( 香水工場の )
香る生活
オードトワレはトイレと関係あり?
(2012/04/16)
日本語では「香水」の呼び名は一つですが、欧米では数種類の呼び名があります。その一つ「オードトワレ」の笑える思い出(2012/04/17)。
「オードトワレ」というコトバをご存じでしょうか?「トワレ」と短く表現されることもあります。
香水は香料濃度で分類され、濃度が高い順から次のように呼ばれます。
・パルファン(Parfum)
・オードパルファン(Eau de Parfum)
・オードトワレ(Eau de Toilette)、略して「トワレ」
・オーデコロン(Eau de Cologne)、略して「コロン」
日本語の「香水」は厳密には「パルファン」を意味しますが、広い意味で、香水は「コロン」から「パルファン」まですべてを差します。
中学で英語を習い始めたとき、牛のことを英語では「Cow」や「Bull」「Ox」と呼び分けると習ってひっくりかえりました。「牛は牛の一言だろう」と思ったわけです。
しかし、生活への関わり方が深いモノほど名前が増えるのは当然の原理。香水もそういう背景から呼び方が増えていったのかもしれません。
「オードトワレと書いてあるが、トイレで使うのか?」
オードトワレのフランス語表記は「Eau de Toilette」。
問題はフランス語の「Toilette」が、英語の「Toilet」、そして日本語の「トイレ」に感じられてしまう点です。直訳すると「Eau de Toilette=トイレの水」(Eau = 水、de = 英語のof)。
つまり、それって「トイレの芳香剤」?・・・という構図です。
フランス語はふつうは日本人には読みにくいですが、Toiletteという単語は、なんとなく「トイレット」と読めてしまうところに誤解が起きます。
「オレが買ったのは、トイレの芳香剤か!」と、さぞお客様も驚かれたのだろうと空想して、忘れられない問い合わせになりました。
英語の「Toilet」には日本語で意味する部屋としてのトイレや排泄行為、さらには便器の意味もあります。
しかし、フランス語の「Toilette」は、そういう意味もありながらが、同時に「化粧室」の意味も。英語の「Toilet」と比較すると、イメージはなかり柔らかで上品です。フランス人にとって「Toilette」は「身だしなみ」「身づくろい」「身だしなみを整える部屋」としてのニュアンスも強く、決してダイレクトでネガティブなイメージだけではありません。
実際「Toiletry」(トイレタリー)といえば、英語でもフランス語でも「化粧品」になります。「Eau de Toilette」は、専門家には異論があるかもしれませんが、私が訳すなら「身だしなみのための化粧水」「身づくろいのための化粧水」といったところでしょうか。
「トワレ」を意味する場合、英語では「Eau de Toilette」というフランス語をそのまま使用します。「The Water of Toilet」では、本当に「トイレの水」になってしまうためです。
ちなみに米国ではトイレの意味で「Toilet」が使用されず「REST ROOM」(レストルーム、休憩所)や「BATH ROOM」が使用されます。「Toilet」という直接的な表現は日本の「便所」「厠(かわや)」同様、今後英国でも使用されていかなくなるかもしれません。
ところで、このオードトワレというコトバ、使われなくなりつつあります。
オードパルファムとオードトワレの濃度差は実は大差なく、現在の化粧品会社さんはオードトワレ濃度と思われるものでもデフォルトでオードパルファムと命名されるところがほとんどです。イメージもいいですし。
市販香水では、メンズ香水にオードトワレと命名しても女性用はオードパルファムがすでに標準かもしれません。
世界の化粧品業界ではこのような傾向が明確になりつつあり、今後「オードトワレ」という表現は世界市場から徐徐に消滅していく可能性があります。
(2012-04-16)
日本語では「香水」の呼び名は一つですが、欧米では数種類の呼び名があります。その一つ「オードトワレ」の笑える思い出(2012/04/17)。
オードトワレとは?
「オードトワレ」というコトバをご存じでしょうか?「トワレ」と短く表現されることもあります。
香水は香料濃度で分類され、濃度が高い順から次のように呼ばれます。
・パルファン(Parfum)
・オードパルファン(Eau de Parfum)
・オードトワレ(Eau de Toilette)、略して「トワレ」
・オーデコロン(Eau de Cologne)、略して「コロン」
日本語の「香水」は厳密には「パルファン」を意味しますが、広い意味で、香水は「コロン」から「パルファン」まですべてを差します。
中学で英語を習い始めたとき、牛のことを英語では「Cow」や「Bull」「Ox」と呼び分けると習ってひっくりかえりました。「牛は牛の一言だろう」と思ったわけです。
しかし、生活への関わり方が深いモノほど名前が増えるのは当然の原理。香水もそういう背景から呼び方が増えていったのかもしれません。
お客様からの電話
「オードトワレと書いてあるが、トイレで使うのか?」
オードトワレのフランス語表記は「Eau de Toilette」。
問題はフランス語の「Toilette」が、英語の「Toilet」、そして日本語の「トイレ」に感じられてしまう点です。直訳すると「Eau de Toilette=トイレの水」(Eau = 水、de = 英語のof)。
つまり、それって「トイレの芳香剤」?・・・という構図です。
フランス語はふつうは日本人には読みにくいですが、Toiletteという単語は、なんとなく「トイレット」と読めてしまうところに誤解が起きます。
「オレが買ったのは、トイレの芳香剤か!」と、さぞお客様も驚かれたのだろうと空想して、忘れられない問い合わせになりました。
「化粧室」的なニュアンス
英語の「Toilet」には日本語で意味する部屋としてのトイレや排泄行為、さらには便器の意味もあります。
しかし、フランス語の「Toilette」は、そういう意味もありながらが、同時に「化粧室」の意味も。英語の「Toilet」と比較すると、イメージはなかり柔らかで上品です。フランス人にとって「Toilette」は「身だしなみ」「身づくろい」「身だしなみを整える部屋」としてのニュアンスも強く、決してダイレクトでネガティブなイメージだけではありません。
実際「Toiletry」(トイレタリー)といえば、英語でもフランス語でも「化粧品」になります。「Eau de Toilette」は、専門家には異論があるかもしれませんが、私が訳すなら「身だしなみのための化粧水」「身づくろいのための化粧水」といったところでしょうか。
英語でも使える「Eau de Toilette」
「トワレ」を意味する場合、英語では「Eau de Toilette」というフランス語をそのまま使用します。「The Water of Toilet」では、本当に「トイレの水」になってしまうためです。
ちなみに米国ではトイレの意味で「Toilet」が使用されず「REST ROOM」(レストルーム、休憩所)や「BATH ROOM」が使用されます。「Toilet」という直接的な表現は日本の「便所」「厠(かわや)」同様、今後英国でも使用されていかなくなるかもしれません。
消滅傾向の「オードトワレ」
ところで、このオードトワレというコトバ、使われなくなりつつあります。
オードパルファムとオードトワレの濃度差は実は大差なく、現在の化粧品会社さんはオードトワレ濃度と思われるものでもデフォルトでオードパルファムと命名されるところがほとんどです。イメージもいいですし。
市販香水では、メンズ香水にオードトワレと命名しても女性用はオードパルファムがすでに標準かもしれません。
世界の化粧品業界ではこのような傾向が明確になりつつあり、今後「オードトワレ」という表現は世界市場から徐徐に消滅していく可能性があります。
(2012-04-16)
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