なぜ「シソ香水」?
シソは香水素材として珍しいが、シソ香水を創ってみたいという社内パフューマーの強い希望で今回商品化された。
営業責任者としての私の悩みは「シソを香水としてまといたい人は多いか?」だ。ここが商品の存在意義なんだがシソ香水に手を伸ばしたい人はそう多くないように思う、つまり収益化は厳しい。
だから製品としては販売せずプレゼント用途として開発し、わずか「1,000本」のみを生産することにした。
プレゼントとして
プレゼント用途なら珍しいシソを使う意義もでてくる。
自分では買いにくいがプレゼントなら試したい~という方は一定数存在するだろう、そういう方々に喜んでもらえたら、この商品のミッションは成就する。
超ミニロット生産とはいえ、観光地のお土産屋さんなどでたまに見かける「思いつきで開発&製造してみた」的なゆる~い商品になってしまわないよう開発ミーティングに臨んできた。
香りの特徴
最終段階の開発ミーティングにてスメリングを行った。トップにはシトラスが直線的に来て爽やか。フルーティ感がありフローラル感が漂う明るい香りである。
しかしシソは感じられない。ムエットを鼻から離してパフューマーに「ホントにシソ入ってる?」と聞き直したが、5分くらい経つと出てきた・・ああこれは赤ジソだ~と心中うなる。
梅干しを連想して口の中がややすっぱくなったが、多くの人には梅干し感は感じられないと予想する。その後はある程度の存在感をもってシソの雰囲気が漂う。
私には磯や潮の香りを感じてしまう。これは私の個人体験に紐付くためと思われる。
海の近くで生まれた私は、海苔で巻いた梅干し入りおにぎりを母に持たされて海によく遊びに行ったものである。海苔の香り=磯・潮の匂い。そういう記憶がプルースト効果的に一瞬連鎖して「潮の匂い」を感じたのだろう。
そういう体験がない人やシソを知らない外国人なら、独特なハーブ、和的な薬草の香りを感じて新鮮な気持ちで楽しめるのではないかと思う。
空想が膨らむ香り
フルーティーでフローラルな部分には紅・橙・黄などの色彩が混じる。空想を膨らませるならクリスマスツリーのオーナメントに似た印象も受ける。
プレゼント品であり非売品なので購入はできないが、仮に販売していてもあえて購入されるまでもないだろう。オーソドックスで素敵な香水なら市場にいくらでもあるのだから。
しかし当社の『ローズの贈り物』『サンタの贈り物』など購入予定の方には付いてくるのでこの『夕映え』をぜひ試して欲しい。
年末キャンペーンにて12月1日から配布予定である。
(ブログ)
新作香水『夕映え』4mL (2024/11/05)