Home > ブログ
リスト表示 | (edit)
( 香水工場の )

香る生活


チーズのおみやげ
南フランスとグラースを旅行してきた知人におみやげをもらいました。

チーズです。

私もヨーロッパに旅行したとき、おみやげとしてチーズにしようか?といつも脳裡をかすめます。

日本で販売されているチーズは種類が限られていることやプライスがなにかと割高なので現地のチーズにはお買い得感を感じます。

食通の国、中国やインドでは現在ワインやチーズブームで、今後チーズは高級食材へと変貌しそうな気配があります。

日本の庶民である私の手に届くのは今の内かもしれないという慎ましくも悲しい危機感もあり、現地の市場をうろうろするときは、特にチーズに心惹かれます。

とはいえチーズはおもやげにしにくいのも事実です。真空パックしてもらっても匂いが飛行機内を満たしそうでつい遠慮してしまいますが、今回知人は持って帰ってきてくれました。臭いです。袋からすでに匂いが。外国人が耐え難い納豆の匂いなら私には香ばしい「香り」に感じますが、チーズの臭さは今でも涙ものです。

これだけくさいと日本人の中には袋を解く前に「次の生ゴミの日はいつだっけ?」と考えない人もいないとは限りません。

恐ろしさのあまり袋を開ける手が若干かじかみ気味。しかし、出てきたものはカマンベールのように白い肌のチーズで、微妙な臭気が伴いますが、赤ワインとともに口に含むと絶品です。おそらく食べている内にその微妙な臭気さえ食通を唸らせる香りに変貌していくのでしょう。

一般に発酵食品には硫化水素やアンモニアなどの刺激臭が含まれることが多い。これらは人にとって腐敗臭そのものです。

韓国にはエイの発酵食品である「ホンオ・フェ」というスゴモノがあるらしいです。なんでも知らない人が食べると気絶・絶倒し、知っている人は「涙を流しながら」食べる美味なる発酵食品とのことです(実話ですよ)。

ここまでくると「発酵」と「腐敗」の差ってなんだっけ?と疑問符がたってしまいますが、発酵食品には多少のアンモニア臭くらいは「美味なる香り」に感じさせるパワーがあることは間違いないようです。

また、アンモニア臭を「美味なる香り」に感じてしまうところに人間の深層に潜む危なさも感じさせます。
(2007-05-14)
search
月一メルマガ

TOP