( 香水工場の )
香る生活
お葬式にまつわる香りの話
「死」は今まで比較的、縁遠い話でしたが、今年に入って何度か葬儀やお通夜へ行き、リアルなものに (2016/10/03)
打ち合わせのためある葬儀業者さんを訪れたときの話です。会場に入ると告別式の準備中でした。なんでもこちらの創業者の方の告別式とのことで、比較的盛大な式になりそうでした。
会場横の控え室のような部屋で打ち合わせをしていたのですが、じっーと漂ってくるユリの花の香り(それに菊の花の香りも混じった香り)が、あまりにも静かで奥ゆかしく。
葬儀という厳粛なシチュエーションのなせる技か、無音の天国に来ているかのような錯覚に一瞬陥りました。
香りのもとは、おそらくカサブランカ。あの甘く派手な香りがこんなにも表情を変えるのかと茫洋として香りの世界にひたっていました。
通常、葬儀やお通夜での香水はあまり歓迎されないことですが、ユリの香りの奥ゆかしさに触れて厳粛な気持ちが強くなったことを考えると、場にふさわしければ悪くないかもしれません。
葬儀でお香を焚く国は多く、宗教儀式とお香は人類の共通した習慣かもしれません。
もともと宗教儀式から香りモノが生まれ、香水やフレグランスへと発展してきたことを考えれば、厳粛な儀式と香りは、むしろ相性がよいかもしれません。
葬儀では、お線香や焼香で香りが部屋中に充満します。一斉に焼香がはじまると香りと言うより、煙の世界になる感じです。
焼香は、元来「抹香(まっこう)」と呼ばれるお香の一種で、センダンやシキミの樹皮を粉砕した木片や粉末が使われます。ただ、私が参列した式では、焼香の香りは、あまり肌に合いませんでした。
一方、お線香は好きです。お線香が焚かれた空間は、やはり神聖な気持ちになるので不思議です。
お線香は、沈香や白檀などの香木、竜脳などの香料を粉末状・液状にしてブレンドして練り固めたもので、香りのビジネスをやっている私は敬意をもって接しています。
お線香も、とことんよい香りを求めると価格は天井知らず。
お線香にうるさい方は財力があると私は感じていましたが、経済力とお線香への関心は、おおむね比例関係にあるようです。
香りから少し脱線。葬儀会社さんのパンフを見て、今回はじめて棺桶の相場価格を知りました。
故人の冥福を祈るコストをケチることは、後ろめたいことですが、気になりますよね。
「ちなみに、こちらはおいくらでしょうか?」と高価そうなモデルを指さすと「50万円」と。桐の無垢材に豪華な装飾が施された棺桶。
「手彫りですよ」と営業マンは強調していました。
実際に購入される方もおられるようです。数日で灰になるものにこの価格、いろいろな考え方があるかと思います。
ところで、もしやAmazonでも買えるのかな?と検索してみると、意外にも、ありました。さすが"全地球カタログ"。ただ納期は気を揉むかも。
これは週刊新潮さんからの受け売り情報です。
昨日、電車の中でたまたま読んだ週刊誌に「ニュージーランドで流行るDIY棺桶」という小さな記事があり、普段なら目に止まらないそんな記事を読んでしまいました。
なんでもマイ棺桶をDIYで作ることが大流行だとか。
ニュージーランド北部、ロトアル市では「キーウイ・コフィン・クラブ」なるクラブが、2013年に発足し毎週水曜日、早朝から棺桶作りに精を出す人50-60人(ニュージーランドの人口密度から考えると超人気クラブと考えられます)。
その発足のきっかけが、おかしくて電車の中でニヤリとしてしまいました。
「10年以上前、地元大学で退職者向け講座が開かれ(中略)。クラスの1人が"自分の棺桶を作ってみたい"と発言。そのときはクラスがシンとしました」
でも、面白いかもよ、ということになってはじまったそうです。
あちらでは葬儀店で購入すると20万円以上、自分で作れば10分の1以下。ジワジワと人気が拡がり「棺桶クラブ」は全土に拡がりつつあるそうです。
このクラブがいいなと感じた部分は「死について、オープンに話せること」。
そうなんです、自分のことだろうと家族のことだろうと、ちゃんと話し合うこと、話し合っておくことは重要だと思う私には共感する部分でした。
ところで、制作済みの棺桶は、その日まで、コーヒーテーブルなどに利用しているそうです。自分の棺桶で至福の一杯か・・・味わい深い!
Kiwi Coffin Club
(2016-10-03)
会場に漂うユリの香り
打ち合わせのためある葬儀業者さんを訪れたときの話です。会場に入ると告別式の準備中でした。なんでもこちらの創業者の方の告別式とのことで、比較的盛大な式になりそうでした。
会場横の控え室のような部屋で打ち合わせをしていたのですが、じっーと漂ってくるユリの花の香り(それに菊の花の香りも混じった香り)が、あまりにも静かで奥ゆかしく。
葬儀という厳粛なシチュエーションのなせる技か、無音の天国に来ているかのような錯覚に一瞬陥りました。
香りのもとは、おそらくカサブランカ。あの甘く派手な香りがこんなにも表情を変えるのかと茫洋として香りの世界にひたっていました。
葬儀での香水マナー
通常、葬儀やお通夜での香水はあまり歓迎されないことですが、ユリの香りの奥ゆかしさに触れて厳粛な気持ちが強くなったことを考えると、場にふさわしければ悪くないかもしれません。
葬儀でお香を焚く国は多く、宗教儀式とお香は人類の共通した習慣かもしれません。
もともと宗教儀式から香りモノが生まれ、香水やフレグランスへと発展してきたことを考えれば、厳粛な儀式と香りは、むしろ相性がよいかもしれません。
香りが漂う会場
葬儀では、お線香や焼香で香りが部屋中に充満します。一斉に焼香がはじまると香りと言うより、煙の世界になる感じです。
焼香は、元来「抹香(まっこう)」と呼ばれるお香の一種で、センダンやシキミの樹皮を粉砕した木片や粉末が使われます。ただ、私が参列した式では、焼香の香りは、あまり肌に合いませんでした。
一方、お線香は好きです。お線香が焚かれた空間は、やはり神聖な気持ちになるので不思議です。
お線香は、沈香や白檀などの香木、竜脳などの香料を粉末状・液状にしてブレンドして練り固めたもので、香りのビジネスをやっている私は敬意をもって接しています。
お線香も、とことんよい香りを求めると価格は天井知らず。
お線香にうるさい方は財力があると私は感じていましたが、経済力とお線香への関心は、おおむね比例関係にあるようです。
Amazonで買える棺桶
香りから少し脱線。葬儀会社さんのパンフを見て、今回はじめて棺桶の相場価格を知りました。
故人の冥福を祈るコストをケチることは、後ろめたいことですが、気になりますよね。
「ちなみに、こちらはおいくらでしょうか?」と高価そうなモデルを指さすと「50万円」と。桐の無垢材に豪華な装飾が施された棺桶。
「手彫りですよ」と営業マンは強調していました。
実際に購入される方もおられるようです。数日で灰になるものにこの価格、いろいろな考え方があるかと思います。
ところで、もしやAmazonでも買えるのかな?と検索してみると、意外にも、ありました。さすが"全地球カタログ"。ただ納期は気を揉むかも。
DIYによるマイ棺桶
これは週刊新潮さんからの受け売り情報です。
昨日、電車の中でたまたま読んだ週刊誌に「ニュージーランドで流行るDIY棺桶」という小さな記事があり、普段なら目に止まらないそんな記事を読んでしまいました。
なんでもマイ棺桶をDIYで作ることが大流行だとか。
ニュージーランド北部、ロトアル市では「キーウイ・コフィン・クラブ」なるクラブが、2013年に発足し毎週水曜日、早朝から棺桶作りに精を出す人50-60人(ニュージーランドの人口密度から考えると超人気クラブと考えられます)。
その発足のきっかけが、おかしくて電車の中でニヤリとしてしまいました。
「10年以上前、地元大学で退職者向け講座が開かれ(中略)。クラスの1人が"自分の棺桶を作ってみたい"と発言。そのときはクラスがシンとしました」
でも、面白いかもよ、ということになってはじまったそうです。
自分の棺桶でコーヒー
あちらでは葬儀店で購入すると20万円以上、自分で作れば10分の1以下。ジワジワと人気が拡がり「棺桶クラブ」は全土に拡がりつつあるそうです。
このクラブがいいなと感じた部分は「死について、オープンに話せること」。
そうなんです、自分のことだろうと家族のことだろうと、ちゃんと話し合うこと、話し合っておくことは重要だと思う私には共感する部分でした。
ところで、制作済みの棺桶は、その日まで、コーヒーテーブルなどに利用しているそうです。自分の棺桶で至福の一杯か・・・味わい深い!
Kiwi Coffin Club
(2016-10-03)
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