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「蜜柑の花」と、この1年
Date: Fri, 16 Aug 2024

●投書:
先日はタイッツー1周年の楽しい企画をありがとうございました。そうか武蔵野ワークスさんの香水を使うようになって1年になるのか……と いうことで、この間にあった印象深い出来事をひとつ記しておこうと思います。

8月、初めて買った製品のうち一つがねりこ「蜜柑の花」です。葉の青み・苦みを感じる、気持ちがシャキッとする香りだと感じ、とても気に入りました。

1月、ついに残りが僅かになりました。次を買い足そうかとも思いましたが、別のねりこがまだあるので、ならば香水を試してみようと4mlキューブを買いました。ねりこにする香りは基剤に混ぜても香調が大きく変わらないものを選んでいるとのことなので、どの程度違わないのかなと試したところ……

なにこれ全然ねりこと違う。シャキッとどころかすごくモッタリしてる。重い。油っぽい。


もしかして私のコンディションのせいかと思い、日を置いて何度か試してみましたがやっぱりダメで、それどころか胃にくることもある始末。なんでこんなにダメなんだろう、もしかして気温のせい?と、暖かくなるまで使わないことにしました。

……と言いつつ、冬の終わりが見えてきた3月上旬のある日。陽が昇れば気温が5度を超えることもあるぐらいの気候です。ふと手が伸びてひと吹きしてみたところ、不思議とそこまでダメではありませんでした。モッタリ重いな~とは思うものの、しんどいほどではありません。むしろそのモッタリ感がクセになる感覚。以来天気のいい日はチョコチョコと手が伸びるようになりました。

5月、再びねりこを買いました。夏に向けて苦みのある香りが欲しくなったので。ところが開けてみたところ、今度はなんと青み・苦みを以前ほど感じなかったのです。それどころかモッタリした油っぽさが分かる。香水と比べたらだいぶ弱くてマイルドではありますが、でも最初に買ったときにはそんな風には感じなかったのに。


私の体調や気分のせいなのか、気候のせいなのか、他の香りも色々試して経験値が蓄積されたからなのか、ロットの違いによるものなのか。

原因はハッキリしませんし、それでいいとも思っています。同じ香りを使った製品でもこんなにダイナミックに感じ方が変わるんだと経験できたことが、とても楽しかったです。いい香りに気分が良くなるのはもちろんですが、アテが外れてびっくりするのもいいアクセントといいますか、ピーマンやゴーヤの苦みがクセになるのと似た感覚といいますか。

試したことのない香りもまだありますし、年を重ねれば感覚が変わることもあるのでしょう。長くゆったり楽しんでゆけたらと思います。これからもよろしくお願いします。

●ハンドル:
尾村依子


(国分) ねりこは年1回のペースで生産しています。タイミング的に判断して同じ生産ロットを購入いただいいたと思われます。『蜜柑の花』はリリース以来処方変更や原料の調達先変更がないので同じ香り立ちが期待できますが、それでもこのよう違って感じられることはよくあります。当社には悩ましい問題です


(2024-09-07)
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