( 香水工場の )
香る生活
蝋梅の開花便り
新年が開けると、蝋梅(ロウバイ)の花が咲き始める・・・実は12月から咲いているんです(2017/01/07)
(12月の蝋梅、2016/12/27 鹿沼「蝋梅の里」)
九州出身の私は、東京で暮らすようになってはじめて蝋梅という花を知りました。
冬に花を付ける植物は梅が一番に思いつきますが、蝋梅は黄色い花が美しい上に、フルーティな香りがはっきりしていて、灰色の冬の風景によく似合います。
九州にも蝋梅はありますが、比較的レアな存在。関東ではいたる所にあって、草木にうるさくない人でも認識しやすいですね。
私がはじめて蝋梅を認識した場所は、住宅街のお庭からはみ出して咲いていた蝋梅でした。「あれ、冬なのに花が咲いている、あの黄色い花は?」。
近寄ると「・・・しかも良い香りが!」と驚きを持って発見しました。
気づけば、蝋梅は多くのご家庭で植えられています。人気の樹木なんですね。蝋梅には「梅」の文字が当てられていますが、梅のグループではないそうです。
独自のロウバイ科というグループを形成していますが、ウメが属するバラ科のメジャーで多彩なグループと比較すると孤高の花なんだな、と感じます。
栃木県鹿沼市にある「蝋梅の里」さんには縁あって、たまにお伺いして蝋梅の話を聞いたりします。先月27日(2016年12月)に訪問させていただきました。
実は、12月はまだ咲いていないだろう、よって来園者も少なくオーナーさんとのミーティングも時間が取れるという予定の日程だったのですが、園内の多くの樹木で1部咲き・2部咲き、一部の花は満開でした。
オーナーさんによると、これでも今年は遅れ気味とのこと。11月に季節外れの大雪に見舞われ、蕾の生育が鈍ったことが原因のようです。例年なら12月20日くらいから開園ですが、今年は1週間程度の遅れ。
ここからはビジネスマン向けの話です。蝋梅だけでなく、花の観光園って日本全国に数多くあります。
海外のことはわかりませんが、こんなに花の観光園が全国に多く点在し、また、それなりの集客力がある国は、世界広しといえども日本だけでは?日本は花園観光のトップランナーではないかと感じます。
いえ、調査も裏も取っていません。ただの憶測ですよ。
海外の人々も花は好きだし、自宅に植えます。そして愛情をもって育てる人は多い。が、花園に観光に出向く姿や習慣が、海外の場合、今ひとつイメージできない。
一方、日本と言えば、花見の習慣があり、花園があれば、それだけで人々が集まります。
そこにエキサイティングなアトラクションがある訳でない。見て何する訳でなく、花を愛で幸せな気分になって、お土産買って帰って行く、そのためだけ人々が集まるのです。凄いですよね。
何が人々を突き動かすのか?何が出不精な我々をそうさせるの?という気持ちになります。で、鼻がきくビジネスマンなら、その動員力に当然、ビジネスの可能性を感じるのでは?
たとえば、青森の「弘前さくらまつり」。桜前線のほぼ最終地点で、日本の桜の花のフィナーレを飾るイベントには、期間中200万人が訪れるそうです。
「その数字、ありえる!?」と思いませんか。開花ピーク日前後は、一日あたり30万人。
これだけの人数を動員できるイベントってあまり思いつきません。
武道館を埋める尽くすコンサートでさえ1.5万人、東京ドームでもフルフルに詰め込んでも5.5万人。花見の破壊力を見せつけられる思いです。
しかし、ビジネス的な観点からだけ考えると花の観光園ビジネスには、致命的な欠点があります。
天候に左右される点?
それも大きいのですが、最大の欠点は、花の命が短いことです。
桜なら一週間程度でしょうか。はかなさ・切なさ故に、さらに人々を魅了するという事情もありますが、観光園の経営からすれば、もうちょっと咲いていて欲しい!が本音ですよね。
その点、12月から3月まで咲き続ける蝋梅は、最大4ヶ月も楽しむことができます。経営的には爆発的な集客力より安定かつ長期に収益が上がるモデルが有利とされます。
「商いは牛の涎(よだれ)」とは、日本に伝わる商人(あきんど)の格言。蝋梅園は、花園の中で強いモデルだな、と感心して今回も見学させていただきました。
(2017-01-09)
(12月の蝋梅、2016/12/27 鹿沼「蝋梅の里」)
冬に咲く花、蝋梅
九州出身の私は、東京で暮らすようになってはじめて蝋梅という花を知りました。
冬に花を付ける植物は梅が一番に思いつきますが、蝋梅は黄色い花が美しい上に、フルーティな香りがはっきりしていて、灰色の冬の風景によく似合います。
蝋梅の人気
九州にも蝋梅はありますが、比較的レアな存在。関東ではいたる所にあって、草木にうるさくない人でも認識しやすいですね。
私がはじめて蝋梅を認識した場所は、住宅街のお庭からはみ出して咲いていた蝋梅でした。「あれ、冬なのに花が咲いている、あの黄色い花は?」。
近寄ると「・・・しかも良い香りが!」と驚きを持って発見しました。
気づけば、蝋梅は多くのご家庭で植えられています。人気の樹木なんですね。蝋梅には「梅」の文字が当てられていますが、梅のグループではないそうです。
独自のロウバイ科というグループを形成していますが、ウメが属するバラ科のメジャーで多彩なグループと比較すると孤高の花なんだな、と感じます。
鹿沼「蝋梅の里」再訪
栃木県鹿沼市にある「蝋梅の里」さんには縁あって、たまにお伺いして蝋梅の話を聞いたりします。先月27日(2016年12月)に訪問させていただきました。
実は、12月はまだ咲いていないだろう、よって来園者も少なくオーナーさんとのミーティングも時間が取れるという予定の日程だったのですが、園内の多くの樹木で1部咲き・2部咲き、一部の花は満開でした。
オーナーさんによると、これでも今年は遅れ気味とのこと。11月に季節外れの大雪に見舞われ、蕾の生育が鈍ったことが原因のようです。例年なら12月20日くらいから開園ですが、今年は1週間程度の遅れ。
花園のビジネスモデル
ここからはビジネスマン向けの話です。蝋梅だけでなく、花の観光園って日本全国に数多くあります。
海外のことはわかりませんが、こんなに花の観光園が全国に多く点在し、また、それなりの集客力がある国は、世界広しといえども日本だけでは?日本は花園観光のトップランナーではないかと感じます。
いえ、調査も裏も取っていません。ただの憶測ですよ。
海外の人々も花は好きだし、自宅に植えます。そして愛情をもって育てる人は多い。が、花園に観光に出向く姿や習慣が、海外の場合、今ひとつイメージできない。
日本人を魅了する花観光園
一方、日本と言えば、花見の習慣があり、花園があれば、それだけで人々が集まります。
そこにエキサイティングなアトラクションがある訳でない。見て何する訳でなく、花を愛で幸せな気分になって、お土産買って帰って行く、そのためだけ人々が集まるのです。凄いですよね。
何が人々を突き動かすのか?何が出不精な我々をそうさせるの?という気持ちになります。で、鼻がきくビジネスマンなら、その動員力に当然、ビジネスの可能性を感じるのでは?
200万人を集める「弘前さくらまつり」
たとえば、青森の「弘前さくらまつり」。桜前線のほぼ最終地点で、日本の桜の花のフィナーレを飾るイベントには、期間中200万人が訪れるそうです。
「その数字、ありえる!?」と思いませんか。開花ピーク日前後は、一日あたり30万人。
これだけの人数を動員できるイベントってあまり思いつきません。
武道館を埋める尽くすコンサートでさえ1.5万人、東京ドームでもフルフルに詰め込んでも5.5万人。花見の破壊力を見せつけられる思いです。
花園ビジネスの弱点
しかし、ビジネス的な観点からだけ考えると花の観光園ビジネスには、致命的な欠点があります。
天候に左右される点?
それも大きいのですが、最大の欠点は、花の命が短いことです。
桜なら一週間程度でしょうか。はかなさ・切なさ故に、さらに人々を魅了するという事情もありますが、観光園の経営からすれば、もうちょっと咲いていて欲しい!が本音ですよね。
蝋梅はここが凄い
その点、12月から3月まで咲き続ける蝋梅は、最大4ヶ月も楽しむことができます。経営的には爆発的な集客力より安定かつ長期に収益が上がるモデルが有利とされます。
「商いは牛の涎(よだれ)」とは、日本に伝わる商人(あきんど)の格言。蝋梅園は、花園の中で強いモデルだな、と感心して今回も見学させていただきました。
(2017-01-09)
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