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( 香水工場の )

香る生活


AI が香水を作る日はすぐそこ
パフューマーは必要なくなる? (2019/03/05)

調香するAI
( 昔の映画『2001年宇宙の旅』では HAL9000 がノイローゼになって暴走する、"人間のようなAI" という設定が超リアルでシビレました、全体としては意味不明の映画でしたけどね )


AIが調香した香水の販売予定


以前投稿した 香水とAI で紹介したAIによる調香の続き。

「人工知能で香水」作るIBMの試み、ミレニアル世代がターゲット(Forbes Japan 2019/03/03)

新作香水を、人工知能( AI )で開発して、売り出そうという企画ですが、ブラジルのコスメ大手オ・ボチカリオ社から、今年販売が決定しました。


半年から4年を「あっという間」に


「調香AI」を開発したシムライズ社の調香師デヴィッド・アペル氏は、


これまでは1種類の香水を作り出すのに半年から4年かかっていた。それが、あっという間だ


いやー、すごいですね。

ただね、「1種類の香水を半年から4年」かけて作るという部分は、予算取りやフォーカルグループのテスティングなど、香水の商品開発は、調香そのものでなく調香周辺のプロセスがすごく多いので、膨大な時間がかかる(大手さんの場合は)。

この辺は AI も同じではないかなと、感じますけどね。だから、AI さんに調香いただいても、商品開発そのものは相当の時間がかかるはず。

パフューマーの調香の仕方は、ひらめきのような感じで一瞬でできる人もいるし、調合を間違えて偶然よい香りになるケースもあるので、人の調香もあっという間という点は、それほど、負けていない。

(音楽のアーティストは作曲する際、曲が天から降りてくるとよく言いますが、パフューマーも同じ人、多いようですよ)

だから、この部分よりも、次のフェーズに、私は凄みを感じてしまう。


人が思いつかない組み合わせ




(発売予定の香水は)ミレニアル世代を対象とした2種類。そのうちのひとつはミルクとバターをベースに、カルダモンとフェヌグリークを組み合わせたような香りだ。

「自分では思いもつかない原料の組み合わせだ」とアペルは言う。


囲碁や将棋で、AI 対 人の対局が、数年前、大いに話題だった。

(現在では、もはや AI に勝てる人類はいなくなり、話題性は急速に衰えている感)

あのときも、よくAIは「人間では思いもつかない手を使う」と評されていた。

人が思いつかない戦術を探し出す能力、調香も AI には勝てない日が近いかもしれない。


でも香水は人が買うので、人に愛されるかどうか


ところで、音楽の分野でも AI は相当の名曲を作り出し始めているが、おもしろいことに「これは AIが作曲したもの」と言うとヒットしない傾向があるそうだ。

やっぱ、悔しいからね。



(2019-03-05)
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