( 香水工場の )
香る生活
NIVEAとベタガードの違いは?
「ベタガードと普通のハンドクリーム、たとえばニベアとは、どう違いますか?」という質問をいただきました。(2017/07/05)
(1911年、ドイツで生まれたNIVEA、スキンケア・ブランドとして現在全世界で圧倒的なプレゼンスを誇る。 [写真] = 口コミ英語サイトSheSpeaksから)
他社様の製品を引き合いに出すことは、あまり好ましくいないのですが、NIVEAは、スキンケア分野で、あまりにもデファクト的ポジションを確立しています。
比較の対象にしても問題ないと思われますので、乳化系クリームの代表選手として「NIVEA」さんと比較させて頂きます。
ドイツの化粧品会社バイヤスドルフ社の製品です。
バイヤスドルフ社の創業は1882年。大変歴史がある会社さんですよね(日本では明治時代が始まった頃)。
この時代、ドイツでは化学の驚異的な発展を見る時期で、香料会社や医薬品会社が次々と生まれます。
余談ですが、フランスが天然香料で香水や医薬品を製造していた時期、ドイツはケミカルでの香料や医薬製造に乗りだした時代です。
香水のケミカル化の結晶は、1921年、フランスのシャネルによってリリースされた「Chanel No.5」(Chanel N°5)によって結実します。
医薬品も急速にケミカル化が進み、現在の医薬品成分は100%ケミカル由来となりました。この原点は、この時代のドイツにあると言っても過言ではありません。
日本では、NIVEAは、花王さんとバイヤスドルフ社の合弁会社にてライセンス製造されています。
日本では「ニベア = 花王」というイメージですよね。
バイヤスドルフ社は、1900年代初頭、新しい乳化剤を発明し、それを使ったスキンケアクリームを世に送り出しました。
それが「NIVEA」です。ラテン語で「雪のように白い」(SNOW-WHITE)の意味だそうです。
※ヨーロッパで乳化剤系のスキンケアが生まれたこの時代、奇遇にも米国ではワセリン系のスキンケアが隆盛し始めます。
NIVEAが、それまでのスキンケアと違う点は"乳化剤"。本格的な乳化剤が利用された初のクリームだったのです。
こうしてはじめて純白のミルクやミルククリームのように見えるスキンケアが生まれました。
※化粧品で使われる「ミルク」や「クリーム」というコトバは、食品のミルクやクリームとは無関係。ミルクやクリームが配合されているわけでもない。「見た目がミルクやクリームのようだ」程度の意味。
乳化剤の一番わかりやすい例はマヨネーズ。マヨネーズは、オイル・酢・卵を混ぜ合わせたものですが、オイルと酢は本来、混ざり合いません。
そういうものなんですが、乳化剤を加えると、あらふしぎ、混ざり合うのです。正確には「混ざり合ったかのように見える」だけなんですが。
マヨネーズの場合、卵が乳化剤の役割を果たします。
NIVEAに代表される白色系のスキンケアは、おおむね、すべてオイルと水を混ぜあわせた"乳化系"なのです。
なぜ、オイルを水と混ぜるの?・・・そこには大きなメリットがあります。
●メリット
(1) オイルより、よく伸びる
(2) オイルより、お肌への浸透性が高まる
(3) オイルより、さらっとしたテクスチャーが得られる
●デメリット
(1) オイルより、水や水仕事などで簡単に流れ落ちる
要は、白色系のクリームは、すべて"乳化系"ということなんです。
水分が10%-30%くらい含まれています。
そのメリットは絶大ですが、デメリットも大きく、お肌をしっかりガードしたいという場合は、水分を含まないオイル100%の方が、断然パワフルです。
その代表がワセリンです。
"乳化系クリーム"も現在では、ワセリンを配合したりして強めに調整する製品も多くあります。
現在のニベアにもワセリンが少量配合されています。
一方、ベタベタのワセリンに関しても、様々なメーカーやブランドさんによって使いやすくする努力が続けられています。
ベタガードは、そんなワセリン製品の一つです。
(ベタガード。ベタベタのワセリンに対して、使いやすさを追求しました)
ニベアもベタガードも同じ、ハンドクリーム、スキンケアクリームですが、ベースの基本素材が違うと言うだけの話です。
大きいと言えば大きいですが、どうでもいいと言えばどうでもいい話ですね。
ただ、ハンドクリームやスキンケアクリームを探している人が、水に強いものを欲しているかどうかで、オススメされる製品も、ワセリン系か乳化系か、基本的に違ってくると考えていただければと思います。
(2017-07-08)
(1911年、ドイツで生まれたNIVEA、スキンケア・ブランドとして現在全世界で圧倒的なプレゼンスを誇る。 [写真] = 口コミ英語サイトSheSpeaksから)
NIVEAは乳化系クリームの代表
他社様の製品を引き合いに出すことは、あまり好ましくいないのですが、NIVEAは、スキンケア分野で、あまりにもデファクト的ポジションを確立しています。
比較の対象にしても問題ないと思われますので、乳化系クリームの代表選手として「NIVEA」さんと比較させて頂きます。
NIVEAとは?
ドイツの化粧品会社バイヤスドルフ社の製品です。
バイヤスドルフ社の創業は1882年。大変歴史がある会社さんですよね(日本では明治時代が始まった頃)。
この時代、ドイツでは化学の驚異的な発展を見る時期で、香料会社や医薬品会社が次々と生まれます。
余談ですが、フランスが天然香料で香水や医薬品を製造していた時期、ドイツはケミカルでの香料や医薬製造に乗りだした時代です。
香水のケミカル化の結晶は、1921年、フランスのシャネルによってリリースされた「Chanel No.5」(Chanel N°5)によって結実します。
医薬品も急速にケミカル化が進み、現在の医薬品成分は100%ケミカル由来となりました。この原点は、この時代のドイツにあると言っても過言ではありません。
日本でのNIVEA
日本では、NIVEAは、花王さんとバイヤスドルフ社の合弁会社にてライセンス製造されています。
日本では「ニベア = 花王」というイメージですよね。
"乳化"したスキンケア
バイヤスドルフ社は、1900年代初頭、新しい乳化剤を発明し、それを使ったスキンケアクリームを世に送り出しました。
それが「NIVEA」です。ラテン語で「雪のように白い」(SNOW-WHITE)の意味だそうです。
※ヨーロッパで乳化剤系のスキンケアが生まれたこの時代、奇遇にも米国ではワセリン系のスキンケアが隆盛し始めます。
NIVEAが、それまでのスキンケアと違う点は"乳化剤"。本格的な乳化剤が利用された初のクリームだったのです。
こうしてはじめて純白のミルクやミルククリームのように見えるスキンケアが生まれました。
※化粧品で使われる「ミルク」や「クリーム」というコトバは、食品のミルクやクリームとは無関係。ミルクやクリームが配合されているわけでもない。「見た目がミルクやクリームのようだ」程度の意味。
乳化剤とは?
乳化剤の一番わかりやすい例はマヨネーズ。マヨネーズは、オイル・酢・卵を混ぜ合わせたものですが、オイルと酢は本来、混ざり合いません。
そういうものなんですが、乳化剤を加えると、あらふしぎ、混ざり合うのです。正確には「混ざり合ったかのように見える」だけなんですが。
マヨネーズの場合、卵が乳化剤の役割を果たします。
NIVEAに代表される白色系のスキンケアは、おおむね、すべてオイルと水を混ぜあわせた"乳化系"なのです。
オイルに水を混ぜるメリットとデメリット
なぜ、オイルを水と混ぜるの?・・・そこには大きなメリットがあります。
●メリット
(1) オイルより、よく伸びる
(2) オイルより、お肌への浸透性が高まる
(3) オイルより、さらっとしたテクスチャーが得られる
●デメリット
(1) オイルより、水や水仕事などで簡単に流れ落ちる
ワセリンはオイル系100%
要は、白色系のクリームは、すべて"乳化系"ということなんです。
水分が10%-30%くらい含まれています。
そのメリットは絶大ですが、デメリットも大きく、お肌をしっかりガードしたいという場合は、水分を含まないオイル100%の方が、断然パワフルです。
その代表がワセリンです。
双方の歩み寄り
"乳化系クリーム"も現在では、ワセリンを配合したりして強めに調整する製品も多くあります。
現在のニベアにもワセリンが少量配合されています。
一方、ベタベタのワセリンに関しても、様々なメーカーやブランドさんによって使いやすくする努力が続けられています。
ベタガードは、そんなワセリン製品の一つです。
(ベタガード。ベタベタのワセリンに対して、使いやすさを追求しました)
結局、水に強いかどうか?
ニベアもベタガードも同じ、ハンドクリーム、スキンケアクリームですが、ベースの基本素材が違うと言うだけの話です。
大きいと言えば大きいですが、どうでもいいと言えばどうでもいい話ですね。
ただ、ハンドクリームやスキンケアクリームを探している人が、水に強いものを欲しているかどうかで、オススメされる製品も、ワセリン系か乳化系か、基本的に違ってくると考えていただければと思います。
(2017-07-08)
< 半ズボンのススメ || 頓挫ながら、喜々として利用中 >
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