( 香水工場の )
香る生活
気になるアルコールフリー、低アルコール香水
ノンアルコール香水・アルコール低減香水が、ざわついている・・ (2021/08/17)
( アルコールフリー香水の制作は、技術的にはカンタンだが・・・ )
「香水って、アルコールなしで作れますか?」
この問い合わせは、20年くらい前から、たまに来ていました。
アルコールフリー香水を探している人は多いようです。
以前は、ベビー&キッズ香水を除けば、あまりありませんでした。
ベビー&キッズ香水は、日本ではあまり聞きませんが、欧米ではそれなりに。大人への憧れなんでしょうが、化粧品や香水に関心があるキッズたちは多いですね。
ベビー&キッズ香水の特徴の一つはアルコールフリーが多いこと、やはり、アルコールは刺激がありますのでね。
飲料やお酒のアルコールに関して次のような定義があります:
(1) ノンアルコール飲料 → アルコール量が1%未満(酒税法 =「酒類はアルコール分1度以上の飲料」)
(2) 低アルコール飲料 → 定義はないが、現状の一般的な市場では、アルコール量が10%未満をさすことが多い
ノンアルコールやアルコールフリーは、「アルコール0%」が一般的なイメージだと思いますが、実は0.01%~0.05%程度のアルコールは含まれることが多い。
お酒だけでなく、一般的な食品でも、糖分が含まれれば、自然発酵しますからアルコールを含んでいる場合があります。
香水には、低アルコールに関する定義がまだありません。
一方、化粧品や香水に関して、「アルコールフリー」「ノンアルコール」「低アルコール」「減アルコール」などのコトバがではじめていなすが、定義はありません。
大人向けアルコールフリー香水は、2000年代まであまり多くありませんでしたが、2006年の「ロンドン旅客機爆破テロ未遂事件」から増えました。
ヒースロー空港の旅客機に爆弾が仕掛けられ、同時多発的に多数の航空機が、空中爆発されそうになったテロ事件です。
大規模でしたが未遂であり世界的な報道はすぐに収束しましたが、まあ、業界の方は、それから大忙し。航空業界は、もちろん、なんと香水業界も慌ただしく。
X線装置で感知できない液体爆弾だったことが衝撃でしたね。
以降、航空機への液体持ち込みは禁止となり、保安検査室の入口前ゴミ箱には、飲み物があるれる光景が数年続きました。
アルコールやアルコールを含む製品、香水やお酒などの輸送に制限が加わり、3~4年かけて、全世界でアルコール製品の輸送が制限される事態へ。
輸送できないわけではないが、いろいろ厳しい。
アルコールフリー香水がにわかに脚光を浴びたのも、この事件が契機だっただろう。
それまで海外発送していた当社も、税関で香水が没収されたりで、2008年に「海外発送不可」と規約変更しました。
アルコールフリーのオードトワレやパルファムを製造することは簡単です。
しかし、アルコールフリーにすると防腐剤や界面活性剤を添加する必要があります。
どちらがお好きですか?
アルコールは、香水の基剤として千年の歴史があります。この長い歴史に耐えるそれだけの理由があります。
たんに、あまりにも優れた物質だから。
だから、多くの国家で、石油同様、戦略物資と見なされています。日本も事実上そうです。
法による製造や流通の管理は厳しく、軽々しく取り扱えない禁制物資となっています。近寄ることもできません。経済産業省に聞いても国税庁に聞いても産業構造さえ不明である。
その意味は、おわかりですよね、アンタッチャブルってことです。
なぜアルコールはそれだけの地位を築いたのか?
第一に、お酒の原料として圧倒的な需要と人気がある。
第二に、天然成分であること。そして、製造が容易、保管が容易、しかも千年以上の歴史と実績と高い安全性。
第三に、天然の殺菌効果 (コロナパンデミックの現在、全人類が毎日お世話になっている)
そして、食用・医療用・工業用として食品や医薬品・化学品まで広範囲に応用できる汎用性・万能性・安全性があまりにも秀逸。
香水に限って言えば、アルコールは、安全な成分なのに香料をよく溶かしてくれて殺菌効果もある。アルコールに代わる成分となると、パーフェクトなものは思い当たりません。
どんな代替成分を使うにしろ、アルコール以外だと防腐剤、界面活性剤、溶剤が別途必要になる、ここが悩みどころなのだ。
アルコールフリー香水が求められているとしても、全香水がそうなるとは思えない。それだけアルコールのメリットは偉大である。
いちおう、開発レベルでは、アルコールフリー香水の試作はやっています。
・アルコール完全フリー alcohol-free・・・(アルコール0%)
・アルコール低減 low-alcohol・・・(アルコール30%)
・アルコール低減 low-alcohol・・・(アルコール60%)
アルコールフリーやアルコール低減版は、最初の香り立ちが、やはりマイルドな印象は受けますね。
現状、すぐに商品化という予定はありませんが、将来的にはアルコールフリー香水をリリースせざるをえないと判断しています。
みなさん、アルコールフリー香水、欲しいですか?
お客様の要望が強ければ、もっと前向きに開発をスピードアップしたいですね。
【関連記事】
(2021/10/04) ローアル香水 (低アルコール香水)
(2021-08-17)
( アルコールフリー香水の制作は、技術的にはカンタンだが・・・ )
アルコールなしで香水、作れますか?
「香水って、アルコールなしで作れますか?」
この問い合わせは、20年くらい前から、たまに来ていました。
アルコールフリー香水を探している人は多いようです。
以前は、ベビー&キッズ香水を除けば、あまりありませんでした。
ベビー&キッズ香水は、日本ではあまり聞きませんが、欧米ではそれなりに。大人への憧れなんでしょうが、化粧品や香水に関心があるキッズたちは多いですね。
ベビー&キッズ香水の特徴の一つはアルコールフリーが多いこと、やはり、アルコールは刺激がありますのでね。
飲料のアルコール定義
飲料やお酒のアルコールに関して次のような定義があります:
(1) ノンアルコール飲料 → アルコール量が1%未満(酒税法 =「酒類はアルコール分1度以上の飲料」)
(2) 低アルコール飲料 → 定義はないが、現状の一般的な市場では、アルコール量が10%未満をさすことが多い
ノンアルコールやアルコールフリーは、「アルコール0%」が一般的なイメージだと思いますが、実は0.01%~0.05%程度のアルコールは含まれることが多い。
お酒だけでなく、一般的な食品でも、糖分が含まれれば、自然発酵しますからアルコールを含んでいる場合があります。
低アルコール香水の定義
香水には、低アルコールに関する定義がまだありません。
一方、化粧品や香水に関して、「アルコールフリー」「ノンアルコール」「低アルコール」「減アルコール」などのコトバがではじめていなすが、定義はありません。
アルコールフリー香水が増え始めたワケ
大人向けアルコールフリー香水は、2000年代まであまり多くありませんでしたが、2006年の「ロンドン旅客機爆破テロ未遂事件」から増えました。
ヒースロー空港の旅客機に爆弾が仕掛けられ、同時多発的に多数の航空機が、空中爆発されそうになったテロ事件です。
大規模でしたが未遂であり世界的な報道はすぐに収束しましたが、まあ、業界の方は、それから大忙し。航空業界は、もちろん、なんと香水業界も慌ただしく。
X線装置で感知できない液体爆弾だったことが衝撃でしたね。
以降、航空機への液体持ち込みは禁止となり、保安検査室の入口前ゴミ箱には、飲み物があるれる光景が数年続きました。
アルコールやアルコールを含む製品、香水やお酒などの輸送に制限が加わり、3~4年かけて、全世界でアルコール製品の輸送が制限される事態へ。
輸送できないわけではないが、いろいろ厳しい。
アルコールフリー香水がにわかに脚光を浴びたのも、この事件が契機だっただろう。
それまで海外発送していた当社も、税関で香水が没収されたりで、2008年に「海外発送不可」と規約変更しました。
アルコールフリー香水、技術的には簡単
アルコールフリーのオードトワレやパルファムを製造することは簡単です。
しかし、アルコールフリーにすると防腐剤や界面活性剤を添加する必要があります。
どちらがお好きですか?
今まで、香水はなぜアルコールで作られてきたのか?
アルコールは、香水の基剤として千年の歴史があります。この長い歴史に耐えるそれだけの理由があります。
たんに、あまりにも優れた物質だから。
だから、多くの国家で、石油同様、戦略物資と見なされています。日本も事実上そうです。
法による製造や流通の管理は厳しく、軽々しく取り扱えない禁制物資となっています。近寄ることもできません。経済産業省に聞いても国税庁に聞いても産業構造さえ不明である。
その意味は、おわかりですよね、アンタッチャブルってことです。
なぜアルコールはそれだけの地位を築いたのか?
第一に、お酒の原料として圧倒的な需要と人気がある。
第二に、天然成分であること。そして、製造が容易、保管が容易、しかも千年以上の歴史と実績と高い安全性。
第三に、天然の殺菌効果 (コロナパンデミックの現在、全人類が毎日お世話になっている)
そして、食用・医療用・工業用として食品や医薬品・化学品まで広範囲に応用できる汎用性・万能性・安全性があまりにも秀逸。
香水に限って言えば、アルコールは、安全な成分なのに香料をよく溶かしてくれて殺菌効果もある。アルコールに代わる成分となると、パーフェクトなものは思い当たりません。
どんな代替成分を使うにしろ、アルコール以外だと防腐剤、界面活性剤、溶剤が別途必要になる、ここが悩みどころなのだ。
アルコールフリー香水が求められているとしても、全香水がそうなるとは思えない。それだけアルコールのメリットは偉大である。
アルコールフリー香水の試作
いちおう、開発レベルでは、アルコールフリー香水の試作はやっています。
・アルコール完全フリー alcohol-free・・・(アルコール0%)
・アルコール低減 low-alcohol・・・(アルコール30%)
・アルコール低減 low-alcohol・・・(アルコール60%)
アルコールフリーやアルコール低減版は、最初の香り立ちが、やはりマイルドな印象は受けますね。
現状、すぐに商品化という予定はありませんが、将来的にはアルコールフリー香水をリリースせざるをえないと判断しています。
アルコールフリー香水がいいですか?
みなさん、アルコールフリー香水、欲しいですか?
お客様の要望が強ければ、もっと前向きに開発をスピードアップしたいですね。
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(2021/10/04) ローアル香水 (低アルコール香水)
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