( 香水工場の )
香る生活
女性の願い美白と美白化粧品
美白パックの製造に関してお問い合せを受けました。当社の専門は香水製造なので畑違いなのですが、知っている範囲でお答えしました。
超ホワイトニング
お問い合せいただいた方の美白のイメージは、まさに「奇跡を起こすクリーム」といったところ。う〜ん...うなってしまう。
「ひと塗りで、お肌がみるみる白くなる、チョーホワイトニング!」
といったノリです。
肌が白くなる化粧品は厳密には違反
化粧品は奇跡を起こしていけないことが薬事法に明記されています。
ですのでこの時点でそういうコンセプト自体が化粧品として不可能なのですが、そこはグレーな解釈を行うことで、化粧品会社は美白化粧品を作り続けます。
美白化粧品の実情
市販されている美白化粧品に肌を白くする効果はありません(薬事法上、そのような効能・効果があってはならいのです、厳密には)。
そこで、現在の美白化粧品の主流は、日焼けによる肌の黒色化を予防することが美白化粧品の目的です。
つまり、お肌を白くするのではなく、お肌が黒くならないための対策なのです。
メラニンを抑える
紫外線を受けると肌を保護するため皮膚内では紫外線を反射しやすいメラニンが生成されます。日焼けでお肌が黒くなるのはメラニンが生成されたためですが、これはふつうは時間とともに分解されます。
ところが、分解されずに色素沈着を起こすと消えにくいシミとなるため、メラニンは女性たちの大敵として扱われます(色素沈着を起こす原因は解明されていません。ケガの傷口なども色素が沈着することがあります)。
しかし、メラニン生成は紫外線からお肌を守るためのカラダの自然なメカニズムなのです。人体ってすばらしいですね。
さて、メラニンができると肌が黒くなるので、これを作らせなければいいのではないのか?というかなり大胆は発想のもとに作られたものが美白化粧品です。
いくつか手法がありますが、代表的な方法はアルブチン、ルシノール、エラグ酸などのメラニン生成酵素(チロシナーゼ)の阻害成分を配合することです。
コトバのマジック
「美白」というコトバを明記するためには、化粧品ではなく「医薬部外品」として厚生労働省に申請し許可を取得する必要があります(でも「ホワイトニング」や「スーパーホワイト」なら化粧品でもよい)。
美白化粧品の笑い話
ある化粧品会社さんに聞いた笑い話を一つ。
とあるサロンさんから依頼されてオリジナルの美白パックを開発。ネーミングはもちろん「エクストリーム・ウルトラ・ホワイト」かなんかのような微妙な言い回し。
メラニン生成酵素の阻害成分を配合して制作したそうですが、当然、お肌は白くなりません。
「それではお客様に実感していただけない」というサロンさんのご要望で酸化チタンを配合したそうです。
酸化チタンはお肌につけても無吸収・無害な金属粒子で、肌表面で光を乱反射させるためにあたかも「白く見える」のです。
歯のホワイトニングの原理と似ていますね。昔の日焼け止めは乾くと白くなりましたが、あれは酸化チタンのためです。
それって、おしろい(白粉)に近い発想ですよね。
(2006-10-13)
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