開発日誌 (~2012年)
# ワセリンの発明
(2009-01-24 07:50:43)
時代はクジラから石油へ
1837年ロンドンで生まれのロバート・チーズブロー氏は化学者でありワセリンの発明者。
ペンシルベニア州タイタスヴィル油田
ロバート・チーズブローはそれまでクジラから灯油(ケロシン)を採取する仕事をしていましたが、油田の発見と石油の普及で職を失います。
そこで自分を無職に追い込んだ石油を調査するために、米国初の油田であるペンシルベニア州タイタスヴィルに行きます。
真空蒸留法
そこで目にしたものは危険な採掘現場で労働者たちはロッドワックスを傷の治療薬・薬代わりに利用していた光景です。
ロッドワックスのサンプルを採取し、実験室に戻り、苦労の末、ロッドワックスの精製に成功します。
その際、生み出された技術が真空蒸留法という精製方法でした。
ワセリンの特許取得
この結果生まれた物質(ワセリン)は半固形でやや黄色味を帯びた物質でした。
彼はこの蒸留法に対して特許を申請し、その中で「ヴァセリン」(Vaseline)という言葉がはじめて使用されました。
1872年に特許は成立しました (U.S. Patent 127,568)。
「ヴァセリン」(「ワセリン」は日本におけるヴァセリンの派生用語)は現在でも商標ですが、世界中であまりにも使用されたため一部の国で普通名詞化しています。
ワセリンはチーズブローの造語でドイツ語の「水(wasser)」とギリシア語の「オイル」の意味と考えられています。