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( 香水工場の )

香る生活


東京産の木材
(2014/08/28)

企業活動は、儲けだけでなく社会貢献ができることも理想なんですけどね、これがなかなか難しい。でも、そんなミッションのある会社さんが増殖中です(2014/08/28)

合同会社++さん


合同会社++という会社さんとミーティングを行いました。当社工場内のミーティングルーム(香水セミナーにも使いたい)を東京産のヒノキで作れないかと模索中です。

合同会社++さんは東京産木材の普及を推し進めるミッションを持ったエコな会社さんで、本社は三鷹。当社と同じ多摩エリアだったので、さっそく打診してみました。

その前に東京産の木材とは何か?が疑問ですよね。なぜ、東京産なの?から話を進めます。

東京産の木材とは?


東京産の木材と聞くとどんなイメージでしょうか?東京で木材採れるの?と驚かれるかもしれませんが、これがたくさん採れるのです。採れすぎて困っているのです。その理由も今日のテーマなんです。

東京は、世界有数の巨大都市であるだけでなく、山林に恵まれた自然豊かな都市なんです。ニューヨークには巨大なセントラルパーク、ロンドンにはハイドパーク、パリにはブローニュの森が拡がっており、海外の人に東京の公園の貧弱さを指摘されることがあります。

しかし、東京は1時間も行けば高尾山などの緑豊かな本格的山岳地帯。まったく引けを取らないと感じるのですが、木材まで産出されるのですから、本当に豊かな森林が東京には拡がっていることになります。

花粉症と荒廃したスギ林


しかし、その森に今、悩ましい問題が起きています。花粉症の原因となる放置され荒廃したスギ林の存在です。

戦後復興期、高まる木材需要のために東京西部の奥多摩エリアでは植林が盛んに行われました。しかし、経済復興とともに木材需要は低下。追い打ちをかけるように海外からの安価な輸入材に押され、東京の林業は衰退しました。

森林は荒廃し、盛んに植林されたスギやヒノキの放置が続いています。その結果、花粉の大量発生という悪循環に陥ってしまいました。

1964年にはじめて報告された花粉症は、今や10人に1人が苦しむ国民病。東京都だけなら5人に1人とも言われます。一番の原因はこの放置スギ林による花粉。

東京都は平成18年(2006年)から花粉症対策事業として「花粉の少ない森づくり運動」を開始しました。これはスギ山を丸ごと伐採し、花粉が少ない樹木への植替えを行う事業です。よい木も悪い木も丸ごとです。これだけでも心が痛みます。

行き場が少ない東京の木材


さらに悩ましいことは、この事業から大量に発生する木材の行き場です。一度に大量伐採すれば、当然、木材の値崩れを引き起こしますし、そうなれば林業そのものが崩壊しかねません。そのため計画的に伐採されていますが、それでも供給が需要を上回る現象が続いています。

木材需要の低下と安価な輸入材のダブルパンチは未だ解消されておらず、木材の供給と流通のバランスが取れない現実が大きな壁となって立ちふさがっています。

バランスが取れないまま補助金による伐採・・・不自然ですし、やがて行き詰まるでしょう。

合同会社++さんは、そういう不幸な木材を買い取って、それを市場に広めようと活動されている会社さんです。東京で生まれた木材を東京で使う、まさに地産地消。ストーリーがあるビジネスですよね。

ただ、マーケットは個人の思惑とはちょっと違って経済合理性をベースに動きますので、コストの点であまりにも輸入材との格差が大きいと長期的に厳しい闘いになる予感がします。チャレンジです。東京産木材が普通に東京のお宅に普及する日が来ることを祈ります。

香水セミナー用のミーティングルーム


当社も東京の木材を使ってミーティングの施工を願いながら、深ーいミーティングをさせていただきました。

このミーティングルームは、香水作りやコスメ作りのセミナーなど、外部からのお客様にもご利用いただきたいと考えています。



(2014-08-28)
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