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( 香水工場の )

香る生活


香水パッケージは目の保養
(2013/01/17)

デザイナーの友人からメールをもらいました。用件の追伸に香水ショップに行ったことが書かれていました。香水のボトルやラベルは、各ブランドさん渾身の作品だけにデザイナーの目にも刺激になるようです(2012/01/17)

追伸、そうそう・・・



「そうそう、
先日有楽町の阪急メンズ館の1階に
フラッと入りました。
メンズフレグランスがたくさんあって
目の保養になりました。

案外紙ラベルをガラスのボトルに貼っている製品も多くありました。
その紙質もナチュラルな紙の素材を生かしているものに
繊細な印刷や箔押しをしたものや、
発色のよい艶のある紙だったり、
いろいろあってステキでした。」

さすがに目の付け所がデザイナー魂丸出し、デザイナーとは、見るものすべてが、勉強の対象なんですね。


香水パッケージの変化のトレンド


以前、世界のブランド香水の場合、香水ボトルたるもの、

・アイテムごとにオリジナルの金型を起こす
・ラベリングは、ボトルへの直接印刷

が常識だったのですが、違う時代になったんですね。

現在は、同じボトルをそのままか、装飾を多少変えただけの同じボトルを使い回し、ラベリングは紙ラベルで代用することが多くなりました。世界的な傾向です。



変化の原因は?


記憶にある範囲では、10年くらい前からこの傾向は顕著になってきました。

主な原因は2つ。

・香水ブランドに大手資本が流入したこと
・香水新製品の種類が爆発的に増加傾向のあること


ブランドも資本主義経営の時代


ブランドさんに世界の大資本が流入するようになると、ブランド経営の第一ポリシーは、それまでの家族経営から現代的な資本主義経営へと変貌しますので、当然コストカット圧力が高まります。

香水瓶の場合、オリジナルの型制作は最低でも100万円でしょうか。ブランドさんの場合は著名なボトルデザイナーを起用しますので、その周辺のコストまで含めると、オリジナルの香水瓶を生み出すためのコストは数千万ということも珍しくありません。

香水の中身ではなく、香水ボトルの原型(金型・成形型・mold)だけの話です。コストカットの対象になりやすい部分です。


限りなく爆発する香水の新製品数


また、香水新製品の種類が爆発的に増加中であること、つまり香水の新製品が多品種少量生産方式になってきたことも変化の大きな要因です。

シャネル5番のように1種類の香水を100万本や1千万本単位で生産するような製品は今後、香りの嗜好も香りなく細分化しきた現代では限りなく出現しなくなるでしょう。

ちなみにシャネル5番クラスになると香水業界では「製品」ではなく、「インダストリー」(産業)と呼ばれるくらいのモンスター製品です。

こうして、同じ香水ボトルの使い回しと多品種少量生産が可能な紙ラベル方式への移行が進んでいます。



表現力は、紙ラベルの方が圧倒的に高い


この現象をネガティブに捉える香水業界関係者もいますが、悪いことばかりではなりません。ガラスボトルへの印刷は面積・材質・色彩・精度、どれをとっても紙ラベルの表現力にはかないません。

香水をより、楽しくファンタスティックに装わせる紙ラベル、もしくは紙にかわる材質のラベルが今後の香水に「顔」になっていきますが、さらに夢のあるテイストが生まれてくると思われます。



(2013-01-17)
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