( 香水工場の )
香る生活
機能性フレグランスが熱いらしい
感性から機能性へ (2022/05/08)
( 迷宮内でさまよう香水・フレグランス業界 )
「機能性フレグランス」が盛り上がっているらしい。現状だと、たとえば、
リラックスしたり、元気が出たり・・文字通りの効能・効果がウリのフレグランスである。
そんな奇跡が起こるフレグランスや香水はまだ少ないが、将来はわからない。
香りや香水は、いままで感性に訴えるものだった。
しかし、もともと香りそのものに気分や集中力を高める効果は存在する。
また香りが興奮作用やリラックス作用を生理的に引き起こすことは、確かに認められる現象だと思う。
アロマテラピーは、そんな香りが持つパワーを、カラダの健康に生かそうというコンセプトの療法である。
しかし、香りに生理的なパワーがあるとなると、それぞれの国の薬事法との関連性が微妙になる。
香りや香水だけでなく化粧品はみんな薬事法との関係性で微妙な境界に入ってきている。
薬事法では、香水を含め化粧品の定義はこうである:
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために(中略)人体に対する作用が緩和なもの」
これは薬事法の原文である。
行政機関の書面らしく一般の人々が読めば、堅くて意図も伝わりにくい。
しかし、簡潔な文章の中に考え得る様々なケースが広範囲にカバーされていることに感心させられる。
本文の最大の趣旨は化粧品は「医薬品のごとくあるべからざる!」とボクは解釈している。
香り・香水・アロマテラピーを含むすべての化粧品には、効能効用があってはならないのだ。
これが薬事法のオキテである。
化粧品は、人の容姿を表面的に整えるだけ、つまり、それは清潔にする、見た目を整えることが目的であり、それ以上ではあってはいけない。
このように化粧品に効能効用や機能性などがあっては許されないのだが、現実問題、機能性がない化粧品ってある?・・というのが一般的な印象でなかろうか。
たとえば、美白化粧品ってどうだろう?・・なかりのハイテク、皮膚の色素をコントロールするとなると医療行為とどう違うのか?
(美白化粧品は厳密には、化粧品でなく「医薬部外品」で化粧品ではないとされる・・医薬部外品は、医薬品ではないが、化粧品でもないというよくわからない日本独自のグレーなカテゴリー)
たとえば、アンチエイジング・コスメ・・もはや最先端医学の分野
(アンチエイジング・コスメは厳密には、行政的には存在しないコスメのカテゴリー、こちらもグレーな存在)
シミ・シワ対策もおしろいで隠す程度なら「メイクアップ化粧品」だが、細胞レベルンでのシワ改善となると医薬品であり、治療行為と解釈されかねない、実に微妙な分野である。
化粧品は、現在、どんどん薬事法の境界に立ち入ろうとしているが、香水も同じ。
香りによって生理的に何かよいことを人体に引き起こす・・これが今熱い視線を向けられている香水やフレグランス。
近年、世界の大ブランドさんたちはこの分野に大がかりな投資を行っている。
医療機関や研究所、バイオベンチャーやコスメベンチャーとの提携や投資といった形態で。
これら新しいカテゴリーは「機能性フレグランス」や「ソリューションフレグランス」と呼ばる。
薬事法の規制があるので、真の意味での「機能性」や「ソリューション」は提供できないはずだが、目指す方向は限りなくへ医薬品ボーダーをさまよう。
たとえば、米国では大麻 (カニバス、マリファナ) の規制緩和が急速に進んでおり、カニバス・フレグランスやカニバス香水も現実味を帯びてきている。
もしこの種の製品が出たら、もはやコスメや香水ではない、医薬品になると思うが、どう薬事法をクリアするか、そのへんもぬかりなく研究されているだろう。
フレグランスブランドは、なぜ機能性に突き進むのか?
それは香水やフレグランスの差別化が、もはやできない現状・実情が背景として大きい。
この業界に飽和感が漂っているというか・・
当社には医療的分野での研究能力がないので、あくまで感性の香りを創り続けたい。
仮に、機能性フレグランスが普通になる時代が来るとすれば・・昭和から取り残された街の駄菓子屋さんのような感じか?
(もちろん、それまで生き残れているという前提だが)
駄菓子屋的ブランド?・・それもノスタルジーがあっていいだろう。
覚悟はできている。
・・以上、今日は「世界の香水は今後機能性に向かう」という香水業界のトレンドの話でした。
お客様コメント:
2022/05/08 (Sun) 18:28:36
・コメント
薬事法は廃止され,今は薬機法になってます.
・・・
あたくし
(国分) 撃沈。
“天気痛(気象病)向けフレグランス”をリリースして頂ければとお願い申し上げます。
一昨年から、いわゆる天気痛による頭痛とめまいに苦しむようになり、一度始まるとずっと身動きが取れず、自室でじっと寝たまま、収まるのを待つしかない有り様です。
あまりにも辛いので、最近ネットで調べたところ(薬に頼りたくないので)、ネロリやプチグレン(プチグレイン)がめまいを軽減してくれると知り、藁をもすがる思いで手持ちのプチグレンがメインの香水を付けてみたところ、スッと軽くなり、ゆっくりであれば動けるようになりました。
そこで、武蔵野ワークスさんに“プチグレンがメインの、めまい対策フレグランス”をお願いできればと思い付いた次第です。
また、自らを実験台にした個人的感想としまして、バニラやムスクが含まれる香りは却って逆効果だと感じました。
(国分) 「天気痛(気象病)フレグランス」は当社に開発できるだけの知見がないので「やりましょう!」とは言えませんが、実は私の偏頭痛も天候とリンクしやすく自分が実験台になれる点で、おもしろそうです。
(2022-05-08)
( 迷宮内でさまよう香水・フレグランス業界 )
近ごろ香水業界に流行るもの・・
「機能性フレグランス」が盛り上がっているらしい。現状だと、たとえば、
・リラクシングフレグランス、リラクシング香水
・エナジーフレグランス、エナジー香水
・エナジーフレグランス、エナジー香水
リラックスしたり、元気が出たり・・文字通りの効能・効果がウリのフレグランスである。
そんな奇跡が起こるフレグランスや香水はまだ少ないが、将来はわからない。
香りや香水がカラダに及ぼす影響
香りや香水は、いままで感性に訴えるものだった。
しかし、もともと香りそのものに気分や集中力を高める効果は存在する。
また香りが興奮作用やリラックス作用を生理的に引き起こすことは、確かに認められる現象だと思う。
アロマテラピーは、そんな香りが持つパワーを、カラダの健康に生かそうというコンセプトの療法である。
しかし、香りに生理的なパワーがあるとなると、それぞれの国の薬事法との関連性が微妙になる。
香りや香水だけでなく化粧品はみんな薬事法との関係性で微妙な境界に入ってきている。
薬事法のオキテ
薬事法では、香水を含め化粧品の定義はこうである:
「人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌を変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために(中略)人体に対する作用が緩和なもの」
これは薬事法の原文である。
行政機関の書面らしく一般の人々が読めば、堅くて意図も伝わりにくい。
しかし、簡潔な文章の中に考え得る様々なケースが広範囲にカバーされていることに感心させられる。
本文の最大の趣旨は化粧品は「医薬品のごとくあるべからざる!」とボクは解釈している。
香り・香水・アロマテラピーを含むすべての化粧品には、効能効用があってはならないのだ。
これが薬事法のオキテである。
効能効用があってはいけないのだが・・
化粧品は、人の容姿を表面的に整えるだけ、つまり、それは清潔にする、見た目を整えることが目的であり、それ以上ではあってはいけない。
このように化粧品に効能効用や機能性などがあっては許されないのだが、現実問題、機能性がない化粧品ってある?・・というのが一般的な印象でなかろうか。
たとえば、美白化粧品ってどうだろう?・・なかりのハイテク、皮膚の色素をコントロールするとなると医療行為とどう違うのか?
(美白化粧品は厳密には、化粧品でなく「医薬部外品」で化粧品ではないとされる・・医薬部外品は、医薬品ではないが、化粧品でもないというよくわからない日本独自のグレーなカテゴリー)
たとえば、アンチエイジング・コスメ・・もはや最先端医学の分野
(アンチエイジング・コスメは厳密には、行政的には存在しないコスメのカテゴリー、こちらもグレーな存在)
シミ・シワ対策もおしろいで隠す程度なら「メイクアップ化粧品」だが、細胞レベルンでのシワ改善となると医薬品であり、治療行為と解釈されかねない、実に微妙な分野である。
化粧品は、現在、どんどん薬事法の境界に立ち入ろうとしているが、香水も同じ。
香水業界の将来
香りによって生理的に何かよいことを人体に引き起こす・・これが今熱い視線を向けられている香水やフレグランス。
近年、世界の大ブランドさんたちはこの分野に大がかりな投資を行っている。
医療機関や研究所、バイオベンチャーやコスメベンチャーとの提携や投資といった形態で。
これら新しいカテゴリーは「機能性フレグランス」や「ソリューションフレグランス」と呼ばる。
機能性フレグランスの問題点
薬事法の規制があるので、真の意味での「機能性」や「ソリューション」は提供できないはずだが、目指す方向は限りなくへ医薬品ボーダーをさまよう。
たとえば、米国では大麻 (カニバス、マリファナ) の規制緩和が急速に進んでおり、カニバス・フレグランスやカニバス香水も現実味を帯びてきている。
もしこの種の製品が出たら、もはやコスメや香水ではない、医薬品になると思うが、どう薬事法をクリアするか、そのへんもぬかりなく研究されているだろう。
大手さんが機能性フレグランスに向かう背景
フレグランスブランドは、なぜ機能性に突き進むのか?
それは香水やフレグランスの差別化が、もはやできない現状・実情が背景として大きい。
この業界に飽和感が漂っているというか・・
当社は?
当社には医療的分野での研究能力がないので、あくまで感性の香りを創り続けたい。
仮に、機能性フレグランスが普通になる時代が来るとすれば・・昭和から取り残された街の駄菓子屋さんのような感じか?
(もちろん、それまで生き残れているという前提だが)
駄菓子屋的ブランド?・・それもノスタルジーがあっていいだろう。
覚悟はできている。
・・以上、今日は「世界の香水は今後機能性に向かう」という香水業界のトレンドの話でした。
お客様コメント:
2022/05/08 (Sun) 18:28:36
・コメント
薬事法は廃止され,今は薬機法になってます.
・・・
あたくし
(国分) 撃沈。
“天気痛(気象病)向けフレグランス”をリリースして頂ければとお願い申し上げます。
一昨年から、いわゆる天気痛による頭痛とめまいに苦しむようになり、一度始まるとずっと身動きが取れず、自室でじっと寝たまま、収まるのを待つしかない有り様です。
あまりにも辛いので、最近ネットで調べたところ(薬に頼りたくないので)、ネロリやプチグレン(プチグレイン)がめまいを軽減してくれると知り、藁をもすがる思いで手持ちのプチグレンがメインの香水を付けてみたところ、スッと軽くなり、ゆっくりであれば動けるようになりました。
そこで、武蔵野ワークスさんに“プチグレンがメインの、めまい対策フレグランス”をお願いできればと思い付いた次第です。
また、自らを実験台にした個人的感想としまして、バニラやムスクが含まれる香りは却って逆効果だと感じました。
(国分) 「天気痛(気象病)フレグランス」は当社に開発できるだけの知見がないので「やりましょう!」とは言えませんが、実は私の偏頭痛も天候とリンクしやすく自分が実験台になれる点で、おもしろそうです。
(2022-05-08)
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