( 香水工場の )
香る生活
神代植物公園#4
「ランキング」に弱い日本人、でもフランス人も
テレビの料理番組でレシピーが紹介されると材料を同じにするだけでなく、大さじ1杯など各材料の配合比率も忠実に守る日本人に対して、中国では「そんなヤツはいない」と知人がいっておりました。
結果的にご家庭ごとに「オフクロの味」ができあがるそうです。
このように日本人は集団内で各自が集団の価値観に同一化・同調する文化をもっていいますが、世界的に例を見ない「ランキング大好きニッポン」もこの文化の延長線上の心理現象でないかと思います。
集団から最も支持される商品のナンバーワンからナンバーツ−、ナンバースリーと並べていき、自分が選択すべきものの判断基準にされがちなのは自分自身否定できないDNAです。
企業の経営を左右しかねない「ランキング」という価値観。
商品はなんでもかんでもランキングされ「売れ筋NO.1」「人気NO.1」「注目度NO.1」「今週の一番」「今月の一番」「当店の一番」「お客様支持率NO.1」と果てしもなくランキング競争が熱い火花を散らしています。
あろうことか、香水ショップに陳列された、あのか弱い香水たちまでもがランキングの身分制度にさらされる時代となりました。
香水ショップや香水ネット通販のお店でもランキングを掲載するショップの多さはお気づきのことと思います。
私も日本人、個人的にランキング表示は嫌いでないのですが、香水は個人の嗜好が強い製品ですので、ランキングで香水をチョイスすると失敗も多々あるでしょう。
パフューマーさんを囲んだランチでは、日本の香水ショップにありがちなランキング陳列も話題になりました。彼はおもしろい話をしてくれました。
シャンゼリゼ通りに面するセフォラ本店は、とても有名ですのでみなさんも行かれたかもしれません。
このセフォラでは売れ筋香水のランキングを発表していますが、彼の友人のパフューマーは自分の商品に対して電撃作戦を敢行。
社員・知人・身内などを総動員し強制的にランキング上位食い込みに成功。ランキングが上がることで、やはり売上は伸びたとのことです。
どうも化粧品会社や香水メーカーの委託を受けたPR会社や売り出し中のパフューマーさんが使うマーケティングの常套手段ともとられかねない話です。
世界中の観光客でごった返すセフォラ本店だとしても、メインはやはりフランス人。私は素朴に「フランス人でさえ、ランキングには弱いのか」と新しい発見をしました。
(続く・・・)
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(2009-05-22)
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