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( 香水工場の )

香る生活


今年のヨーロッパ産ローズは異変気味

熱波のモスクワ


モスクワは通常5月でも肌寒いくらいですが、今年は異常です。ニュースによると5月後半には連日30度以上、観測記録を更新しつづけている模様です。


多発する山火事


6月下旬イタリアでは地中海より吹き荒れる熱波に見舞われ連日40度を超え、特にシチリア島では気温45度を超える猛暑。スペイン、フランス、ルーマニア・・・ヨーロッパ全体が猛暑の狂おしい状況です。

猛暑の夏は、ヨーロッパでは必ず山火事が多発し、現地では消火活動に当たる消防隊のニュースが繰り返し流されます。


クーラーの普及が進む


現地のホテルでテレビを付けているともう見ているだけでもだえてしまいます。フランスやイギリスでは真夏でも過ごしやすく、近年まで一般家庭にクーラーはありませんでした。

たとえばフランスの代表的リゾートであるニースやカンヌでさえ、ちょっとランクの落ちるホテルや郊外の中クラスホテルになると空調はありませんでした。

しかし、近年猛暑のために亡くなる方が続出、一般家庭にもクーラーの普及が進み始めています。


開花が早まるバラ


ブルガリアローズの収穫は5月最盛期を迎え、6月上旬にはほぼ完了するのですが、毎年開花時期が早まっています。

今年のブルガリア「バラの谷」は開花時期が早いだけでなく、開花前の雨量が少なく、開花すれば雨天が続きました。

天候不順はそのままローズの品質に影響します。開花前に雨天が続き、収穫期には曇天が続くの理想的です。

それによって精油の質・量ともに最高のローズオイルが産出されます。


狂いだす天候


その理想の天候がブルガリア「バラの谷」の世界的な競争力の源泉になっているのですが(その他、バラの谷は地形や土壌成分なども理想的です)、その競争力が今年は充分に発揮できませんでした。

ローズオイルの生産量は例年と比較して落ちていますし、生産量が落ちる年は、必ず品質も落ちるものです。


暗い影を落とす天候異変


一方、6月はじめフランスにバラの生育を視察に行った知人によると例年ならよいタイミングの頃と予想していたのですが「すでに腐れかけていた」と表現していました。

イランやトルコ、モロッコ、インド、中国でもローズ栽培が盛んですが、今のところよいニュースは聞こえてきません。

ローズオイル関係者には切実な状況です。今年だけでなくこれからも異変が続いていきそうな気配が関係者の心に陰を落とします。

(2007-06-30)
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