( 香水工場の )
香る生活
GALAXY、商品開発失敗の悲しい話
「GALAXY」というネーミングで、銀の消臭剤開発を行ってきましたが、今年は断念することに。失敗をレビューして次に繋げたい(2017/06/06)
(商品開発は頓挫しました、余ったファーストロット製品の行方は? 詳しくは下の「頓挫祭り」をご覧下さい)
消臭剤の商品化に関心を抱いたのは昨年の夏。
昨年の夏は非常に暑く、暑さだけでなく、いろいろなニオイも気になりました。日本の夏の電車やバスでは、たまに強烈なニオイを放っている人がいます。
あのニオイは汗や皮脂を栄養分とする細菌の繁殖が主な原因と考えられます。
しかし、考えてみれば、一般のご家庭にも、たとえば、使った後のタオルや生乾きの洗濯物、お掃除が不十分なトイレやペットのマットなど、日常的にありふれたニオイです。
「銀」は抗菌成分として抜群の効果があります。そこで去年の夏、市販の銀イオン製品を買い集め、日常生活の中で使ってみました。
多くの製品が、効果的で銀パワーを実感しました。
ただ、香料が多めに配合されていて、"ニオイ消しなのに別のニオイで気分が悪くなる" 製品も多いことを発見しました。
そこで香料臭さがなく・使いやすい銀消臭剤を商品化すれば「きっと需要がある」。これが製品開発のキッカケでした。
当社は香水メーカー、よい香りを提供することがミッションですが、悪いニオイの抑制もミッションの延長線上・・・と強引な理由ではありましたが。
当社には銀イオンに関するノウハウも経験もないため、ここは素直に経験豊かな銀イオンの会社さんにコンサルを受けました。
また実績のある製品をベースに当社の製品に仕上げる「半OEM方式」での参入を前提に商品開発を行ってきました。
第一段階はトイレタリー製品としてリリースし、さらに一年経験を積み来年、化粧品としてプロダクトをリリースする予定でした。
トイレタリーは、薬事法の規制がなく製品の自由度が高いため参入しやすいという事情があります。これが『GALAXYシリーズ』です。
化粧品は、薬事法の規制のもと、人の肌に付けることを前提とした製品です。『パパ臭改善計画』となるはずでした。
奇抜な商品名も決まって、ノリノリで進めてきましたが、5月1日の「GALAXY」リリース直前で、ある問題が発覚して急遽フリーズとなりました。
他の金属と比較すると銀は安全性が高いと言われます。銀のピアスやアクセサリーで、たまにアレルギーを発症する人がおられます。
しかし、それはニッケルなど、合金として配合されている他の金属が原因です。また銀は、多少体内に取り込まれても金(ゴールド)同様、人体にとって毒性を示すことがほぼありません。
それどころか"仁丹"(銀膜でコーティングされている)のように食品添加物として長年使用実績もあります。
銀のもともとの安全性から考慮して、商品の安全性に関しては大きな気持ちでした。
ところが、リリース直前、商品化した製品が手に付くと、数時間後、高い確率で茶褐色のシミみたいな斑点になることが判明しました。
すぐに洗い流せば出る確率は少なくなるものの原液が透明で、手についても汚れに見えないため、そのまま放置する人が多いと思われます。
斑点ができた場合、石鹸などで洗ってもなかなか落ちません(金属性の汚れなので、むしろ、レモンやお酢のような酸性成分で洗う方が落ちやすい)。
3日~4日すれば、皮膚の新陳代謝に合わせるかのように自然と落ちますが、驚かれる人も多いはずです。
斑点ができる原因は、銀濃度が高すぎるためでした。
GALAXY500は、水で500倍に薄めて使用することを想定した製品ですが、製品を小さく・軽くすることにこだわったため高濃度化を優先しました。
市販の銀消臭剤のそれは、0.01ppmから数ppm程度。GALAXY500の銀濃度は10,000ppm。
私がテストした範囲では、100ppm程度ならこの茶褐色の汚れ問題は、ほぼ発生しないのですが、10,000ppmは注意を要します。
この辺のリスクをどう考えるかで迷いました。
お客様が、会社や企業ならリスクの周知を通じて、安全に取り扱ってもらえますが、不特定多数のお客様に販売するには危険と判断しました。
断腸の思いで、リリース直前の数日前に発売保留とし、商品コンセプトを見直すことにしました。
すでに製造済みのGALAXY500の初回ロット分1,000本は、段ボール箱に入れたまま販売されずに倉庫の棚に留め置かれています。これが上の写真です。
単価300円での販売を想定していましたが、計画が頓挫し、この余ったGALAXY500を「0円」にて販売したいと思います。
GALAXY500は、香料などは添加していません。原料の素材臭もありませんので、完全に無色・透明・無臭の溶液です。
ナノ銀溶液の効果をテストしたい方、上記の製品リスクをご理解頂き、自己責任にてお使いいただける方に限り無料にて。
ただし、遊び半分の買い占めを防止するため、お一人様2本までという制限を設けさせて頂きます。
また、GALAXY500は無料ですが、これに送料などが発生します。また、GALAXY500がなくなり次第終了します → GALAXY500のページ
・・・この頓挫した新商品が、銀の消臭剤に関心がある方のお役に立てることを祈ります。
【関連記事】
・今回は頓挫ながら、国分は喜々として利用中 (2017年07月)
・GALAXY、商品開発失敗の悲しい話 (2017年06月)
・新製品 GALAXY500 (2017年03月)
・『パパ臭 改造計画』新消臭商品プラン (2017年03月)
・防臭のための銀の勉強会 (2017年03月)
・銀スプレー、モニターさんの感動と失望 (2017年02月)
・細菌と"正しい共存"を目指そう編 (2017年01月)
・銀スプレー、開発中 (2016年12月)
・銀の消臭剤、試作に入ります (2016年11月)
(2017-06-07)
(商品開発は頓挫しました、余ったファーストロット製品の行方は? 詳しくは下の「頓挫祭り」をご覧下さい)
商品開発のキッカケ
消臭剤の商品化に関心を抱いたのは昨年の夏。
昨年の夏は非常に暑く、暑さだけでなく、いろいろなニオイも気になりました。日本の夏の電車やバスでは、たまに強烈なニオイを放っている人がいます。
あのニオイは汗や皮脂を栄養分とする細菌の繁殖が主な原因と考えられます。
しかし、考えてみれば、一般のご家庭にも、たとえば、使った後のタオルや生乾きの洗濯物、お掃除が不十分なトイレやペットのマットなど、日常的にありふれたニオイです。
「銀」は抗菌成分として抜群の効果があります。そこで去年の夏、市販の銀イオン製品を買い集め、日常生活の中で使ってみました。
多くの製品が、効果的で銀パワーを実感しました。
ただ、香料が多めに配合されていて、"ニオイ消しなのに別のニオイで気分が悪くなる" 製品も多いことを発見しました。
そこで香料臭さがなく・使いやすい銀消臭剤を商品化すれば「きっと需要がある」。これが製品開発のキッカケでした。
当社は香水メーカー、よい香りを提供することがミッションですが、悪いニオイの抑制もミッションの延長線上・・・と強引な理由ではありましたが。
商品開発は最短コースで
当社には銀イオンに関するノウハウも経験もないため、ここは素直に経験豊かな銀イオンの会社さんにコンサルを受けました。
また実績のある製品をベースに当社の製品に仕上げる「半OEM方式」での参入を前提に商品開発を行ってきました。
「GALAXY」と「パパ臭改善計画」という商品プラン
第一段階はトイレタリー製品としてリリースし、さらに一年経験を積み来年、化粧品としてプロダクトをリリースする予定でした。
トイレタリーは、薬事法の規制がなく製品の自由度が高いため参入しやすいという事情があります。これが『GALAXYシリーズ』です。
化粧品は、薬事法の規制のもと、人の肌に付けることを前提とした製品です。『パパ臭改善計画』となるはずでした。
安全なはずの銀の死角
奇抜な商品名も決まって、ノリノリで進めてきましたが、5月1日の「GALAXY」リリース直前で、ある問題が発覚して急遽フリーズとなりました。
他の金属と比較すると銀は安全性が高いと言われます。銀のピアスやアクセサリーで、たまにアレルギーを発症する人がおられます。
しかし、それはニッケルなど、合金として配合されている他の金属が原因です。また銀は、多少体内に取り込まれても金(ゴールド)同様、人体にとって毒性を示すことがほぼありません。
それどころか"仁丹"(銀膜でコーティングされている)のように食品添加物として長年使用実績もあります。
問題発覚
銀のもともとの安全性から考慮して、商品の安全性に関しては大きな気持ちでした。
ところが、リリース直前、商品化した製品が手に付くと、数時間後、高い確率で茶褐色のシミみたいな斑点になることが判明しました。
すぐに洗い流せば出る確率は少なくなるものの原液が透明で、手についても汚れに見えないため、そのまま放置する人が多いと思われます。
斑点ができた場合、石鹸などで洗ってもなかなか落ちません(金属性の汚れなので、むしろ、レモンやお酢のような酸性成分で洗う方が落ちやすい)。
3日~4日すれば、皮膚の新陳代謝に合わせるかのように自然と落ちますが、驚かれる人も多いはずです。
銀濃度が高すぎる
斑点ができる原因は、銀濃度が高すぎるためでした。
GALAXY500は、水で500倍に薄めて使用することを想定した製品ですが、製品を小さく・軽くすることにこだわったため高濃度化を優先しました。
市販の銀消臭剤のそれは、0.01ppmから数ppm程度。GALAXY500の銀濃度は10,000ppm。
私がテストした範囲では、100ppm程度ならこの茶褐色の汚れ問題は、ほぼ発生しないのですが、10,000ppmは注意を要します。
この辺のリスクをどう考えるかで迷いました。
断念
お客様が、会社や企業ならリスクの周知を通じて、安全に取り扱ってもらえますが、不特定多数のお客様に販売するには危険と判断しました。
断腸の思いで、リリース直前の数日前に発売保留とし、商品コンセプトを見直すことにしました。
商品開発の「頓挫祭り」開催
すでに製造済みのGALAXY500の初回ロット分1,000本は、段ボール箱に入れたまま販売されずに倉庫の棚に留め置かれています。これが上の写真です。
単価300円での販売を想定していましたが、計画が頓挫し、この余ったGALAXY500を「0円」にて販売したいと思います。
リスクを理解されるお客様へ
GALAXY500は、香料などは添加していません。原料の素材臭もありませんので、完全に無色・透明・無臭の溶液です。
ナノ銀溶液の効果をテストしたい方、上記の製品リスクをご理解頂き、自己責任にてお使いいただける方に限り無料にて。
ただし、遊び半分の買い占めを防止するため、お一人様2本までという制限を設けさせて頂きます。
また、GALAXY500は無料ですが、これに送料などが発生します。また、GALAXY500がなくなり次第終了します → GALAXY500のページ
・・・この頓挫した新商品が、銀の消臭剤に関心がある方のお役に立てることを祈ります。
【関連記事】
・今回は頓挫ながら、国分は喜々として利用中 (2017年07月)
・GALAXY、商品開発失敗の悲しい話 (2017年06月)
・新製品 GALAXY500 (2017年03月)
・『パパ臭 改造計画』新消臭商品プラン (2017年03月)
・防臭のための銀の勉強会 (2017年03月)
・銀スプレー、モニターさんの感動と失望 (2017年02月)
・細菌と"正しい共存"を目指そう編 (2017年01月)
・銀スプレー、開発中 (2016年12月)
・銀の消臭剤、試作に入ります (2016年11月)
(2017-06-07)
< 新・練り香水、アンケートの結果 || 香るイチジクの葉っぱ >
search