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ヘルシンキ空港、樹海、ミモザ、野ばら
Date: Wed, 15 May 2024

●投書:
・ヘルシンキ空港 [ Helsinki ]
スプレーすると同時に広がる、爽やかというよりは「冷たい」香り。そのあとすぐに炸裂する柑橘。

グレープフルーツだそうですが、私にはレモンっぽく感じられました。
少しの間、柑橘の爽やかさが広がって……、うーーーん??

柑橘が落ち着くと現れてくる、ちょっと湿って重くてよじれた感じの香り。
オゾンノート? っぽいのかとも思えるけれど、うんうん唸って一番しっくりきたのは、海苔やわかめといった海藻の匂い、という喩え。

嫌いな匂いではないのものの、香水として身に纏いたい香りでもないという、微妙なところです。
もう少し変化するかなと様子を見てみたけれど、ラストノートまでほとんど変化はなし。

香水はつける人によって香り立ちが違うというのはよく知られたことですが、「ヘルシンキ空港」は私との相性が残念だった様子。(あくまでも私との相性の話です)

トップノートは好みだっただけに惜しい。
気温や湿度によっても香り立ちは変わりますし、また別の季節に試してみたいと思います。



・樹海 [ JUKAI/JAY ]
スプレーした瞬間から、ぶわっ! と柑橘。

スノーミントは「酸っぱい!」という感じだったけれど、これはそこまで酸味が強くない。その後、柑橘の甘みが広がって、そういうキャンディでも舐めているみたいに感じます。

最初だけ柑橘の酸味が強くて、舐めるごとにどんどん酸味が消えて、最後には甘みだけが残るキャンディ。そういった香りです。
風味として柑橘の爽やかさはミドルからずっと続いて、やわらかな清潔感を滲ませるのがホワイトフローラルでしょうか。

使ってみる前は、「樹海」というとどうしても「富士樹海」を思い浮かべてしまって、暗くて湿気の強いイメージがあったのですが、言葉そのまま「樹の海」だと思えば、穏やかに広がっていく明るい香りは納得です。

くどくない軽やかな甘さが数時間たっても心地よく香って、事あるごとにスプレーした肘のあたりへ鼻を寄せてしまいました。



・ミモザ [ Mimosa ]
甘い! つけて最初の感想がこれでした。もったりとした粉っぽい甘さ。

そこを通り越すと「葛の花」にも似た穏やかな甘さに落ち着くものの、やっぱり少し粉っぽい。「ハニーパウダリック」という文言そのものです。

ミモザの溌剌とした黄色から想像する香りとはちょっと違った、落ち着いた甘さ。粉っぽいけれど湿った感じはなく、甘さの中にちょっと一癖ある感じ。

「どこかでこんな香りを嗅いだことがある……」と、ずーっと記憶を漁っていたのですが、思い出してスッキリしました。ユキヤナギです。

ミモザとして作られたものを、まったく別物であるユキヤナギとして捉えてしまうのも何だかな~とは思うのですが、これもまた相性なのかもしれません。

個人的に、このタイプの甘さがラストまで続くと少しばかり負担に感じてしまうので、元気が有り余っているときの相棒に決定されました。



・野ばら [ Wild Rose ]
「バラ」と名の付く香りとは、ことごとく相性の悪い人生を送ってきました。

バラの花は大好きなのに、その名を持つ香りとなると相性が悪いのです。それでも、大好きな花の名を冠した香りを纏ってみたい。だがしかし「バラ」とは本当にこれまで相性が悪かった、どうしたものか。

……と葛藤に葛藤を重ねて、「ダメだったとしても少量だから罪悪感は少なくて済むかな」という、消極的かつ後ろ向きな理由で手元にやって来た「野ばら」でした。

そんなこんなで、恐る恐るのお試し。とりあえず、いつもつけるのと同様に、肘の内側あたりにワンプッシュ。
トップは、ほんのりとした酸味と軽やかな甘やかさに、少し青い香りが絡んできます。

一重咲きの可愛らしさに生命力あふれる緑の強さを思わせる香りは、とっても「野ばら」らしいです。

そこへ、ちょっとしっとり感が加わってくるように感じますが、これがアクアノートでしょうか? はなびらにきらめく朝露か、はたまた雨上がりにぐっと色を増した瑞々しい様子か、といった具合です。

バラ園でよく見かけるオールドローズはふんだんなレースや宝石で飾り立てた貴婦人の華やかさですが、それとは趣の違う、原生のバラ。

私には少し爽やかさが強すぎるような気がしたので、肘の内側よりはもう少し鼻から遠いところにつけたほうが良さそうですが、きちんと身に纏えるバラに初めて出会えました。ありがとうございます。


以上、「ヘルシンキ空港」・「樹海」・「ミモザ」・「野ばら」の感想でした。

余談ですが、以前「スノーミント」について「ものすごくレモン!」と投稿したところ、「おそらくシトラス系の香りが敏感に感じ取れる方なんでしょう」というコメントを返していただきました。

「そうなのかな?」と思いましたが、嗅覚ではなくて味覚については結構な「酸っぱがり」で、他の人が普通に食べているものでも「酸っぱ!!」と涙目になってしまうことがあります。

嗅覚と味覚は密接に結びついているらしいので、シトラス系には味覚も反応しているのかもしれません。

上記四種類の香水についても、「レモン」「柑橘」「酸味」といった言葉が並んでいるので、酸っぱがりが感想を述べるとこうなるという、役に立たなさそうな注釈として添えておきます。


●ハンドル:
蒼(あおい)


(国分) 「炸裂する柑橘」という表現がおもしろいですね、私は『ヘルシンキ空港』に炸裂するシトラスパワーは感じませんが、同じ香りに対して個人毎に嗅覚の感じ方が違うことを示しています。ユキヤナギの香りは、粉っぽさは少なめですが、ハチミツ風の甘く青っぽい香りが漂います、そこは確かに似ているかも・・


(2024-05-24)
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