( 香水工場の )
香る生活
手作り香水、天然香料100%香水で始める?
先日、京成バラ園さんにて「バラの香り香水を作ろうセミナー」を開催したことは先に書きました。その後日談です。
セミナー参加者の方々はほぼ全員、生まれて初めての香水作りだったのですが、「マイ究極の香水」を作られた方が続出しました。
ある意味、市販香水を凌駕する作品も多かったと思います。これはお世辞ではありません。本気で市販香水以上に楽しめる香水ができたりします。
料理と同じです。初心者でも案外おいしい料理が条件によって作れるように、香水も不肖国分でさえもたまにいい匂いの香水を作ることがあります。
「香水作りセミナー」は企画としては、ここまでは大成功なのですが、「オレって案外、才能ある!?」とまんざらでもなく自問自答始しだすと、途端にその次がないことが判明します。
そこが趣味としての香水作りの欠点です。
料理だったら、どこの街にも料理教室の一つや二つ、本もあるし、テレビ番組もあるし、教材もコーチしてくれる人もいろいろ環境が整っているのですが(おカネさえ出せばの話ではありますが)、こと香水作りとなると、はたと終わります。
京成バラ園さんでの「バラ香水作りセミナー」は「香水作りの楽しさ体験」が目的ながら、香水作りに目覚めた人に対して、その次のステップを準備できていないことが、企画サイドの当社としては苦しいところです。
かといって当社に、スクール事業や定期的なセミナー講習会のような余裕がないことも事実。
京成バラ園セミナー参加者の方からメールをいただきました。
「香水を個人で作る楽しさを知り、自宅でも実践したい」
との内容でご用件は香料の入手方法についての質問でした。なんとありがたいメールでしょうか。しかし、私には返答に苦しむメールです。
当社が販売しているモノは香水やフレグランス。原料である香料を混ぜ合わせた後の製品であり、お客様の希望は生原料である香料。
香料は香料会社さんが製造販売しています。香料会社とは、天然香料・合成香料を含め、様々な香料を製造している会社さんです。
天然香料とは天然の植物から採れたそのままの香りのエッセンス、合成香料とは天然香料などを混ぜ合わせて作られる合成された香りのエッセンスです。
香水用の香料は様々な天然香料・合成香料です。それらは一般に市販されているモノでなく、しかもパフューマーがよく使用する香料は500種類とも600種類とも言われ、種類の多いさも市販商材としての取り扱いの難しさになっています。
要は、手作り香水愛好家の人口は少なく、料理愛好や手芸・園芸愛好家のようなマーケットは、存在しないというわけです。
料理なら、もっと手軽に始められることがいろいろあるのに、香水作りは関心を抱いてもいきなりデッドロック。
香水作りは「超入門」か「はまり込む」のどちらかしかなく趣味としては入りにくいところが欠点です。
中間ステップがない香水作りは、はまるしかないのですが、その前に天然香料だけで香水作りをするという手があります。
これならリスクが少なく始められますので(しかし、奥は深い)、いきなり香水用香料による香水作りより絶対におすすめです。
ということで、私の手作り香水への道、おすすめコースは:
(ステップ1)天然香料100%香水方式
香水用香料はとりあえず手を出さず、入手が簡単なエッセンシャル・オイル(天然香料)のブレンド+エタノールで香水作りを実践する。
もともと香水の原型はエタノール+エッセンシャル・オイルなどのハーブエッセンス(下記にハンガリーウォーター参照ください)でしたので、このような香水はクラシカルな「クラシック香水」といえます。
エタノールもエッセンシャル・オイルも通販や薬局で少量づつ入手できますので少なくとも原料の問題はクリアできます。しかも、この香水は天然香料100%という利点もあります。
しかし、アロマテラピーとしてはよいのですが、ファッションとしては力不足という点が欠点でしょうか。香水にファッションとしての要素を求めるとやや力不足は否めません。
(ステップ2)プロのパフューマー(調香師)方式
香りの表現力不足で、天然香料100%香水だけでは満足できない場合は、パフューマーの学校や講座に参加することをおすすめします。
このようなスクールに参加すると様々な香料がその学校や講座で入手できます。パフューマーに個人的に弟子入りする方もおられます。これが例外中の例外です。
・参考情報:パフューマー・調香師の学校や講座
しかし、時間的・金銭的・体力的に軽い気持ちでは参加できない点が悩ましいところです。
世界最古の香水といえば「ハンガリーウォーター」があげられます。レシピは当時発明されて間もないアルコールにハーブ(主にローズマリー)を漬け込んだ抽出液です。
梅酒などの果実酒と作り方が似ており、自然発生的に生まれる可能性が高いためハンガリーウォーターを世界最初の香水とするには、やや不安です。
とくに当時先進国でアルコールの製造方法を発明したアラビア世界ではとっくの昔に同じものが生まれていたと推測されます。
しかし、ハンガリーウォーターは処方やハンガリー王妃様(エリーザベト王妃。でも何人かいてどの王妃か不明)が使用されたという文書による記録が残されている点で有名です。
しかも「若返りの水」というキャッチーな尾ひれ伝説までついています。これがマーケティング的に凄い効果を果たしていることは想像に難くありません。
ハンガリーウォーターは医薬品として飲用され、ついでに美容液として使用されていた模様で、香水として生み出されたわけではありませんが、香水の原型になった点は疑い余地はありません。
現在でもハンガリーウォーターは、アマチュアの手作り香水ファンの間で人気の手作り香水です。
英語圏のサイトを調べても処方やレシピーがいろいろ出てきますので、世界的に人気のある手作り香水ではないかと思います。
キーワード:手作り香水、天然香料100%香水
(2010-06-19)
お世辞ではない「すばらしい香水」
セミナー参加者の方々はほぼ全員、生まれて初めての香水作りだったのですが、「マイ究極の香水」を作られた方が続出しました。
ある意味、市販香水を凌駕する作品も多かったと思います。これはお世辞ではありません。本気で市販香水以上に楽しめる香水ができたりします。
料理と同じです。初心者でも案外おいしい料理が条件によって作れるように、香水も不肖国分でさえもたまにいい匂いの香水を作ることがあります。
次のステップがない香水作り
「香水作りセミナー」は企画としては、ここまでは大成功なのですが、「オレって案外、才能ある!?」とまんざらでもなく自問自答始しだすと、途端にその次がないことが判明します。
そこが趣味としての香水作りの欠点です。
料理だったら、どこの街にも料理教室の一つや二つ、本もあるし、テレビ番組もあるし、教材もコーチしてくれる人もいろいろ環境が整っているのですが(おカネさえ出せばの話ではありますが)、こと香水作りとなると、はたと終わります。
京成バラ園さんでの「バラ香水作りセミナー」は「香水作りの楽しさ体験」が目的ながら、香水作りに目覚めた人に対して、その次のステップを準備できていないことが、企画サイドの当社としては苦しいところです。
かといって当社に、スクール事業や定期的なセミナー講習会のような余裕がないことも事実。
返答に苦しむメール:香料の入手方法
京成バラ園セミナー参加者の方からメールをいただきました。
「香水を個人で作る楽しさを知り、自宅でも実践したい」
との内容でご用件は香料の入手方法についての質問でした。なんとありがたいメールでしょうか。しかし、私には返答に苦しむメールです。
当社が販売しているモノは香水やフレグランス。原料である香料を混ぜ合わせた後の製品であり、お客様の希望は生原料である香料。
香料会社という会社
香料は香料会社さんが製造販売しています。香料会社とは、天然香料・合成香料を含め、様々な香料を製造している会社さんです。
天然香料とは天然の植物から採れたそのままの香りのエッセンス、合成香料とは天然香料などを混ぜ合わせて作られる合成された香りのエッセンスです。
香水用の香料は様々な天然香料・合成香料です。それらは一般に市販されているモノでなく、しかもパフューマーがよく使用する香料は500種類とも600種類とも言われ、種類の多いさも市販商材としての取り扱いの難しさになっています。
要は、手作り香水愛好家の人口は少なく、料理愛好や手芸・園芸愛好家のようなマーケットは、存在しないというわけです。
中間がない香水作りのステップ
料理なら、もっと手軽に始められることがいろいろあるのに、香水作りは関心を抱いてもいきなりデッドロック。
香水作りは「超入門」か「はまり込む」のどちらかしかなく趣味としては入りにくいところが欠点です。
香水作りを始める人のためのおすすめコース
中間ステップがない香水作りは、はまるしかないのですが、その前に天然香料だけで香水作りをするという手があります。
これならリスクが少なく始められますので(しかし、奥は深い)、いきなり香水用香料による香水作りより絶対におすすめです。
ということで、私の手作り香水への道、おすすめコースは:
(ステップ1)天然香料100%香水方式
香水用香料はとりあえず手を出さず、入手が簡単なエッセンシャル・オイル(天然香料)のブレンド+エタノールで香水作りを実践する。
もともと香水の原型はエタノール+エッセンシャル・オイルなどのハーブエッセンス(下記にハンガリーウォーター参照ください)でしたので、このような香水はクラシカルな「クラシック香水」といえます。
エタノールもエッセンシャル・オイルも通販や薬局で少量づつ入手できますので少なくとも原料の問題はクリアできます。しかも、この香水は天然香料100%という利点もあります。
しかし、アロマテラピーとしてはよいのですが、ファッションとしては力不足という点が欠点でしょうか。香水にファッションとしての要素を求めるとやや力不足は否めません。
(ステップ2)プロのパフューマー(調香師)方式
香りの表現力不足で、天然香料100%香水だけでは満足できない場合は、パフューマーの学校や講座に参加することをおすすめします。
このようなスクールに参加すると様々な香料がその学校や講座で入手できます。パフューマーに個人的に弟子入りする方もおられます。これが例外中の例外です。
・参考情報:パフューマー・調香師の学校や講座
しかし、時間的・金銭的・体力的に軽い気持ちでは参加できない点が悩ましいところです。
世界最古の香水ハンガリーウォーターは、天然100%の香水だった
世界最古の香水といえば「ハンガリーウォーター」があげられます。レシピは当時発明されて間もないアルコールにハーブ(主にローズマリー)を漬け込んだ抽出液です。
梅酒などの果実酒と作り方が似ており、自然発生的に生まれる可能性が高いためハンガリーウォーターを世界最初の香水とするには、やや不安です。
とくに当時先進国でアルコールの製造方法を発明したアラビア世界ではとっくの昔に同じものが生まれていたと推測されます。
しかし、ハンガリーウォーターは処方やハンガリー王妃様(エリーザベト王妃。でも何人かいてどの王妃か不明)が使用されたという文書による記録が残されている点で有名です。
しかも「若返りの水」というキャッチーな尾ひれ伝説までついています。これがマーケティング的に凄い効果を果たしていることは想像に難くありません。
ハンガリーウォーターは医薬品として飲用され、ついでに美容液として使用されていた模様で、香水として生み出されたわけではありませんが、香水の原型になった点は疑い余地はありません。
現在でもハンガリーウォーターは、アマチュアの手作り香水ファンの間で人気の手作り香水です。
英語圏のサイトを調べても処方やレシピーがいろいろ出てきますので、世界的に人気のある手作り香水ではないかと思います。
キーワード:手作り香水、天然香料100%香水
(2010-06-19)
< 新作練り香水、ローズ&ラベンダー || 練り香水、液体でない香水 >
search