( 香水工場の )
香る生活
株式会社になりました
2023年11月1日付けで・・(2023/11/24)
( 商号変更のメリット・デメリットを検討して・・ )
会社形態の違いなどに関心ある人は少ないと思いますが、もし興味ありましたお読みください、そういう方にはおもしろい記事かも・・
これまで当社は有限会社でしたが今回株式会社に変更しました。
取引台帳の修正があるので取引先数社に連絡したところ一社から「おめでとうございます」と言われた。
特に意味はなく軽い社交辞令的な反応だろうが、どことなく違和感を感じた。
有限より株式会社の方が格上というイメージがあることを暗示する何気ないよい一言だった。
当社は1996年に「有限会社」という会社組織で創業した。
当時は資本金「1,000万円」以上が株式会社の条件で、額がやや厳しいし、それに小さな企業には有限の方がなにかと動きやすいと判断した。
たとえば、株式会社だと決定事項によっては株主総会での承認が必要だったり、監査役の設置が求められたり。
取締役の任期は通常2年で2年ごとに重任するなり新任するなり法務局で登記しなおすなどの規制がある。
さらに株式会社には決算結果の開示義務もある。
個人で言えば給料明細をパブリックに公開するようなもの、中小企業の成績表は立派でないところが多いので、なかなか胸を張って公開しにくいものである・・
だから小さな企業には有限会社の方がふさわしい。
ところが・・
2006年に新会社法が施行されて会社形態が大きく変化した。
一つは有限会社の廃止。
二つ目は資本金制度の廃止。
あの「1,000万円」だった資本金は不要となり、法的には「1円」でも株式会社は設立可能となった。
決算の公告義務は残っているものの非公開会社は、事実上しなくてもお咎めなしのダブルスタンダード。
(その結果、全国の9割以上の株式会社が決算公告を行っていない)
さらに取締役の任期が10年まで延期されたことで「小さな企業もすべて株式会社でいいじゃん!」という雰囲気へと政府は方針転換をしたのです。
日本では当時すでに経済的没落がはじまっていた。
多くの国民に起業・開業を奨励し経済活性化の刺激策にしたいという政府の意図が見て取れる。
2006年の新会社法以前に存在した有限会社は "特例" として有限を名乗ることができるものの法的建前としては「そんな会社は存在しない」というポジションになりました。
なくなったからには、いつかは商号変更しなくちゃ・・と思いながら10年以上放置してきた。
社内では、今となってはむしろ「希少価値となった有限を残したい」という意見も強かった。
メリット・デメリットを検討してついに重い腰を上げ今回商号変更となった。
なお、商号変更の検討の過程で「合同会社」という選択肢もありましたが、話が長くなるので今日はここまで。
(追加) 合同会社については「話が長くなるので・・」と筆を止めましたが、再考して書き残すことにしました。
実は2006年の新会社法で有限会社を廃止すると同時に新しい形態の会社組織が導入されました。それが合同会社。
有限会社と同じように小規模組織向けの組織に向いている形態、というより有限会社よりさらに小さな会社に最適。
株式会社とはもともと出資者と経営者が別人(所有と経営の分離)で、株式を不特定多数の人々に公開する企業形態を想定している。
だから株主総会の開催や決算公示義務など厳しいルールがある。
出資と経営が同じ人間や家族や仲間など限られた人間になりがちな個人事業や小規模会社の形態としては、株式会社はまったく最適化されていないと言える。
しかし1990年代インターネット革命がはじまると起業スタイルがガラリと変化しました。
それまで起業と言えば、どこからか資本金をかき集めてきて工場を建てたり大型機械を入れたり、大きな設備投資を行うスタイルでした。
このスタイルはもちろん現在でも続いていますが、ネット時代の起業は数人の仲間で資本金もなしに自宅のガレージなどでスタートするスタイル・・Apple、Google、AmazonなどメガIT企業の多くはこうやって立ち上がってきました。
少人数でお金をかけずに起業する、つまり個人事業レベルでの起業の方がネット時代にはむしろ有利ということでしょう。
1980年代、米国ではこういうスタイルにマッチした新しい会社形態として「LLC」(Limited Liability Company)が生み出されました。
(格安航空会社「LCC」(Low Cost Carrier)ではない)
LLCは出資者と経営者が分かれておらず、私には有限会社よりもさらに個人事業に近いモデルに感じられます。
意思決定が速く迅速で機動力が魅力で、変化が早いITやライフサイエンスなどのハイテク分野に最適な企業形態です。
日本の合同会社は米国LLCをモデルとしているそうです。
だから有限会社の名称を廃棄するとしたら、小規模企業の当社は株式会社よりも合同会社の方がいいのでは?と最後まで迷いました。
一方、Apple、Google、Amazonの日本法人は巨大なのにすべて株式会社から合同会社へ移行しました。これは決算公示義務の回避のためと推測されます。
合同会社に対する世間の認知度が理由です。
当社がApple、Google、Amazonのように地名度があれば会社形態など誰も気にしませんが、社会的信用が不足している場合、当社を知らないお客様にとって社名における第一印象は正直勝負部分になることがある・・というわけでこうなった次第です。
今回当社は、商号が少しだけ変化しました、中身に変化ありません。
今後ともごひいきのほど、よろしくお願いします。
(2023-11-24)
( 商号変更のメリット・デメリットを検討して・・ )
会社形態の違いなどに関心ある人は少ないと思いますが、もし興味ありましたお読みください、そういう方にはおもしろい記事かも・・
「おめでとう」なのか?
これまで当社は有限会社でしたが今回株式会社に変更しました。
取引台帳の修正があるので取引先数社に連絡したところ一社から「おめでとうございます」と言われた。
特に意味はなく軽い社交辞令的な反応だろうが、どことなく違和感を感じた。
有限より株式会社の方が格上というイメージがあることを暗示する何気ないよい一言だった。
有限会社 vs 株式会社
当社は1996年に「有限会社」という会社組織で創業した。
当時は資本金「1,000万円」以上が株式会社の条件で、額がやや厳しいし、それに小さな企業には有限の方がなにかと動きやすいと判断した。
たとえば、株式会社だと決定事項によっては株主総会での承認が必要だったり、監査役の設置が求められたり。
取締役の任期は通常2年で2年ごとに重任するなり新任するなり法務局で登記しなおすなどの規制がある。
さらに株式会社には決算結果の開示義務もある。
個人で言えば給料明細をパブリックに公開するようなもの、中小企業の成績表は立派でないところが多いので、なかなか胸を張って公開しにくいものである・・
だから小さな企業には有限会社の方がふさわしい。
ところが・・
新会社法で有限会社は消滅
2006年に新会社法が施行されて会社形態が大きく変化した。
一つは有限会社の廃止。
二つ目は資本金制度の廃止。
あの「1,000万円」だった資本金は不要となり、法的には「1円」でも株式会社は設立可能となった。
決算の公告義務は残っているものの非公開会社は、事実上しなくてもお咎めなしのダブルスタンダード。
(その結果、全国の9割以上の株式会社が決算公告を行っていない)
さらに取締役の任期が10年まで延期されたことで「小さな企業もすべて株式会社でいいじゃん!」という雰囲気へと政府は方針転換をしたのです。
日本では当時すでに経済的没落がはじまっていた。
多くの国民に起業・開業を奨励し経済活性化の刺激策にしたいという政府の意図が見て取れる。
むしろ希少価値となった有限会社・・
2006年の新会社法以前に存在した有限会社は "特例" として有限を名乗ることができるものの法的建前としては「そんな会社は存在しない」というポジションになりました。
なくなったからには、いつかは商号変更しなくちゃ・・と思いながら10年以上放置してきた。
社内では、今となってはむしろ「希少価値となった有限を残したい」という意見も強かった。
メリット・デメリットを検討してついに重い腰を上げ今回商号変更となった。
なお、商号変更の検討の過程で「合同会社」という選択肢もありましたが、話が長くなるので今日はここまで。
(追加) 合同会社については「話が長くなるので・・」と筆を止めましたが、再考して書き残すことにしました。
ダークホース「合同会社」
実は2006年の新会社法で有限会社を廃止すると同時に新しい形態の会社組織が導入されました。それが合同会社。
有限会社と同じように小規模組織向けの組織に向いている形態、というより有限会社よりさらに小さな会社に最適。
株式会社とはもともと出資者と経営者が別人(所有と経営の分離)で、株式を不特定多数の人々に公開する企業形態を想定している。
だから株主総会の開催や決算公示義務など厳しいルールがある。
出資と経営が同じ人間や家族や仲間など限られた人間になりがちな個人事業や小規模会社の形態としては、株式会社はまったく最適化されていないと言える。
会社形態の変化
しかし1990年代インターネット革命がはじまると起業スタイルがガラリと変化しました。
それまで起業と言えば、どこからか資本金をかき集めてきて工場を建てたり大型機械を入れたり、大きな設備投資を行うスタイルでした。
このスタイルはもちろん現在でも続いていますが、ネット時代の起業は数人の仲間で資本金もなしに自宅のガレージなどでスタートするスタイル・・Apple、Google、AmazonなどメガIT企業の多くはこうやって立ち上がってきました。
少人数でお金をかけずに起業する、つまり個人事業レベルでの起業の方がネット時代にはむしろ有利ということでしょう。
1980年代、米国ではこういうスタイルにマッチした新しい会社形態として「LLC」(Limited Liability Company)が生み出されました。
(格安航空会社「LCC」(Low Cost Carrier)ではない)
合同会社は小規模会社に最適
LLCは出資者と経営者が分かれておらず、私には有限会社よりもさらに個人事業に近いモデルに感じられます。
意思決定が速く迅速で機動力が魅力で、変化が早いITやライフサイエンスなどのハイテク分野に最適な企業形態です。
日本の合同会社は米国LLCをモデルとしているそうです。
だから有限会社の名称を廃棄するとしたら、小規模企業の当社は株式会社よりも合同会社の方がいいのでは?と最後まで迷いました。
一方、Apple、Google、Amazonの日本法人は巨大なのにすべて株式会社から合同会社へ移行しました。これは決算公示義務の回避のためと推測されます。
なぜ合同会社にしなかったのか?
合同会社に対する世間の認知度が理由です。
当社がApple、Google、Amazonのように地名度があれば会社形態など誰も気にしませんが、社会的信用が不足している場合、当社を知らないお客様にとって社名における第一印象は正直勝負部分になることがある・・というわけでこうなった次第です。
今回当社は、商号が少しだけ変化しました、中身に変化ありません。
今後ともごひいきのほど、よろしくお願いします。
(2023-11-24)
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