( 香水工場の )
香る生活
2021年、香水業界・化粧品業界を振り返る・・ブランドのM&A、日本でも
振り返るシリーズ第6弾 (2021/12/13)
( 企業 M&A も戦国時代の様相・・イラストは photolibrary.jp から購入 )
海外では企業やブランドの売り買いは、ごく普通なんですが、日本では企業やブランドを売り買いするという発想も文化も伝統もないと思います。
しかし、日本でもその波がやってきています。
今年、資生堂さんが「TSUBAKI」を売却したことは、ボクにとって象徴的な事件でした。
今年の2月、資生堂さんが「TSUBAKI」ブランドを売却というニュースが流れていました。
大ブランドさんの話で、私ごときが、語る立場ではありませんが、このニュースには驚きと共感がありましたので紹介します。
資生堂さんは、近年、ブランドの統廃合を強力に進めています。
TSUBAKIだけでなく、いろいろなブランドが売却されています。
(トイレタリーなど、おもにトイレタリーブランドが売却対象のようです)
それらは、ニュースになったり、ならなかったり。
しかし、とくにTSUBAKI売却は多くの人にとって驚きでした。
2006年デビュー時のメガマーケティングが強烈だっただけに。
デビュー広告やイベント予算は、資生堂史上最大だったとか・・ということは日本の化粧品業界史上で最大級になるでしょう。
テレビCMを記憶されている方も多いでしょう。
当時日本を代表する6人の女優さんたちが、絶頂期のSMAPのヒット曲をバックに歩く姿は、まぶしいばかりに輝いていました。
・・というコピーも記憶に残りました。
(そうか、国内だけを主戦場に選んだのか、という驚きもありました)
新聞の見開き広告、雑誌や電車などでのジャック広告、イベント会場や街頭では100万本のサンプルが配布されたという。
そんなマンスター商品である TSUBAKIの売却ニュース、「え、手放すの?」と心中声を上げた。
TSUBAKI売却は、経営危機による切売りでなく、明らかに「選択と集中」のための戦略的売却。
TSUBAKIは、高級ヘアケアブランドとして君臨する LUX (ユニリーバ)、アジエンス (花王)、パンテーン (P&G) に対する戦略商品でした。
TSUBAKIは、鮮烈なデビュー後、一気に日本のトップブランドに躍り出たものの、しかし、ライバルたちを圧倒するには至らず、上位ブランド群の混戦・持久戦となり、現在に至っています。
持久戦になれば、やはり世界ブランドとの体力差はジリジリと効いてくると思われます。
ヘアケア製品は、内容量が多い割に、原料はそれなりに高価。しかも、その原料はこの20年間、絶え間なく値上がりが続く。
つまり、利幅が薄いため、ビジネスモデルとしては単純に薄利多売しかない。
グローバルに展開できるLUX、アジアや中国市場のアジエンス、それらとの差別化のため 『日本の女性は美しい』 は致し方ない選択だったかもしれません。
しかし、今時のグローバル戦国時代では、継続するならメガ量産で、世界市場を寡占していく図式にならざるをえない現実があります。
でなければ、ローカルなサロンブランドのように、小規模で高級路線へのシフト・・
(企業サイズも小さくする必要がありますが)
TSUBAKI売却ニュースに接して、中規模サイズの市場での展開は、ますます厳しい時代ではなかろうか、と感じました。
・・なので、TSUBAKI売却には、驚きもありましたが、そうなるだろうなーという「共感」もありました。
(あくまで資生堂さんの本当の実情を知らない庶民の第一印象というレベルでの話です)
それにしても売却先の企業さんは、TSUBAKIブランドをどうするつもりなのか?
世界市場に向けてリブランディングを施すのか?
それとも既存市場・既存の市場サイズで、企業サイズを最適化するのか?
・・ビッグプレイヤーたちの戦国時代は、今後も大荒れですね。
(6) 1年を振り返る・・ブランドのM&A、日本でも
(5) 1年を振り返る・・キンモクセイ香水、多すぎ
(4) 1年を振り返る・・SDGsや脱プラの動き
(3) 1年を振り返る・・薬機法の改正で誇大広告は減るか?
(2) 1年を振り返る・・ネイル製品が売れない
(1) 1年を振り返る・・アイメイクが伸び、リップ急落
(2021-12-13)
( 企業 M&A も戦国時代の様相・・イラストは photolibrary.jp から購入 )
日本もM&Aの時代か?
海外では企業やブランドの売り買いは、ごく普通なんですが、日本では企業やブランドを売り買いするという発想も文化も伝統もないと思います。
しかし、日本でもその波がやってきています。
今年、資生堂さんが「TSUBAKI」を売却したことは、ボクにとって象徴的な事件でした。
「TSUBAKI」売るの?
今年の2月、資生堂さんが「TSUBAKI」ブランドを売却というニュースが流れていました。
大ブランドさんの話で、私ごときが、語る立場ではありませんが、このニュースには驚きと共感がありましたので紹介します。
資生堂、「TSUBAKI」売却 欧ファンドに1600億円 (2021年02月03日 jiji.com)
資生堂さんは、近年、ブランドの統廃合を強力に進めています。
TSUBAKIだけでなく、いろいろなブランドが売却されています。
(トイレタリーなど、おもにトイレタリーブランドが売却対象のようです)
それらは、ニュースになったり、ならなかったり。
しかし、とくにTSUBAKI売却は多くの人にとって驚きでした。
2006年デビュー時のメガマーケティングが強烈だっただけに。
メガマーケティング
デビュー広告やイベント予算は、資生堂史上最大だったとか・・ということは日本の化粧品業界史上で最大級になるでしょう。
テレビCMを記憶されている方も多いでしょう。
当時日本を代表する6人の女優さんたちが、絶頂期のSMAPのヒット曲をバックに歩く姿は、まぶしいばかりに輝いていました。
『日本の女性は美しい』
・・というコピーも記憶に残りました。
(そうか、国内だけを主戦場に選んだのか、という驚きもありました)
新聞の見開き広告、雑誌や電車などでのジャック広告、イベント会場や街頭では100万本のサンプルが配布されたという。
そんなマンスター商品である TSUBAKIの売却ニュース、「え、手放すの?」と心中声を上げた。
ヘアケア市場の背景
TSUBAKI売却は、経営危機による切売りでなく、明らかに「選択と集中」のための戦略的売却。
TSUBAKIは、高級ヘアケアブランドとして君臨する LUX (ユニリーバ)、アジエンス (花王)、パンテーン (P&G) に対する戦略商品でした。
TSUBAKIは、鮮烈なデビュー後、一気に日本のトップブランドに躍り出たものの、しかし、ライバルたちを圧倒するには至らず、上位ブランド群の混戦・持久戦となり、現在に至っています。
持久戦になれば、やはり世界ブランドとの体力差はジリジリと効いてくると思われます。
ヘアケア製品は、内容量が多い割に、原料はそれなりに高価。しかも、その原料はこの20年間、絶え間なく値上がりが続く。
つまり、利幅が薄いため、ビジネスモデルとしては単純に薄利多売しかない。
グローバルに展開できるLUX、アジアや中国市場のアジエンス、それらとの差別化のため 『日本の女性は美しい』 は致し方ない選択だったかもしれません。
しかし、今時のグローバル戦国時代では、継続するならメガ量産で、世界市場を寡占していく図式にならざるをえない現実があります。
でなければ、ローカルなサロンブランドのように、小規模で高級路線へのシフト・・
(企業サイズも小さくする必要がありますが)
強大化するか、小さく個性化するかの時代
TSUBAKI売却ニュースに接して、中規模サイズの市場での展開は、ますます厳しい時代ではなかろうか、と感じました。
・・なので、TSUBAKI売却には、驚きもありましたが、そうなるだろうなーという「共感」もありました。
(あくまで資生堂さんの本当の実情を知らない庶民の第一印象というレベルでの話です)
それにしても売却先の企業さんは、TSUBAKIブランドをどうするつもりなのか?
世界市場に向けてリブランディングを施すのか?
それとも既存市場・既存の市場サイズで、企業サイズを最適化するのか?
・・ビッグプレイヤーたちの戦国時代は、今後も大荒れですね。
(6) 1年を振り返る・・ブランドのM&A、日本でも
(5) 1年を振り返る・・キンモクセイ香水、多すぎ
(4) 1年を振り返る・・SDGsや脱プラの動き
(3) 1年を振り返る・・薬機法の改正で誇大広告は減るか?
(2) 1年を振り返る・・ネイル製品が売れない
(1) 1年を振り返る・・アイメイクが伸び、リップ急落
(2021-12-13)
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