( 香水工場の )
香る生活
「機能性フレグランス」の未来はバラ色?
それとも焦燥感の裏返し?・・(2023/09/04)
( 『ウィメンズヘルス』の記事「更年期の症状にも効く? 機能性フレグランスとは」 )
今日はハースト婦人画報社の雑誌『ウィメンズヘルス』に掲載された
という記事を紹介して私が感じたことを書きたい。
米国の大手メディア、ハースト社『ウィメンズヘルス』は女性の心と健康をテーマにした世界的な婦人誌。
日本ではハースト婦人画報社がデジタル版のみ展開しているようです。
ところで「ハースト婦人画報社」は以前は「アシェット婦人画報社」でしたが、いつのまにか「ハースト」になちゃったんですね・・
婦人画報社といえば、歴史とクオリティにおいて日本における女性誌の押しも押されもせぬ存在、権威ある雑誌社さんですよね。
その『ウィメンズヘルス』の記事が今日のテーマ、もともとイギリス版ウィメンズヘルスの記事で、その日本語版で読ませてもらいました。
第二の脳といわれる腸が気分を調節するホルモンのセロトニンを分泌することや、サウンドバスやクジラの鳴き声にリラクゼーション効果があることは知っていても、香りにパワーがあることまでは知らない人も多いはず
「第二の脳といわれる腸」・・いきなり話題の話から読者をつかみます。
(近年、腸周辺が騒がしい~)
腸とくに大腸の重要性に関する記事は10年くらい前から盛り上がりを見せはじめた印象。
大腸で暮らす細菌フローラがカラダの免疫力に大きな役割を果たしているのではないか、睡眠に深く関わっているのではないか、幸せホルモンのセロトニンなどの分泌をコントロールしているのではないか・・
(睡眠や脳内ホルモンと大腸の間に本当に相関関係あるの?・・イメージしにくい・・が以前の気持ちだったが、あるかも・・が現在の印象)
一方で日本人に少なかった大腸ガンは今ではガンによる死因の1位もしくは2位というポジション、日本でも腸への関心は高まっている。
そんな読者の気持ちをガッツリつかんだ後「でも、香りも凄いパワーがあるんだよ~」という書き出しに「どれどれ、どんな内容かな~」と期待して読んだ。
脳内化学物質を詳しく分析
気分を魔法のようによくしてくれる香りのコンビネーションの特定に奮闘している
このような香りを放つ“機能性フレグランス”は、ポジティブな感情を増幅させて・・更年期の症状の改善を目的として使われることもある
うん?・・若干トーンダウン気味。
機能性フレグランスが中年女性の更年期の症状を緩和することも分かった。
とくにミモザは、複数のメカニズムを介して抗不安作用、抗うつ作用、記憶力強化作用を発揮することが判明。
エビデンスの解説が薄いし具体的な事例がない点が惜しい。
とくに「中年女性の更年期の症状を緩和」する実例に期待していたが・・
(ミモザの件は、当社にもミモザ香水があるのでよい話なのだが・・)
ミモザは効くかもしれないが、それを言えばローズも捨てがたい。
花の香りには血糖値や血圧を下げ、不安を取り除き、ポジティブな気持ちにさせてくれるものがある。
更年期症状に効くものもあるだろう。
念のため原文の元記事を見に行く:
Functional fragrance: Meet the perfumes proven to boost your mood
「機能性フレグランス:気分を高めてくれることが証明された香水に出会おう」
日本語訳よりも長い記事で具体的な商品紹介まであったが、更年期障害の部分は日本語訳と同じ内容で具体性はなかった。
実は数年前からフレグランス業界では「機能性フレグランス」(Functional fragrance)はよく語られるテーマ。
権威ある雑誌などでしばしば取り上げられるようになった。
つまりフレグランスや香水をたんに気持ちを上げる化粧品から、もっと機能がある・効能効果がある商品へ!というトレンドがフレグランス業界にある。
記事にあるジボダン(Givaudan)やシムライズ(Symrise)は世界的な香水原料メーカー、彼らの研究所では機能性フレグランスへの注力と先行投資が続いていることは周知の事実で「凄いフレグランス」への期待が高まっている。
しかし、世界に向けて発表するにはまだ具体的な実例が薄くて人々を説得できるレベルではないかもしれない・・が現状の私の印象。
世界のフレグランス需要は拡大傾向にあるが、成長の牽引力はアジア・南米・インド・中東。
しかし欧米ではやや閉塞感が漂っている印象をいだく。
私には、むしろ機能性フレグランスが現状の行き詰まり感や差別化ができない焦燥感の裏返しに見えてしかたない。
実際にパワフルな効能効果があるフレグランスが生まれたとすると、それは医薬品であってフレグランスではなくなるという矛盾があるが、それは第二のハードル。
まずは多くの人が体感できるような実例がないことには、いくら研究所でのエビデンスが積み上がっても、人々を説得できるステージに上がれない。
この分野を信じて強力に先行投資を推し進めるフレグランス業界の巨人達の勝敗はいかに?・・まだ何とも言いがたい。
※フレグランスと比較して植物の香り成分「精油」だと機能性に関するエビデンスは非常に多い。みなさんもご存じの・・●認知症に効果があるローズマリー、●脂肪燃焼を促進するグレープフルーツオイル、●ハゲに効く白檀オイル・・などなど。しかし、どうでしょうか?・・これらの効果を実際に体験した人を、みなさんも聞いたことがないのでは?・・なかなか奇蹟は起きにくい。
お客様コメント:
2023/09/28 (Thu) 19:48:31
沈丁花・金木犀が好きです
・コメント:
≫世界のフレグランス需要は拡大傾向にあるが、成長の牽引力はアジア・南米・インド・中東。
≫しかし欧米ではやや閉塞感が漂っている印象をいだく。
≫私には、むしろ機能性フレグランスが現状の行き詰まり感や差別化ができない焦燥感の裏返しに見えてしかたない。
機能性...。
確か、健康番組でローズリーなどを朝に嗅ぎ、夜はラベンダー・オレンジを嗅ぐと認知症予防になると、何年も前に言ってましたからね。
機能で香りを選んでいるわけではなく、手に届く値段かつ、思い出補正もあるので、ロボットや機械機能みたいな「スペック」の話をされてもなぁ...と思います。ロマンがありませんね。
アジアはそんなに香りに対して敏感でしょうか?
何年も前のダウニーから、香料過敏症・アレルギーの報道が出てから、一気にトーンダウンしてしまったと思います。
良くも悪くも、マスコミや声の大きな人達が、自分達に都合が良い様に舵取りをしている気がします。
日本の会社は、資生堂さんがついに香水事業(アメリカ産を除いて)を辞め、化粧品に絞るとかで作らなくなりました。
少女時代(2010年代)にはファンシーショップで500円~1000円で、目薬大の香水が売られていたものですから、安価で手に届きやすくないと、未来のお得意様になる『子供』は、香水に触れる経験がなくなり、業界が先細りするのかな?と感じます。
今で言うところの「街の本屋」を、郊外の大手「DVDレンタルショップ」が潰して行ったら、子供が漫画を買わなくなり、海賊版で済ませるので、本が売れなくなって、読書人口が減っているのと似ていますね...。
今、慌てて小売を増やす試みをしていると記事で読みました。
識字率や学力にも開きが出るだろうと、出ていました。
昔潰れてしまった香水屋で、武蔵野ワークさんを知り、その後取り扱いがなくなり、店自体もなくなって...。
今日久しぶりにリンクを追っていたら、辿り着きました。
またどこかで実際に香りを試せたら嬉しいです。
・・伊予柑
(国分) 「昔潰れてしまった香水屋」はどこだろう?・・当社の実店舗は新宿伊勢丹の旧「BPQC」という売り場でしか販売したことがないので、そこでしょうか? もう15年くらい前のこと、その頃からご愛用いただいたのかな?~長いお付き合いに感謝申し上げます。資生堂さんは香水をほぼ止められました、香水は先細りと判断されたのでしょう。しかし、逆に巨人が去った空白地帯を参入チャンスととらえ参入した新興ブランドさんが過去10年それなりにあり、中にはかなり大きな売上を立てている会社さんもあるようです。当社はもう27年やっていますが、相変わらず静かに運航中です
2023/09/05 (Tue) 16:43:20
機能性…ん~(笑)
・コメント:
『機能性フレグランス』…研究テーマとしては興味深いですが、個人的消費者目線では「ふ~ん?」という感じ(笑)
私にとってフレグランスは純粋に香りを楽しむためのもので、そこに機能的な何かを期待している訳ではなく…
たとえ『◯◯に効きますよ!』と言われても好みの香りでなかったら絶対に買わないだろうし…(^^;)
香りの効果は、忘れていた記憶を呼び覚ましてくれるだけで充分かな^_^
・・かぴ
(2023-09-04)
( 『ウィメンズヘルス』の記事「更年期の症状にも効く? 機能性フレグランスとは」 )
記事の紹介(大手雑誌さんから)
今日はハースト婦人画報社の雑誌『ウィメンズヘルス』に掲載された
という記事を紹介して私が感じたことを書きたい。
米国の大手メディア、ハースト社『ウィメンズヘルス』は女性の心と健康をテーマにした世界的な婦人誌。
日本ではハースト婦人画報社がデジタル版のみ展開しているようです。
ところで「ハースト婦人画報社」は以前は「アシェット婦人画報社」でしたが、いつのまにか「ハースト」になちゃったんですね・・
婦人画報社といえば、歴史とクオリティにおいて日本における女性誌の押しも押されもせぬ存在、権威ある雑誌社さんですよね。
その『ウィメンズヘルス』の記事が今日のテーマ、もともとイギリス版ウィメンズヘルスの記事で、その日本語版で読ませてもらいました。
腸パワーと香りパワー
第二の脳といわれる腸が気分を調節するホルモンのセロトニンを分泌することや、サウンドバスやクジラの鳴き声にリラクゼーション効果があることは知っていても、香りにパワーがあることまでは知らない人も多いはず
「第二の脳といわれる腸」・・いきなり話題の話から読者をつかみます。
(近年、腸周辺が騒がしい~)
腸とくに大腸の重要性に関する記事は10年くらい前から盛り上がりを見せはじめた印象。
大腸で暮らす細菌フローラがカラダの免疫力に大きな役割を果たしているのではないか、睡眠に深く関わっているのではないか、幸せホルモンのセロトニンなどの分泌をコントロールしているのではないか・・
(睡眠や脳内ホルモンと大腸の間に本当に相関関係あるの?・・イメージしにくい・・が以前の気持ちだったが、あるかも・・が現在の印象)
一方で日本人に少なかった大腸ガンは今ではガンによる死因の1位もしくは2位というポジション、日本でも腸への関心は高まっている。
そんな読者の気持ちをガッツリつかんだ後「でも、香りも凄いパワーがあるんだよ~」という書き出しに「どれどれ、どんな内容かな~」と期待して読んだ。
更年期障害にミモザの香りが効く?
脳内化学物質を詳しく分析
気分を魔法のようによくしてくれる香りのコンビネーションの特定に奮闘している
このような香りを放つ“機能性フレグランス”は、ポジティブな感情を増幅させて・・更年期の症状の改善を目的として使われることもある
うん?・・若干トーンダウン気味。
機能性フレグランスが中年女性の更年期の症状を緩和することも分かった。
とくにミモザは、複数のメカニズムを介して抗不安作用、抗うつ作用、記憶力強化作用を発揮することが判明。
エビデンスの解説が薄いし具体的な事例がない点が惜しい。
とくに「中年女性の更年期の症状を緩和」する実例に期待していたが・・
(ミモザの件は、当社にもミモザ香水があるのでよい話なのだが・・)
ミモザは効くかもしれないが、それを言えばローズも捨てがたい。
花の香りには血糖値や血圧を下げ、不安を取り除き、ポジティブな気持ちにさせてくれるものがある。
更年期症状に効くものもあるだろう。
念のため原文の元記事を見に行く:
Functional fragrance: Meet the perfumes proven to boost your mood
「機能性フレグランス:気分を高めてくれることが証明された香水に出会おう」
日本語訳よりも長い記事で具体的な商品紹介まであったが、更年期障害の部分は日本語訳と同じ内容で具体性はなかった。
“機能性”はフレグランス業界のトレンド
実は数年前からフレグランス業界では「機能性フレグランス」(Functional fragrance)はよく語られるテーマ。
権威ある雑誌などでしばしば取り上げられるようになった。
つまりフレグランスや香水をたんに気持ちを上げる化粧品から、もっと機能がある・効能効果がある商品へ!というトレンドがフレグランス業界にある。
記事にあるジボダン(Givaudan)やシムライズ(Symrise)は世界的な香水原料メーカー、彼らの研究所では機能性フレグランスへの注力と先行投資が続いていることは周知の事実で「凄いフレグランス」への期待が高まっている。
しかし、世界に向けて発表するにはまだ具体的な実例が薄くて人々を説得できるレベルではないかもしれない・・が現状の私の印象。
トレンドの裏側
世界のフレグランス需要は拡大傾向にあるが、成長の牽引力はアジア・南米・インド・中東。
しかし欧米ではやや閉塞感が漂っている印象をいだく。
私には、むしろ機能性フレグランスが現状の行き詰まり感や差別化ができない焦燥感の裏返しに見えてしかたない。
実際にパワフルな効能効果があるフレグランスが生まれたとすると、それは医薬品であってフレグランスではなくなるという矛盾があるが、それは第二のハードル。
まずは多くの人が体感できるような実例がないことには、いくら研究所でのエビデンスが積み上がっても、人々を説得できるステージに上がれない。
この分野を信じて強力に先行投資を推し進めるフレグランス業界の巨人達の勝敗はいかに?・・まだ何とも言いがたい。
※フレグランスと比較して植物の香り成分「精油」だと機能性に関するエビデンスは非常に多い。みなさんもご存じの・・●認知症に効果があるローズマリー、●脂肪燃焼を促進するグレープフルーツオイル、●ハゲに効く白檀オイル・・などなど。しかし、どうでしょうか?・・これらの効果を実際に体験した人を、みなさんも聞いたことがないのでは?・・なかなか奇蹟は起きにくい。
お客様コメント:
2023/09/28 (Thu) 19:48:31
沈丁花・金木犀が好きです
・コメント:
≫世界のフレグランス需要は拡大傾向にあるが、成長の牽引力はアジア・南米・インド・中東。
≫しかし欧米ではやや閉塞感が漂っている印象をいだく。
≫私には、むしろ機能性フレグランスが現状の行き詰まり感や差別化ができない焦燥感の裏返しに見えてしかたない。
機能性...。
確か、健康番組でローズリーなどを朝に嗅ぎ、夜はラベンダー・オレンジを嗅ぐと認知症予防になると、何年も前に言ってましたからね。
機能で香りを選んでいるわけではなく、手に届く値段かつ、思い出補正もあるので、ロボットや機械機能みたいな「スペック」の話をされてもなぁ...と思います。ロマンがありませんね。
アジアはそんなに香りに対して敏感でしょうか?
何年も前のダウニーから、香料過敏症・アレルギーの報道が出てから、一気にトーンダウンしてしまったと思います。
良くも悪くも、マスコミや声の大きな人達が、自分達に都合が良い様に舵取りをしている気がします。
日本の会社は、資生堂さんがついに香水事業(アメリカ産を除いて)を辞め、化粧品に絞るとかで作らなくなりました。
少女時代(2010年代)にはファンシーショップで500円~1000円で、目薬大の香水が売られていたものですから、安価で手に届きやすくないと、未来のお得意様になる『子供』は、香水に触れる経験がなくなり、業界が先細りするのかな?と感じます。
今で言うところの「街の本屋」を、郊外の大手「DVDレンタルショップ」が潰して行ったら、子供が漫画を買わなくなり、海賊版で済ませるので、本が売れなくなって、読書人口が減っているのと似ていますね...。
今、慌てて小売を増やす試みをしていると記事で読みました。
識字率や学力にも開きが出るだろうと、出ていました。
昔潰れてしまった香水屋で、武蔵野ワークさんを知り、その後取り扱いがなくなり、店自体もなくなって...。
今日久しぶりにリンクを追っていたら、辿り着きました。
またどこかで実際に香りを試せたら嬉しいです。
・・伊予柑
(国分) 「昔潰れてしまった香水屋」はどこだろう?・・当社の実店舗は新宿伊勢丹の旧「BPQC」という売り場でしか販売したことがないので、そこでしょうか? もう15年くらい前のこと、その頃からご愛用いただいたのかな?~長いお付き合いに感謝申し上げます。資生堂さんは香水をほぼ止められました、香水は先細りと判断されたのでしょう。しかし、逆に巨人が去った空白地帯を参入チャンスととらえ参入した新興ブランドさんが過去10年それなりにあり、中にはかなり大きな売上を立てている会社さんもあるようです。当社はもう27年やっていますが、相変わらず静かに運航中です
2023/09/05 (Tue) 16:43:20
機能性…ん~(笑)
・コメント:
『機能性フレグランス』…研究テーマとしては興味深いですが、個人的消費者目線では「ふ~ん?」という感じ(笑)
私にとってフレグランスは純粋に香りを楽しむためのもので、そこに機能的な何かを期待している訳ではなく…
たとえ『◯◯に効きますよ!』と言われても好みの香りでなかったら絶対に買わないだろうし…(^^;)
香りの効果は、忘れていた記憶を呼び覚ましてくれるだけで充分かな^_^
・・かぴ
(2023-09-04)
< 在庫切れが少々発生中・・ || ボンセントオイル、軸なので心配ですか? >
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