( 香水工場の )
香る生活
サンダルウッド物語#6
旺盛な世界需要
サンダルウッド資源の急激な枯渇は、旺盛な世界需要と関係があります。
切り出されたサンダルウッドの利用方法は木材と精油です。インド産サンダルウッド木材はお線香の香料原料として、また彫刻物や高級家具などの調度品として使用されます。
香水原料としてのサンダルウッド
精油は主に輸出に当てられます。インド産精油の2大輸入国はアメリカとフランス。サンダルウッド精油は主に香水の原料として使用されます。
サンダルウッドはほのかな甘さを帯びた力強い香料です。
定着性が非常に強く香水に深みと持続性を与え(保留性)、しかも他の多くの香料オイルとの相性のよさが抜群です。
それゆえ香水のベース原料として多用されてきました。
当社の場合
当社でもサンダルウッドはよく使用します。当社の仕入れ先はフランスの香料会社です。
インドのサンダルウッド精油を仕入れをフランスの香料会社経由というのは、少しおもしろいと思われるかもしれません。
フランスの実力
全世界の貴重な天然香料のかなりの多くがフランスの香料会社によって押さえられている事情があります。
生産地との長年のパイプと取引を維持し、信頼関係があり、フランス人技術者などによる現地での開墾や技術指導など行ってきた歴史を考えると、アメリカ式大資本で一気に資源確保を行おうとしても一朝一夕ではフランスの香料会社のプレゼンスは揺がないと思います。
自然回帰ブームとサンダルウッド
サンダルウッド精油の急激な需要は90年代に加熱する世界的な自然回帰ブームの盛り上がりに一因があります。
アロマテラピーなどでサンダルウッド(白檀)精油がそのまま使用されるようになり飛躍的に需要が高まりました。
人々の天然志向が、皮肉なことに逆に天然サンダルウッドの枯渇にさらに厳しい拍車を掛ける結果となりました。
(高める天然志向 = 天然資源の枯渇という皮肉)
アラブ社会とサンダルウッド
さらにサウジアラビアなどの中東イスラム社会では、サンダルウッド(白檀)はたいへんな需要があります。
ラマダーンなどの宗教儀式では乳香、没薬、ムスク、アンバーグリス、ジャスミンなどが使用されますがサンダルウッドも必須の香木です。
また近年、アラブの富裕層の間でサンダルウッド木材による家具や室内装飾がブームになっており原油高騰で湧くオイルマネーがサンダルウッド(白檀)を相場を引き上げていると言われています。
(続く・・・)
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→ 香水「白檀」(Sandalwood)
(2009-05-17)
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