( 香水工場の )
香る生活
コンシンのジェル 製造風景
今年前半に製造した前回ロットの『コンシンのジェル』はもう在庫切れスレスレで、販売を「止めるべきか、止めざるべきか」という苦悩度が10月の初旬からジワジワとレベルアップしていましたが、待ちに待った2008年産ブルガリアローズオイルが10月の中旬に到着し、ようやく次の『コンシンのジェル』生産日程が立ちなした。そして昨日工場に行ってきました。
この辺は数日前に「高級化粧品に詰め替えパックは存在しない?」に書かせていただきました。
昨日、季節外れの豪雨の中、千葉県松戸市にある提携工場のポイントさんへ。工場に到着するとすでに中村さんが忙しそうに下準備。私もすぐに作業服に着替えて工場内へ。
工業製品は何度作ってもまったく同じ品質になると考えている人は少なくありませんが、違います。
原料の種類や配合比率、製造手順などの「製造処方」は厳格に決められていても、実はかなり違った製品になります。同じ原料でも仕入れ先が違えばかなり違いますし、同じ仕入れ先でもロットで違って年度によっても違います。特に天然素材は違ってあたりまえ。調達ごとに微妙に品質が違うのはよくあることです。
さらに、製造する季節や天候にも影響を受けます。当社製品に関して言えば、10月〜11月は一年間でもっともよい製品ができる季節です。
『コンシンのジェル』の作り方はきわめてシンプル。『コンシンのジェル』だけでなく化粧品クリームや化粧品ジェル、ローション類の作り方はみな同じです。原料となる水、グリセリン、オリーブオイル、・・・などを大きな釜に投げ込んで練り上げる。それだけです。
シンプルなだけにノウハウがあります。
職人芸的なカンと経験もモノいう世界です。『コンシンのジェル』の製造は中村さん以外にはお願いしたことがなく、中村さんの経験に依存している部分があるのは確か。ジェルの練り方にしても釜内部の温度(かなり高温にします)や攪拌のハネの回転数はまさに経験則。そのときの製造量によってもそれらは微調整されます。いっぱい失敗してこないと、これがなかなか身につきません。
『コンシンのジェル』の製造で一番気を遣うところは「ジェル加減」です。
オイルと水とある種の成分を混ぜ合わせると乳化(乳化とは、つまりクリーム化のことです。化粧品製造のキーワード)しますが、この乳化が絶妙なタイミングで止まるよう製造処方を組んでいます。完全な乳化の方がはるかに簡単です。なぜあのタイミングで乳化を止めるのか?・・・私たちは実験でローズオイルがもっともローズオイルらしく香るために必要だとわかりました。
ジェル加減をだすために釜の温度や原料の投入順番はもちろん、混ぜ方にもノウハウがあります。コーヒーの入れ方やお湯の注ぎ方にまでうるさいバリスタか、プロの料理人のようです。
ヒアルロン酸やコメヌカスフィンゴなどの栄養成分は『コンシンのジェル』生地(基材)が出来上がり冷ました後に投入します。栄養成分は一般に熱に弱く、冷めた生地に投入します。熱いまま投入するとよく溶けて短時間で済みますので製造工程としては楽ですが、栄養は死にかねません。
ローズオイルは、最後の最後に投入します。が、これは後日です。
さあ、今回のロットはどんなジェルになるのでしょうか?昨日の生生地製造の時点では相当いい出来映えです。
できたての生地を少量指先に取り、目で見て、匂いを確かめ、肌に塗り込み、舐めてみます。肌に乗せた生地はもっちりとしてしっとり感があり、かすかな半透明加減はジェルの良好な状態を物語ります。味は良質なグリセリンのためにかすかな甘みを帯びています(でも、製造過程でのチェックですのでみなさんは食べないでください)。
匂いは各原料の基材臭がかすかに匂いますが、うまくバランスが取れています。これが大切です。この基材臭の処理に失敗して多くの化粧品が過剰で不必要な香料を入れることになります。『コンシンのジェル』には一切の香料を入れません。香料を楽しむが当社のテーマなのに『コンシンのジェル』だけは例外です。
ここまできたら安心。
あとはローズオイルの力が、矛盾なくこの生地の中に溶け込んでいってくれると思います。
ウソのような偶然ですが、前回ロットの『コンシンのジェル』は、まさに昨日の時点で完売!最後の一個が売り切れ、販売ストップとなりました。
このできたてホヤホヤ『コンシンのジェル』は11月8(土)から販売開始予定です。
そして、多くのお客様に2008年版『コンシンのジェル』をお試し頂くために2mlのアルミパウチをすべてのお買い物のお客様にプレゼントとしてお付けする予定です。これも11月8(土)からになりそうです。
さらに、詰め替え用アルミパウチ80mLもリリース予定です。高級化粧品では無謀と言われる「詰め替え用アルミパック」の試み、ぜひお試しください。
(2008-10-25)
この辺は数日前に「高級化粧品に詰め替えパックは存在しない?」に書かせていただきました。
昨日、季節外れの豪雨の中、千葉県松戸市にある提携工場のポイントさんへ。工場に到着するとすでに中村さんが忙しそうに下準備。私もすぐに作業服に着替えて工場内へ。
工業製品は何度作ってもまったく同じ品質になると考えている人は少なくありませんが、違います。
原料の種類や配合比率、製造手順などの「製造処方」は厳格に決められていても、実はかなり違った製品になります。同じ原料でも仕入れ先が違えばかなり違いますし、同じ仕入れ先でもロットで違って年度によっても違います。特に天然素材は違ってあたりまえ。調達ごとに微妙に品質が違うのはよくあることです。
さらに、製造する季節や天候にも影響を受けます。当社製品に関して言えば、10月〜11月は一年間でもっともよい製品ができる季節です。
『コンシンのジェル』の作り方はきわめてシンプル。『コンシンのジェル』だけでなく化粧品クリームや化粧品ジェル、ローション類の作り方はみな同じです。原料となる水、グリセリン、オリーブオイル、・・・などを大きな釜に投げ込んで練り上げる。それだけです。
シンプルなだけにノウハウがあります。
職人芸的なカンと経験もモノいう世界です。『コンシンのジェル』の製造は中村さん以外にはお願いしたことがなく、中村さんの経験に依存している部分があるのは確か。ジェルの練り方にしても釜内部の温度(かなり高温にします)や攪拌のハネの回転数はまさに経験則。そのときの製造量によってもそれらは微調整されます。いっぱい失敗してこないと、これがなかなか身につきません。
『コンシンのジェル』の製造で一番気を遣うところは「ジェル加減」です。
オイルと水とある種の成分を混ぜ合わせると乳化(乳化とは、つまりクリーム化のことです。化粧品製造のキーワード)しますが、この乳化が絶妙なタイミングで止まるよう製造処方を組んでいます。完全な乳化の方がはるかに簡単です。なぜあのタイミングで乳化を止めるのか?・・・私たちは実験でローズオイルがもっともローズオイルらしく香るために必要だとわかりました。
ジェル加減をだすために釜の温度や原料の投入順番はもちろん、混ぜ方にもノウハウがあります。コーヒーの入れ方やお湯の注ぎ方にまでうるさいバリスタか、プロの料理人のようです。
ヒアルロン酸やコメヌカスフィンゴなどの栄養成分は『コンシンのジェル』生地(基材)が出来上がり冷ました後に投入します。栄養成分は一般に熱に弱く、冷めた生地に投入します。熱いまま投入するとよく溶けて短時間で済みますので製造工程としては楽ですが、栄養は死にかねません。
ローズオイルは、最後の最後に投入します。が、これは後日です。
さあ、今回のロットはどんなジェルになるのでしょうか?昨日の生生地製造の時点では相当いい出来映えです。
できたての生地を少量指先に取り、目で見て、匂いを確かめ、肌に塗り込み、舐めてみます。肌に乗せた生地はもっちりとしてしっとり感があり、かすかな半透明加減はジェルの良好な状態を物語ります。味は良質なグリセリンのためにかすかな甘みを帯びています(でも、製造過程でのチェックですのでみなさんは食べないでください)。
匂いは各原料の基材臭がかすかに匂いますが、うまくバランスが取れています。これが大切です。この基材臭の処理に失敗して多くの化粧品が過剰で不必要な香料を入れることになります。『コンシンのジェル』には一切の香料を入れません。香料を楽しむが当社のテーマなのに『コンシンのジェル』だけは例外です。
ここまできたら安心。
あとはローズオイルの力が、矛盾なくこの生地の中に溶け込んでいってくれると思います。
ウソのような偶然ですが、前回ロットの『コンシンのジェル』は、まさに昨日の時点で完売!最後の一個が売り切れ、販売ストップとなりました。
このできたてホヤホヤ『コンシンのジェル』は11月8(土)から販売開始予定です。
そして、多くのお客様に2008年版『コンシンのジェル』をお試し頂くために2mlのアルミパウチをすべてのお買い物のお客様にプレゼントとしてお付けする予定です。これも11月8(土)からになりそうです。
さらに、詰め替え用アルミパウチ80mLもリリース予定です。高級化粧品では無謀と言われる「詰め替え用アルミパック」の試み、ぜひお試しください。
(2008-10-25)
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