( 香水工場の )
香る生活
緑の「コンシンのチャ」
コンシンのチャ チューブ版リリース
おしらせ:コンシンのチャがリリースされました。
コンシンのチャ 20mL チューブ
お買い物に付いているお試し「コンシンのチャ」
最近当社でお買い物していただいた方には、小さなお試しパウチが付いていることに気づかれたと思います。
それは「コンシンのジェル」と「コンシンのチャ」です。
「コンシンのチャ」とは、フットケア用スキンケア・ジェル。2009年夏に試作しました。
製品化を念頭においての試作ですから、試作品を配布しながらお客様の感想や反応などに耳を傾けてきました。
コンシンのチャ 2mLアルミパウチ
その評価は?
ズバリ、こういう感想が案外多かったのが想定外です。
「緑がネー、気持ち悪い!」
(好意的な意見も2割程度は。製品化への要望メールもそれなりに)
ただ、化粧品ジェルやクリームが緑色であることに抵抗がある方は多いようです。
まして「美白至上主義」のニッポン化粧品市場、お顔に付ける化粧品として透明や白色以外は許せないのかもしれません。
緑色へのユーザー反応
お肌に塗るクリームやジェルが緑色の場合、ユーザー反応は、当社の調査では次のようになりました:
・顔に塗るフェイス用の場合・・・・抵抗あり8割(ほとんどの人が躊躇)
・体に塗るボディケア・ハンドケア用の場合・・・・抵抗あり6割
・足に塗るフットケア用の場合・・・・抵抗あり2割(やってみてもよいという反応が多い)
コンシンのチャ 20mLチューブ
アスタキサンチンの苦い思い出
実は当社は、地上最高の天然抗酸化物質の呼び声高い「アスタキサンチン」という成分で化粧品を作ろうと研究したことがあります。
しかし、アスタキサンチンは真っ赤なんですね。
藻から取れるんですが穏やかな色彩とは言えない。鮮やかな血液というより静脈のような鈍い血のような色。
顔には付けにくいと社内でも反対の声が。しかも抗酸化機能などその有効性ゆえすでに大手大企業様の特許でがんじがらめ。
化粧品はあきらめて菓子会社さんの工場でアスタキサンチン・チューインガムを大量試作しました。
まずかったです。血の味でした。
それでも緑茶はスゴイ
アスタキサンチンや緑茶のように緑や赤など色彩が強い化粧品原料は、何かと嫌われます。
しかし、カロテンやリコピンなど色素成分はアンチエイジングでは人気成分。ましてなじみ深い茶葉には特に惹かれます。
緑茶は、日本で生産される伝統的な植物であり食品であり薬草的な存在。
カテキンというミラクルな抗酸化成分、それに武蔵野の北限、狭山丘陵では広大な茶畑が現在でも広がっているとても身近な存在(*1)。
(*1)とはいえ原料茶の初回ロットは九州産茶葉ですが。
廃棄されがちな4番茶
お茶は日本的で日本人の生活に溶け込んだ食品素材。飲料用茶葉の生産では1番摘みや2番摘みの茶葉が主に使用されます。
甘みや風味が新芽の方がよいためですが、カテキンなどの有効成分はむしろ後摘みになるほど濃縮されます。
次の年の新芽の成長を促すために4番摘みされた茶葉は濃縮されたカテキンのために渋みなどが強く、廃棄されるケースが多々あります。そんな茶葉を原料にして生まれた緑茶オイルを配合しました。
そんなこんなで緑茶ジェル、作ってしまいました。
緑色はすべて粉砕された緑茶成分(多くはクロロフィル)のなれの果てです。あまりの緑の強さのため質問されることがありますが、着色は施しておりません。念のため。
香りは?・・・月桃&ローズマリー
武蔵野ワークスが作るからには、ジェルやクリームといえども香りが重要。香水メーカーだから香りにこだわりますが、かといって香りをあれこれ人工的に操作することは好きでありません。
スキンケアの場合、配合成分のナチュラルな香りをそのまま利用して、心地よい香りの製品にすることを目指しています。
コンシンのチャの香りも香料などで補強や調整を入れず天然成分の香りだけで組んでいます。
緑茶に似合う香りは、緑茶の香り。しかし、緑茶は口に含んだとき穏やかで上品な香りを楽しめますが、茶葉そのものは残念ながら香り立ちははっきりしません。
生の茶葉なら葉っぱのグリーン感がする程度。
焙煎したてのコーヒーのように、メリハリのある香り・芳香ならわかりやすいのですが、緑茶の香りは奥にしまい込んことにしました。
メインの香りは沖縄の月桃エッセンシャル・オイルとローズマリーのコンボスタイル。
沖縄ではムーチー(餅、鬼餅)を作って食べる習慣があります。ムーチーは通常月桃の葉っぱでくるまれます。殺菌と香り付けのためですが、月桃葉っぱの独特の薬草風芳香が沖縄の人にはなつくしく感じられるでしょう。
私は月桃の葉っぱの香り(月桃エッセンシャル・オイルの香りと同じ香り)が大好きなのですが、これが嫌いな人もいます。
以前、沖縄の牧志公設市場でムーチー買ったとき、お店のオバさんにこの匂いは好きですか?と質問すると
「ウチらは好きだけど、本土の人は嫌いな人もいるみたいね」
なんて話していました。「嫌いな人も」それなりに多く存在することは事実です。
色彩も強烈ですし売れるのか?とまたまた当社の会計事務所さんに突っ込まれそうです。
感触はメントールの清涼感、サラサラ感
最後にジェルのお肌感触を。フットケアは使用後すぐに歩き出したり、靴下をはいたり、靴をはいたりしますので、比較的速く乾燥し乾燥後はサラサラになるよう調整しました。
メントールを強調目に配合することがこの種のテクスチャー設計の王道ですが、メントールは配合しすぎると刺激もありますので、安全性を考慮し、不足する清涼感はエタノールで補強しています。
「フットケア」と銘打っていますが、もちろんボディにも手にも使用可能です。そういう成分を使用していますので。足をひんやりとさせてくれる清涼感はお楽しみいただけるでしょう。
何かお買物されたとき商品に小さな黒いお試しアルミパウチが付いていたら、まずはお試しください。お気に召される方もおられると信じています。
(2010-05-13)
< ジャスミンの芳香 || 「香水メーカー」と「香水ブランド」の違い >
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