( 香水工場の )
香る生活
元祖 "花香水ブランド" と名乗りたいが・・
・・ (2022/03/29)
( 話題性があるので、逆に注目を引くマーケティングにもなる? )
当社は四半世紀前に香水メーカーとして創業し、初期から花の香水に注力してきた。
とくに「和の花香水」を得意としてきた。
キンモクセイ香水も、かなり早い段階からリリースしたが、その際、競合する企業やブランドはなかった。
当時は、そもそも「キンモクセイの香水?・・トイレを思い出すな~」とかささやかれた。
昭和の頃、キンモクセイの香りのトイレ芳香剤が多かったことが原因だろう。
「キンモクセイの香り = トイレ」だった。
そんなこともあって、当社は無敵の「キンモクセイ香水ブランド」として君臨できた。
とはいえ当社に知名度はなく、キンモクセイ香水への需要も薄かったので・・微妙な無敵ブランドではあった。
状況が変化したのは2010年代中盤から。
「キンモクセイ香水は儲かる」というウワサが化粧品業界や香水業界でささやかれるようになった。
(だれが流しはじめたか、定かでないが、Amazonの売れ筋からではないかと感じている)
ちらほら、キンモクセイ香水をリリースするブランドさんや新規参入・異業種参入の企業さんがでてきた。
最初は、ライバルさんはどんなキンモクセイを出したか?・・と買って拝見したこともあったが、追いつかなくなりリサーチはやめている。
2021年のキンモクセイ香水参入ブランドの多さは異常だった。
(もはや飽和しているんだがな・・)
「キンモクセイ香水が、もうダメなら」式に、他の花にも飛び火しはじめているのが、2021年秋以降の状況。
ロウバイ、ジンチョウゲ、ミモザ、ユリ、フリージア、スミレ・・こんな花の香水が、どんどん他社さんからもリリースされるようになった。
当社から見れば、至る所で火の手が上がっている感じだ。
だって、吹けば飛ぶような当社が、無風状態のマーケットで細々とやれていた "古き良き時代" が終わろうとしているのだから。
マーケティング用語では、競合が少ない市場を「ブルーオーシャン(青い海)」と呼び、参入者が多く激しい激戦のマーケットは「レッドオーシャン(赤い海)」という。
(レッドオーシャン・・ネーミングがリアルですね)
当社のビジネスモデルも、ブルーオーシャンからレッドオーシャンへ移行しているようだ。
6~7年前まで、当社は売れ筋の「トップ10」アイテムを公開していた。
ある日、ある大手さんから3種類のシリーズ香水がリリースされた。
そのシリーズが、なんと当社トップ3・・偶然同じ?・・う~ん、ちょっと疑惑は感じたな~
この事件以降、当社は「トップ10」公開をやめてしまった。
「花香水」はブルーオーシャンではなくなった・・なんとかしたい、なら『元祖 "花香水ブランド"』とか名乗ろうか、と社内では話している。
(もちろん、笑い話として)
仮にもし『元祖 花香水ブランド』を名乗れば、『本家 花香水ブランド』とか『花香水ブランド 総本山』とか名乗るところが出てるくだろう。
(もちろん、パロディとして)
しかし、まちがって争いにでもなれば、テレビニュース的には笑える話題だが、業界全体にとって不毛なこと。
たとえば、京都の八つ橋「元祖裁判」は話題性があって人々の知るところ。
「なぜ老舗同士がトラブル? ~ 京菓子「八ツ橋」騒動」(Yahooニュース) によると、京都市内で八ツ橋を製造販売しているのは14社あり売上規模は100億円。
「元祖」の名前次第で数億円の売上が増減するだろう、切実度は伝わってくるな~
たとえば、「フライドポテト」も元祖争いが続いている。
フランス vs ベルギー、国家間の一騎打ち、こちらはグローバルに話題性があるし、当事者でないボクらからすれば、失礼ながら楽しさがある。
France, Belgium argue over who really invented French fries(フランス vs ベルギー、フレンチフライの発明者で激論)
ベルギーでは「フライド・フィッシュ」が伝統的に食べられてきたが、1680年、川が凍って魚が捕れずに代わりにジャガイモを揚げたことが、フライドポテトの由来、ベルギー発祥という主張。
ベルギーが、フライドポテトの世界文化遺産登録を目指すと発表すると、それに待ったをかけたのが、かのフィガロ紙、フランスを代表する高級紙。
「いやいや、フライドポテトはパリで生まれた、証拠もある」といった主張。
米国では、フライドポテトは別名「フレンチフライ」と呼ばれるが、ベルギーによると第一次世界大戦で従軍した米国の軍人達が "間違って"「フレンチフライ」と呼び、それが定着したそうである。
ジャガイモを揚げる・・誰でも思いつきそうなアイデア。
誰がはじめてもいいじゃないか、と思えるのだが。
武力紛争が絶えない世界において、フライドポテト元祖紛争は、逆にほっとする紛争に感じてしまう。
もし花香水ブランド元祖紛争が勃発したとしても、笑える争いにしたいものだ。
上の記事では、レッドオーシャン対策として自社を「元祖」と名乗ろうと書いた。
しかし、その資格がないことは知っている。
過去20年の間だけなら、まだしも、たとえば、キンモクセイ香水は昭和の時代にも製造していた会社さんが日本にあったことは知っている。
その他の花の香りに関しても有名・無名の会社さんから、いろいろ製品化されたきたことは想像できる。
だから、当社は元祖でも本家でもない。
日本にも世界にも、これまで花の香りの香水の製造を試みた無数の会社さんが存在してきた。
当社は、そういう先輩たちの歴史と伝統の上で、なんとか、ビジネスをやらせてもらっていると認識している、感謝の言葉しかない。
お客様コメント:
2022/04/12
金木犀の香水、私が初めて買ったミニボトルです。
時は昭和47年、田舎の小さなスーパーの小さな化粧品コーナー、ガラスカウンターの上にこれまた小さなカゴに入ったいくつかの香水たち。黒水仙というのは、ちょっと妖艶な香りでしたね。
その中に大好きな金木犀の香水があり、中身はせいぜい2~3ml。
清々しい香りで、高校生だった私はコットンに少しだけ付けて、修学旅行の着替えの中に入れました。
他人にはわからないくらいの微かな香り。一人満足して幸せだったのを、今でも思い出します。
今は武蔵野ワークスさんの香水で冬はろうばい、春は桜、秋は金木犀を愛用中です。
職場が介護施設のため香水は付けられず、お休みの日オンリーですけど、愛用しています。
・・・
心は半世紀前と変わらないわよ
(国分) リアルな体験談、ありがとうございました。「黒水仙」という製品があったんですね。日本製でしょうか?フランスの香水老舗キャロン社に「ナルシス・ノワール」(黒水仙)という香水がありましたが、もしやそれでしょうか?
(2022-03-29)
( 話題性があるので、逆に注目を引くマーケティングにもなる? )
当社が創業した頃
当社は四半世紀前に香水メーカーとして創業し、初期から花の香水に注力してきた。
とくに「和の花香水」を得意としてきた。
キンモクセイ香水も、かなり早い段階からリリースしたが、その際、競合する企業やブランドはなかった。
当時は、そもそも「キンモクセイの香水?・・トイレを思い出すな~」とかささやかれた。
キンモクセイ香水はイメージが悪かった
昭和の頃、キンモクセイの香りのトイレ芳香剤が多かったことが原因だろう。
「キンモクセイの香り = トイレ」だった。
そんなこともあって、当社は無敵の「キンモクセイ香水ブランド」として君臨できた。
とはいえ当社に知名度はなく、キンモクセイ香水への需要も薄かったので・・微妙な無敵ブランドではあった。
ライバル達の目覚め
状況が変化したのは2010年代中盤から。
「キンモクセイ香水は儲かる」というウワサが化粧品業界や香水業界でささやかれるようになった。
(だれが流しはじめたか、定かでないが、Amazonの売れ筋からではないかと感じている)
ちらほら、キンモクセイ香水をリリースするブランドさんや新規参入・異業種参入の企業さんがでてきた。
最初は、ライバルさんはどんなキンモクセイを出したか?・・と買って拝見したこともあったが、追いつかなくなりリサーチはやめている。
他の花へ飛び火
2021年のキンモクセイ香水参入ブランドの多さは異常だった。
(もはや飽和しているんだがな・・)
「キンモクセイ香水が、もうダメなら」式に、他の花にも飛び火しはじめているのが、2021年秋以降の状況。
ロウバイ、ジンチョウゲ、ミモザ、ユリ、フリージア、スミレ・・こんな花の香水が、どんどん他社さんからもリリースされるようになった。
当社から見れば、至る所で火の手が上がっている感じだ。
だって、吹けば飛ぶような当社が、無風状態のマーケットで細々とやれていた "古き良き時代" が終わろうとしているのだから。
(悲報)レッドオーシャンになるのか・・
マーケティング用語では、競合が少ない市場を「ブルーオーシャン(青い海)」と呼び、参入者が多く激しい激戦のマーケットは「レッドオーシャン(赤い海)」という。
(レッドオーシャン・・ネーミングがリアルですね)
当社のビジネスモデルも、ブルーオーシャンからレッドオーシャンへ移行しているようだ。
(事件)当社トップ3香水が他社から
6~7年前まで、当社は売れ筋の「トップ10」アイテムを公開していた。
ある日、ある大手さんから3種類のシリーズ香水がリリースされた。
そのシリーズが、なんと当社トップ3・・偶然同じ?・・う~ん、ちょっと疑惑は感じたな~
この事件以降、当社は「トップ10」公開をやめてしまった。
当社の焦り・・「元祖」を名乗ろう!
「花香水」はブルーオーシャンではなくなった・・なんとかしたい、なら『元祖 "花香水ブランド"』とか名乗ろうか、と社内では話している。
(もちろん、笑い話として)
仮にもし『元祖 花香水ブランド』を名乗れば、『本家 花香水ブランド』とか『花香水ブランド 総本山』とか名乗るところが出てるくだろう。
(もちろん、パロディとして)
しかし、まちがって争いにでもなれば、テレビニュース的には笑える話題だが、業界全体にとって不毛なこと。
「元祖」対決事例 八つ橋
たとえば、京都の八つ橋「元祖裁判」は話題性があって人々の知るところ。
「なぜ老舗同士がトラブル? ~ 京菓子「八ツ橋」騒動」(Yahooニュース) によると、京都市内で八ツ橋を製造販売しているのは14社あり売上規模は100億円。
「元祖」の名前次第で数億円の売上が増減するだろう、切実度は伝わってくるな~
「元祖」対決事例 フライドポテト
たとえば、「フライドポテト」も元祖争いが続いている。
フランス vs ベルギー、国家間の一騎打ち、こちらはグローバルに話題性があるし、当事者でないボクらからすれば、失礼ながら楽しさがある。
France, Belgium argue over who really invented French fries(フランス vs ベルギー、フレンチフライの発明者で激論)
ベルギーでは「フライド・フィッシュ」が伝統的に食べられてきたが、1680年、川が凍って魚が捕れずに代わりにジャガイモを揚げたことが、フライドポテトの由来、ベルギー発祥という主張。
ベルギーが、フライドポテトの世界文化遺産登録を目指すと発表すると、それに待ったをかけたのが、かのフィガロ紙、フランスを代表する高級紙。
「いやいや、フライドポテトはパリで生まれた、証拠もある」といった主張。
米国では、フライドポテトは別名「フレンチフライ」と呼ばれるが、ベルギーによると第一次世界大戦で従軍した米国の軍人達が "間違って"「フレンチフライ」と呼び、それが定着したそうである。
武力紛争が絶えない世界
ジャガイモを揚げる・・誰でも思いつきそうなアイデア。
誰がはじめてもいいじゃないか、と思えるのだが。
武力紛争が絶えない世界において、フライドポテト元祖紛争は、逆にほっとする紛争に感じてしまう。
もし花香水ブランド元祖紛争が勃発したとしても、笑える争いにしたいものだ。
(補足)当社は元祖ではない
上の記事では、レッドオーシャン対策として自社を「元祖」と名乗ろうと書いた。
しかし、その資格がないことは知っている。
過去20年の間だけなら、まだしも、たとえば、キンモクセイ香水は昭和の時代にも製造していた会社さんが日本にあったことは知っている。
その他の花の香りに関しても有名・無名の会社さんから、いろいろ製品化されたきたことは想像できる。
だから、当社は元祖でも本家でもない。
日本にも世界にも、これまで花の香りの香水の製造を試みた無数の会社さんが存在してきた。
当社は、そういう先輩たちの歴史と伝統の上で、なんとか、ビジネスをやらせてもらっていると認識している、感謝の言葉しかない。
お客様コメント:
2022/04/12
金木犀の香水、私が初めて買ったミニボトルです。
時は昭和47年、田舎の小さなスーパーの小さな化粧品コーナー、ガラスカウンターの上にこれまた小さなカゴに入ったいくつかの香水たち。黒水仙というのは、ちょっと妖艶な香りでしたね。
その中に大好きな金木犀の香水があり、中身はせいぜい2~3ml。
清々しい香りで、高校生だった私はコットンに少しだけ付けて、修学旅行の着替えの中に入れました。
他人にはわからないくらいの微かな香り。一人満足して幸せだったのを、今でも思い出します。
今は武蔵野ワークスさんの香水で冬はろうばい、春は桜、秋は金木犀を愛用中です。
職場が介護施設のため香水は付けられず、お休みの日オンリーですけど、愛用しています。
・・・
心は半世紀前と変わらないわよ
(国分) リアルな体験談、ありがとうございました。「黒水仙」という製品があったんですね。日本製でしょうか?フランスの香水老舗キャロン社に「ナルシス・ノワール」(黒水仙)という香水がありましたが、もしやそれでしょうか?
(2022-03-29)
< 桜、ふぶいていました || 武蔵野の湧水(湧き水) >
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