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( 香水工場の )

香る生活


ムスクの香り#1
香水に関して要望が高い成分がムスクです。香水といえば「ムスク!」のような意見をお持ちの人もかなり多い。

また、惚れ薬的な効果を吹聴する会社さんがあったりして、魅惑の香りのイメージが形成されています。

本物の天然ムスクそれ自体はインドールなども含まれるため、アンモニア臭く動物臭も伴い鼻を押さえたくなるくらい不快なニオイです。

希釈することで妖艶な香りになるのですが、これは河豚(フグ)の毒をちょっと食べてシビレる真の河豚ファンに通じる何かがあります。


ムスクの成分 = ムスコン


ところでムスクの香り成分はムスコンと呼ばれます。ムスクとケトンから作られた造語です。

人類が知る地上最高の妖艶な香り成分であるムスコンの安全で安価な合成方法の確立が香料業界を征するといって過言ではありません。世界の香料メジャーがここでしのぎを削ります。そして、勝負はまだついていません。


合成ムスクの歴史


合成ムスクの歴史は古く1930年代には始まっています。

ところが、「ニトロムスク」と呼ばる初期の合成ムスク(たとえば、ムスクケトン)は、ムスコンとは分子構造が全然違うにもかかわらず、ムスクのように甘く粉っぽく、頭をぼーっとさせる甘美さがありました。

しかし、生分解性が低い上に発ガン性を伴いました。発ガン性の証明って難しいものがあります。

人類は、ニトロムスクの発ガン性を疑いながらもニトロムスクを半世紀以上使用し、今でもどこかで使用されているでしょう。

ニトロムスクは廃棄処理さえ困難を伴いますので環境的にも全面禁止される日が来ることを祈ります。

80年代から「多環系ムスク」と呼ばれる合成ムスクが多用されるようになりました。しかし、これは発ガン性はないとされますが、生分解性が低い(残留性が高い)という欠点があります。

ムスクの香り#5(2018-01-12)
ムスクの香り#4(2018-01-12)
ムスクの香り#3(2007-09-15)
ムスクの香り#2(2007-03-12)
ムスクの香り#1(2007-03-09)
ムスクの謎(2005-12-22)

※この記事は、2007-03-09に投稿した記事を加筆訂正して新規に投稿したものです

(2018-01-12)
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