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( 香水工場の )

香る生活


カシメ式スプレーの香水瓶
香水瓶とディスペンサー(スプレーポンプ)の接合方法は主に下記の2種類。

・ネジ式
・カシメ式

ネジはクルクル状の溝を噛み合わせて締めるもの。一方カシメは、加締器(加締機)と呼ばれる専用工具や機械で圧着するもの。

ディスペンサー(スプレイヤーポンプ)は耐薬品性・防錆性・扱いやすさを考慮してアルミ製が多いのですが、アルミ金属が加締器で、いったんガチャンと圧着されると、開封できなくなります。

世界の香水の9割以上はカシメ式と思われます。特にブランドさんや大手さんはカシメ式が圧倒的に多いです。

武蔵野ワークスでは今年の始めまでフローラル・フォーシーズンズの主力商品にネジ式ボトルを採用していました。武蔵野ワークスがボトルデザインを行い自社で金型を起こし所有していたため非常に愛着がありました。

さらに、ネジ式は香水瓶からディスペンサーをカンタンに取りはずせて分別廃棄しやすい点もお気に入りです。

しかし、けっきょく当社もカシメ式に移行しました。密閉性を優先したのです。伴いボトルもフランス製へと変更されました。

ネジ式の密閉性が悪いわけではありません。しかし、閉める際の力加減の調整が困難でムラがでること、何回か開け閉めするとアルミ製ネジ山に微妙な変形が生じることが問題となりました。

電子顕微鏡のような高度な検査機器でないとわからないほど微細な変形で通常使用には何ら問題ありませんが、長期にわたる保管ではかすかな揮発や酸素流入の原因となり、結果的にオードトワレやパルファムの品質に影響を与えます。

ネジ閉めの際、作業員ごとに、また同じ個人でもそのときの気分や疲れ具合によって固さにムラがでます。

それを回避するために機械を使用してなるべく一定の力でディスペンサーを装着する作業工程を組みます。

カシメ式でもネジと同様の問題を抱えていますが、トラブルに対する許容範囲が若干広く、その分リスク軽減に役立ちます。



カシメ式に変更後、液漏れなどのトラブル報告はありません。

しかし、あるお問い合せの多さは想定外でした。

「小分けしたいのですが、どうしたらいいですか?スプレイヤーを外そうとペンチでゴリゴリやったら香水瓶の口からボキっと折れました」

のような問い合わせです。お客様がスプレイヤーを外すことはこの種の香水瓶では想定されていませんので「廃棄時以外、ディスペンサー外さないで下さい。外してしまうと元に戻せなくなります」と返答するのがせいいっぱいです。



カシメ式スプレータイプの香水瓶からパルファムをアトマイザーなどの小瓶に小分けする方法は「詰替ノズル」をご使用ください。

詰替ノズルは市販のアトマイザーなどに付属品として販売されているケースが多いようです。たとえば、ヤマダアトマイザーさんのWEBページでは「詰替ノズル」の使用方法が写真入りで解説されています

手順は下記の通りです:

1)香水瓶のディスペンサーの上に付いているボタン(キャップ)を外す(これがはずせることを知っている人は案外少ないようです)。キャップを指で挟んで上方向に引き上げればスポっとはずれます。そこには裸のノズル口(パイプ)がでてくるはずです。

2)出てきたパイプに付属の「詰替ノズル」を差し込んで出来上がり

3)「詰替ノズル」からアトマイザーなどに小分けして下さい。

以上、カシメ式スプレータイプ香水の小分け方法でした。参考になれば幸いです。





(2007-09-20)
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