( 香水工場の )
香る生活
弱者の香水ビジネス7
「弱者の香水ビジネス」の七回目。「弱者の香水ビジネス」も長くなってきました。今日を含めあと2回です。
ルドニッカ氏はどんなふうにダンさんの香水を創り、そして彼女がどのようにそれを選択するか記述されています。ここに書かれた内容は、香水の開発過程では比較的、標準的な手法とプロセスではないかと思います。
「1年間かけて40種類のバリエーションを試した」とありますが、香水のバリエーションの場合、種類の数え方は微妙です。オリジナルで40種類を制作することはクリエイターにとってもかるく限界を超えますので、ライブラリーやマイナーチェンジが多数含まれると推測されます。
また、1年間を長いとするか短いとするかはプロジェクトによって違いますが、やはり1年くらい簡単にかかるかもしれません。
また、パッケージング(パッケージ開発制作)は、香水に開発には重要なテーマの一つですが、あまり突っ込まれていないというか意図的に省かれているかもしれません。ここで商品開発全体のコストが大きく左右に振れます。欲を言えばもっと突っ込んで書いていただければ、オリジナル香水開発を目指す読者にはより具体的になったでしょう。
さっそく内容に行きます:
「2005年の8月、ダンさんはグラースのルドニッカ氏のラボへ飛びます。そこでルドニッカ氏は数十種類のシングルノートの香りを詰めたサンプル瓶(バイアル瓶)と調合途中の作品を彼女に嗅かせます」
「ルドニッカ氏自身はスパイシーな香りを好んで制作しますが、ダンさんの希望を具体化するにはチャレンジがあったと言います。ダンさんはある意味、逆説的なビジョンを自分の香りに求めていました。それは『激しさと女性らしい控え目さがあり、清潔で、それでいてフローラルな香りであること』(A scent at once intense and demure, clean yet floral)。」
「翌年一年かけて、ダンさんはルドニッカ氏に結果的に40種類の香りのバリエーションを送ってもらいますが、甘すぎたり重すぎたりする香りの連続でした」
「その年の終わり、混雑する地下鉄の中で知らない人間が彼女に『すばらしい香りだ』と話しかけられたことを契機に、彼女とルドニッカ氏はその香りでEllieの最終レシピー(処方)を決定しました」
「ダンさんはその後パッケージ開発に腐心します。古風な香水瓶にしっくりマッチするようなアトマイザー(訳者注:スプレー部分。ここでは香水瓶全体を差すと思われる)は避けました。さらにボトルの首に巻くグログラン製のリボンを捜すために生地ショップを回りました。比較的シンプルなリボンとパッケージを選択し、装飾としてフレンチドット(水玉模様)を加えました」
「結果的に生まれた製品は、古典的なボトルにモダンで現代風アレンジが施こされた印象を与えます。女性らしいさを感じさせる作品です。もしEllieがブロードウェイのミュージカルとするな、おそらく『徹底的 モダン・ばーちゃん』と呼ばれるかもしれません(*1)」
(*1)Modern Grannieを訳せません。Grannieはおばあちゃんの愛称と思われますが、ブロードウェイの何かの有名な作品かもしれません。
---------------QUOTE--------------
In August 2005, Ms. Dunne traveled to Cabris, where Mr. Roudnitska presented dozens of vials, each containing a single note, and had her smell them, as well as some partly finished fragrances on which he had already worked. The perfumer, who prefers spicier juices in his own creations, said it was a challenge for him to incarnate Ms. Dunne’s paradoxical vision: a scent at once intense and demure, clean yet floral.
Throughout the next year, Mr. Roudnitska sent Ms. Dunne about 40 variations of the scent, she said. Some were too cloying, others too heady.
By the end of 2006, after a stranger on a crowded subway train told Ms. Dunne she smelled great, she and Mr. Roudnitska finalized the recipe for Ellie.
Then Ms. Dunne turned to the packaging. She eschewed an atomizer in favor of an old-fashioned glass bottle with a stopper. She trawled fabric stores in search of grosgrain(グログラン、にぶい光沢のあるうね織の一種) ribbon narrow enough to slip around the bottleneck. She chose simple graphics for the bottle and gift box, adding tiny French dots for feminine detail.
The result is a modernist rendition of old-school perfumes with a vintage ladylike properness to it. If Ellie were a Broadway musical, it could be called “Thoroughly Modern Grannie.”
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・弱者の香水ビジネス8
・弱者の香水ビジネス7
・弱者の香水ビジネス6
・弱者の香水ビジネス5
・弱者の香水ビジネス4
・弱者の香水ビジネス3
・弱者の香水ビジネス2
・弱者の香水ビジネス1
(2008-08-27)
ルドニッカ氏はどんなふうにダンさんの香水を創り、そして彼女がどのようにそれを選択するか記述されています。ここに書かれた内容は、香水の開発過程では比較的、標準的な手法とプロセスではないかと思います。
「1年間かけて40種類のバリエーションを試した」とありますが、香水のバリエーションの場合、種類の数え方は微妙です。オリジナルで40種類を制作することはクリエイターにとってもかるく限界を超えますので、ライブラリーやマイナーチェンジが多数含まれると推測されます。
また、1年間を長いとするか短いとするかはプロジェクトによって違いますが、やはり1年くらい簡単にかかるかもしれません。
また、パッケージング(パッケージ開発制作)は、香水に開発には重要なテーマの一つですが、あまり突っ込まれていないというか意図的に省かれているかもしれません。ここで商品開発全体のコストが大きく左右に振れます。欲を言えばもっと突っ込んで書いていただければ、オリジナル香水開発を目指す読者にはより具体的になったでしょう。
さっそく内容に行きます:
「2005年の8月、ダンさんはグラースのルドニッカ氏のラボへ飛びます。そこでルドニッカ氏は数十種類のシングルノートの香りを詰めたサンプル瓶(バイアル瓶)と調合途中の作品を彼女に嗅かせます」
「ルドニッカ氏自身はスパイシーな香りを好んで制作しますが、ダンさんの希望を具体化するにはチャレンジがあったと言います。ダンさんはある意味、逆説的なビジョンを自分の香りに求めていました。それは『激しさと女性らしい控え目さがあり、清潔で、それでいてフローラルな香りであること』(A scent at once intense and demure, clean yet floral)。」
「翌年一年かけて、ダンさんはルドニッカ氏に結果的に40種類の香りのバリエーションを送ってもらいますが、甘すぎたり重すぎたりする香りの連続でした」
「その年の終わり、混雑する地下鉄の中で知らない人間が彼女に『すばらしい香りだ』と話しかけられたことを契機に、彼女とルドニッカ氏はその香りでEllieの最終レシピー(処方)を決定しました」
「ダンさんはその後パッケージ開発に腐心します。古風な香水瓶にしっくりマッチするようなアトマイザー(訳者注:スプレー部分。ここでは香水瓶全体を差すと思われる)は避けました。さらにボトルの首に巻くグログラン製のリボンを捜すために生地ショップを回りました。比較的シンプルなリボンとパッケージを選択し、装飾としてフレンチドット(水玉模様)を加えました」
「結果的に生まれた製品は、古典的なボトルにモダンで現代風アレンジが施こされた印象を与えます。女性らしいさを感じさせる作品です。もしEllieがブロードウェイのミュージカルとするな、おそらく『徹底的 モダン・ばーちゃん』と呼ばれるかもしれません(*1)」
(*1)Modern Grannieを訳せません。Grannieはおばあちゃんの愛称と思われますが、ブロードウェイの何かの有名な作品かもしれません。
---------------QUOTE--------------
In August 2005, Ms. Dunne traveled to Cabris, where Mr. Roudnitska presented dozens of vials, each containing a single note, and had her smell them, as well as some partly finished fragrances on which he had already worked. The perfumer, who prefers spicier juices in his own creations, said it was a challenge for him to incarnate Ms. Dunne’s paradoxical vision: a scent at once intense and demure, clean yet floral.
Throughout the next year, Mr. Roudnitska sent Ms. Dunne about 40 variations of the scent, she said. Some were too cloying, others too heady.
By the end of 2006, after a stranger on a crowded subway train told Ms. Dunne she smelled great, she and Mr. Roudnitska finalized the recipe for Ellie.
Then Ms. Dunne turned to the packaging. She eschewed an atomizer in favor of an old-fashioned glass bottle with a stopper. She trawled fabric stores in search of grosgrain(グログラン、にぶい光沢のあるうね織の一種) ribbon narrow enough to slip around the bottleneck. She chose simple graphics for the bottle and gift box, adding tiny French dots for feminine detail.
The result is a modernist rendition of old-school perfumes with a vintage ladylike properness to it. If Ellie were a Broadway musical, it could be called “Thoroughly Modern Grannie.”
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・弱者の香水ビジネス5
・弱者の香水ビジネス4
・弱者の香水ビジネス3
・弱者の香水ビジネス2
・弱者の香水ビジネス1
(2008-08-27)
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