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( 香水工場の )

香る生活


精油工場なら風邪をひかない?
はやり病と精油 (2023/07/18)

蒸留装置、北見ハッカ記念館・薄荷蒸溜館( 北海道・北見ハッカ記念館で見学させてもらったハッカ蒸留器デモモデル。昭和30年代、北見は世界のハッカ生産で質・量ともに圧倒的な世界ナンバー1だった。当時この精油工場で働いていた人々は風邪をまったくひかなかった・・と空想している、ウラは取れていないが・・ )


コロナ流行から3年後の今


この3年間マスク生活で暮らしてきた。

マスクのおかげで風邪にもインフルエンザにも新型コロナにもならなかった。

(マスクしていると風邪ひかないことを痛感した)

が、マスクを外した今、風邪に対する自分の免疫力が落ちている気がする。

この猛暑で自宅でも空調に頼りがちだがエアコンの風で私は風邪をひきやすい。

そして数日前、喉にかすかな痛みを感じてまずい事態になりかけた。

悪化せず無事回復できたが、世間一般の人々も似た状況のようだ。

とくに子供の免疫力の低下はニュースでも取り上げられている。

子供の間でヘルパンギーナやRSウイルス、季節外れのインフルエンザなどの感染症が急増中なのだとか。

インフルエンザで学級閉鎖の話もよく聞く(こんな季節に!?)。

ある程度ウイルスや細菌にさらされないと人の免疫力は逆に落ちるという現実も思い知らされる。


中世ペスト病で生き残った人々


中世ヨーロッパで大流行したペストでは3人に1人が亡くなるという驚異的な疫病だった。

現代なら知識があるので被害はここまで拡大しなかっただろう。

当時は病原菌も感染ルートも不明、誰もが感染し、そして高い致死率で死んでいった。

しかし、経験則的に感染しにくい人々の存在も当時から噂された。

その一つが精油関連の人々・・ハーブ畑や精油工場の労働者。

精油工場とはラベンダーやローズマリーなどのハーブを蒸留し、香りのエッセンスである精油を取り出す工場。

当時精油の一番の利用方法は香水への配合ではなく、手袋への香り付けだった。

なめし革の強烈な匂い対策として使われたので、手袋工場で働く人々もペスト感染が少ないと言われた。

そのような工場では精油成分が充満する。

精油には、おおむねすべての精油に殺菌効果がある。

だから精油成分が PM2.5 のごとく室内に浮遊しペスト菌を破壊・不活性化させていたのでは?・・と現代人なら空想する。

現代でもこの種の伝説は大量の精油を扱う化粧品工場などでささやかれている。


化粧品工場の精油作業場では風邪をひかない


これは都市伝説の一種かもしれないが「風邪にならない、インフルエンザにかからない」と言われている。

知人の会社に化粧品会社さんがあり、その工場では大手雑貨ブランドの精油商品を生産している。

とにかく売れているブランドなので生産量も半端でない・・といろいろ書くとそのブランドさんから横ヤリが入りそうなので詳細はこれくらいで。

ドラム缶に詰められたラベンダーやローズマリー、オレンジなどの精油を小さな小さな小瓶に充填する作業がその工場では毎日行われている。

「確かに風邪はひきにくかった」と彼は言う。


逆効果も


ここまで精油が感染症予防に効果があるという、とってもバラ色な話をしてきて「精油バンザ~イ」で終わりたいところだが、精油の香りにはデメリットもある。

ちょっと香る分には、ほぼすべての人にとって心を和ませる香りだが、精油工場の中では強すぎる!のだ。

中には具合が悪くなって工場を去る人も少なからずいる。

上の友人の話だが、工場で働くアルバイトを募集し面接する際「精油の香りは大丈夫か?」は必ず聞く質問項目の一つ。

多くの人は面接時、その部屋にまで漂ってくる精油の香りに「好きな香り」「問題ありません」などとポジティブに返事する。

しかし、実際に働き始めると彼らの一部は「何枚マスクしてもムリ!」と言って早々に辞めていくとのこと。

実際に具合が悪くなる人もいる・・よい香りも濃すぎると辛いものである。

「過ぎたるは猶及ばざるが如し」の教訓はここでも正しいようである。





(2023-07-18)
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