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( 香水工場の )

香る生活


ナースプロジェクト
ちょっと誤解を与えそうな言い回しですが、正式には「ナースフレグランス・プロジェクト」。半年前ある看護婦さんからお手紙をいただきました。

便せんには「病院は消毒薬や薬品の臭いばかりで季節感がありません」と。「だからオフのときは香りを楽しむんですよ」という明るい内容です。

でも私は「病院には季節感がない」という部分にチャレンジを感じました。看護婦さんが香水をつけている光景は少し場違いな印象がありますが、もともと香りは日常生活そのもの、病気と闘う患者さんに自然の記憶を呼び覚ますような香りであれば喜ばれるのではないか、と考えました。

であるならナースフレグランスがあってもいいのではないかと考えた次第です。香りに関する病院の話は、病室や診療室によい香りを漂わせたいという要望の前に、まずは、とにかく「消臭したい」という需要が高いのが普通です。スタートラインからハードルが高そうです。

私の経験ですが、ベトナムで旅行中、生春巻きに当たって3日間寝込んだとき一日半くらい立ち上がることさえできず、いっさいの食べ物を口に入れることができなりました。

この時少しでも食べ物の匂いがしてくると吐き気が催され、実際トイレに這って行き吐いていました(吐く物はありませんが)。

こういう病人には香りはとても楽しめる状態ではなく、むしろ症状が悪化することさえあると思います。病院で香水は無理な話かもしれません。

患者さんの中には病院の給食の準備中に香る臭いで具合が悪くない人さえいます。カレーが大好物なのに入院中、カレーの匂いがしてくると吐き気を催すという方からメールをいただいたことがあります。

このように体力に余裕がないときは香りは、とても楽しめるような代物ではないよぷです。しかし、反面体力が回復してくると香りは、人として大切なエンターテイメントになります。

ナースプロジェクトはけっきょく後日頓挫する運命にありますが、やはりはじめから無理が伴っている印象は拭えません。

(2005-12-01)
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