がりです。バブル崩壊があっても大不況が襲っても比較的安定した右肩上がり。
・2010年 1兆4千億円
・2008年 1兆5千億円(リーマンショック)
・2000年 1兆4千億円
・1992年 1兆3千6百億円(バブル崩壊翌年)
・1991年 1兆3千3百億円(バブル崩壊)
・1990年 1兆2千億円
・1985年 1兆1千億円
バブル崩壊前後をご覧ください。なんと、むしろ増加というパワー。唯一の例外は、リーマンショックでわずかに成長が揺らいでいます。「不況に強い化粧品」とよく言われますが、おおむね、事実のようです。
過去30年安定して右肩下がりの香水
そして香水。化粧品全体として、確実に出荷額を伸ばしているにも関わらず、なんと、香水は「安定して右肩下がり」。
1985年、香水の工場出荷額は220億円。これが穏やかに毎年安定して下がっていき、1990年には210億円。
・2011年 44億円
・2008年 48億円(リーマンショック)
・2000年 85億円
・1991年 180億円(バブル崩壊)
・1990年 210億円
・1985年 220億円
バブル崩壊でも影響を受けなかった化粧品に対して、香水は弱いです。そして、リーマンショックでも頓挫している様子がうかがえます。
誰も香水を作りたがらない日本
この調子なら今年2012年は、香水出荷額は40億くらいになるのでしょうか。化粧品全体の工場出荷額からすれば、わずか0.3%。
これは全体からすれば、限りなくゼロに等しい数字。要は、もはや「日本では、誰も香水を作らない」という実情が見えています。
日本での香水の市場規模は、いろいろな人の意見を総合すると400億円。そのほとんどがインポート香水という現状も説明できます。
欧米のメジャーブランドが強すぎることもあります。しかし、この数字の意味は「日本の香水市場全体があまりにも薄い、魅力のない市場」と日本の化粧品会社は判断していると推測されます。
逆に燃えてきました。
日本の香水は、武蔵野ワークスが作る!、ある意味、おいしいニッチ市場に見えて仕方がないですね。
(補足)
「市場規模」と「工業出荷額」
一般に普及している「市場規模」と「工業出荷額」は似ていますが、少し違います。
「市場規模」はマーケティングプランを練る会社さんや新規参入を狙う企業にって重要なデータです。しかし「工場出荷額」は化粧品会社さんが自分たちのマーケット規模を知るための統計データ。
日本の化粧品会社「工業出荷額」は、ある程度化粧品の「市場規模」に比例しますが、大きな勢力であるインポート化粧品が含まれていません。
また一般に「市場規模」は消費者価格でのマーケット総量を指すことが多くメーカー出荷価格ではじき出す「工業出荷額」とは単価に大きな開きがあります。
「市場規模」から香水の出荷量を考えると香水も安定して、増加傾向にあります。つまり、インポート香水は安定して伸びてきているということでしょう。
(2012-08-28)
< 金木犀が終わって || 2012年の廃盤香水 >
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