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( 香水工場の )

香る生活


化粧業界のあれこれ
先日、出張の際、自宅を出るとき飛行機の中の読み物として本棚から適当に引っこ抜いた本がこれです。

三田村蕗子『夢と欲望のコスメ戦争』(新潮新書)

自分の本棚の中ですでに何年か鎮座しています。一応読んだはずですが、読み返してみるとほとんど記憶がなくとても新鮮。本の発行は2005年。私が買ったのが2006年か2007年かそれくらい。


『夢と欲望のコスメ戦争』を読み返して新鮮に感じた理由は、自分に化粧品業界での多少の体験ができて、実感する部分が増えてきたせいだと思います(私は2005年まで違う業界にいました)。

おもしろく感覚を刺激されたところをいくつかご紹介します。化粧品業界への就職を考えている人は本書を一読されることをオススメします。

「はじめに」は著者の本音がポロリ。共感する言葉が並んでいました。

・女性誌の化粧品記事といえば「絶賛トーンのみで彩られ」

・男性誌は「『化粧品に血道を上げる女はバカだ』というニュアンスが色濃い」

・化粧品の害を告発する書籍について「ただただ有害性をあげつらうばかり」


「第1章 色の白いは七難隠す」もいきなり日本市場に特異な「美白信仰」を一刀両断です。

美白信仰は特に日本に極端に強く現れている現象と言われていますが、日本人は化粧品を「白粉」(おしろい)と呼んだように伝統的に「美白志向」だったこと。

そして、特に近年の美白ブームの立役者として鈴木その子さんの存在の大きさを指摘します。

「『美しさには白い肌が絶対不可欠』という信念を、ブラウン管の向こうから体を張って示し、世紀末を駆け抜けた」


続く・・・

(2009-02-27)
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