( 香水工場の )
香る生活
香水ビジネス1、スター香水
スター香水のニュース
ナオミ・キャンベルさんの香水が、ドイツの香水賞(「Duftstars 2006」の「フレグランス・スター・セレブリティ部門」)を受賞というニュースや、大手化粧品会社エリザベス・アーデンが、マライア・キャリーの香水を来年発売するというニュースが流れてきました。
J. Lo(ジェイロー)の香水が大ヒットして以来、スター香水は、ラッシュ状態です。
※「芸能人香水」と呼ぶとどうも「芸能人御用達香水」を指すような印象ですので、ここでは「スター香水」と呼ばせていただきます。「セレブ香水」または「セレブリティ香水」でもいいのかもしれません。
具体的な関わり方
スター香水は、ほとんどの場合、スターが「プロデュースした」と表現されています。
プロデュースの意味は、スター本人が香水コンセプトを作り(話し)、実際の開発と製造は、大手の化粧品会社や香料会社さんが行い、製品の出来映えをスターが監修するというケースが多いようです。
香水コンセプトへの思い入れや製品開発への関わり具合はスターによって個人差がかない大きい模様です。
スター香水
過去数年の有名なスター香水をちょっとリストアップしてみましょう。
- マライア・キャリー(米国 エリザベス・アーデン社)
- ジェニファー・ロペス(フランス Coty社)『グロウ』『スティル』『マイアミ グロウ』
- デビッド・ベッカム(フランス Coty社)『インスティンクト』
- ナオミ・キャンベル(フランス Coty社)『ナオミ・キャンベル』『サンセット』『ミステリー』
- ブリトニー・スピアーズ(米国 エリザベス・アーデン社)『キュリアス』
- マリア・シャラポワ(米国 パルロックス・フレグラン社)『マリア・シャラポワ』
- パリス・ヒルトン(米国 パルロックス・フレグラン社)『パリス』
- セリーヌ・ディオン(フランス Coty社)『セリーヌ・ディオン』
- サラ・ジャシカ・パーカー(フランス Coty社)『ラヴリー』
こうやってみるとコティ社とエリザベス・アーデン社がスター香水には熱心のようですね。
忘れていけないのが、アラン・ドロンの「サムライ」ですね。
ほとんどのスター香水がスターがプロデュースした香水であることに対して、ドロン氏の場合は往年の大スターらしく「サムライ」開発のための会社を別途興されている模様です。
日本でのスター香水事例
日本でも芸能人の方が香水をプロデュースする例は多数あります。
当社もやらせてもらうこともあり、同じく香水を開発製造する同業他社の方々に聞いてもそれなりの案件があります。しかし、米国やヨーロッパとは明確に違う点があります。
それは、そもそも日本市場では極端に香水需要が薄く、西洋スターのようなビジネススタイルの香水リリースは厳しいということです。
香水やフレグランスを日本のスターが出しても、その開発費用や販売費用に見合うだけの売上げが見込めないのは日本の大手化粧品メーカーが香水に手を出さない実状からも察せられます。
日本のスター香水事情は、限られた特定ファン向けなど小さなマーケットに特化するため、ニュースにもならなし店頭にも並びにくいのはこのような事情からです。
スター香水、芸能ネタ
最後に芸能ネタ。上記のスターのうち、ブリトニーとパリス・ヒルトンのアイドル対決は、アメリカではマスコミの絶好の記事ネタです。
ブリトニーが自分の香水『Curios』を出すとヒルトンホテルのわがまま(というふれ込みの売り方で人気の)令嬢パリス・ヒルトンは『Paris』で対抗。結果はCuriosが圧勝。
業界関係者からは「ブリトニーは有名ブランドのエリザベス・アーデンに作らせているのに、パリスはParlux、やや中堅どころのメーカーを選んだ」と。
Parluxは香水業界では、それなりに有名です。この指摘は香水業界人は同調しないかも。
(2006-09-16)
< 調香師という便利なコトバ || 香水「彼岸花」、今年は不発 >
search