Home > ブログ
リスト表示 | (edit)
( 香水工場の )

香る生活


ローズジェルが終わる
数年前から覚悟していたが・・ (2018/08/19)

武蔵野ワークス ローズジェル
( 現在の「ローズジェル」の外見、この記事の下の方に初期の製品写真あり )


2006年からはじまったローズジェル


このスキンケアジェルは、国分が肝いりで、開発販売を行ってきた商品。2006年に完成して正式リリースはたしか2007年。

当時、日本はローズブームの真っ直中で、食もコスメも、ローズを出せばヒットという状況だった。

当社にはそんなブームに乗るつもりは、さらさらなかった。

ローズは、香水原料の女王的存在だし、世界のパフューマーにとって永遠のテーマ。

(到達できないけど)

香水関連の人間にとって、ローズはどこまでも不動の存在なので、ブームであろうとなかろうと、ほぼ関係ない。

たまたまタイミングが重なってローズスキンケアで市場に参入、ブームのおかげか、最初の数年は順調に売上を伸ばした。


女性のためのスキンケア


その後は、リピーター様のおかげて続いてきた。ただし、飛躍も見いだせず、本当に静かな存在になっている。

この製品の処方制作は30代の女性が担当した。期待通りに女性のための優しいスキンケアに仕上がった。

(女性による女性のためのスキンケア、ただし、男性愛用者もそれなりに)


クリームとジェルの違い


ところで、クリームとジェルの違いだが、化粧品業界では明確な違いの定義はない。

一般的には、クリームは油溶性ベースのスキンケア、ジェルは水溶性ベースのスキンケアで、ジェルの方がクリームより、ベタつかずさっぱり使えるというイメージ。

私たちがクリームでなくジェルを採用した一番の理由は、香りの立ち方だった。

クリームは、ローズの香り分子を閉じ込めやすい性質があり、香りの立ち方が弱い、その点、ジェルの方が軽い香り立ち、これが決め手となった。

しかし、スキンケアは、お肌の保護が一番の目的、その点では油分が強いクリームの方に軍配が上がりやすい。

そして、最大の失敗は、ローズの香り(この場合、ローズの花ではなくローズオイルの香り)は、予想外に愛されていないこと。


最大の失敗


この事実は、製品をリリースしてすぐに判明した。その瞬間、私の中でローズオイルを配合する意味が失われた。

これは素直に驚き反省した。

(敗北)

それに、考えてみればフェイシャル・スキンケアは、やはり、コスメ本丸。

(そうやすやすと攻め入れるものではない)

内外のハイブランドから中堅ブランド、そしてやる気満々の怪しい一発屋や海千山千まで、多彩な役者が渦巻くコスメ激戦区、未経験な私たちがいきなり勝負を挑んだこと自体、勇気あり過ぎだった。

武蔵野ワークス ローズジェル初期バージョン
( 初期の「ローズジェル」の写真、このイメージ、バレリーナの優雅な舞・・のはずだったが、時を同じくレイザーラモンさんがヒット、そのポーズとオーバーラップしてしまった・・ そうそう当時は「コンシンのジェル」という商品名だった。ナゾ過ぎた商品名も敗因の一つか )


この秋、最後の生産


ローズジェルは、毎年秋、その翌年分の生産を行う体制を維持してきた。

今年は、来月の生産を予定しているが、この生産が最後となる。

そして、商品の販売完了とともに、いったんこのプロダクトラインを終了することにした。

(残念)

リリース以来、長年、変わらずにご愛用いただいたお客さまには申し訳なく、この記事はどう切り出そうかと迷ったが、このような事情だ。

今年も12月には、恒例のローズジェル・ホールセールが開催される。楽しんでいただければ幸いだ。

( 12月のイベントを今からアナウンスするのも早すぎるが、ローズジェルを愛して下さったなるべく多くのお客さまに到達・周知できるよう、何度か告知や記事をアップしたい )


【関連記事・リンク】
ローズジェルの製造現場 (2018/10/05)
ホールセール


(2018-09-04)
search
月一メルマガ

TOP