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( 香水工場の )

香る生活


ダマスクローズのバラ茶(ローズティ)
バラの季節が近づいてきました。世界のバラ産地ではそろそろ摘み取りの準備が始められ、バラ農家にとってネコの手も借りたいシーズン前夜です。

ブルガリア「バラの谷」のバラ栽培農家ではこの季節、香りがこもる夜明け前(精油の量が最大限になる時間帯)に家族、季節労働者も交えて総出でバラ畑に繰り出します。

ブルガリア「バラの谷」の場合、バラ農家は兼業農家も多いということなので普段は街で働いているおとうさんたちも都会から田舎に戻ってきてバラ摘みに精を出します。

人々が帰郷し季節労働者が集まり、大がかりなバラのつみ取りと大きな収穫、そして火が入れられた蒸留所から沸き出す水蒸気、地域中がローズの香りに包まれるこれからの一ヶ月間は「バラの谷」と、カザンラクなど周辺の町々に一年で最も熱い熱気と活気が宿る季節です。

この時期の「バラの谷」は観光客はお呼びでないかもしれませんが、その活気を味わいたく行ってみたい季節です。

もっとも収穫が終わる頃には国際フォークダンス・フェスティバルの様相を帯びる「ローズフェスティバル(バラ祭)」が開催されますので、これは超お呼びです(カザンラクのバラ祭は1903年からと歴史があり世界中から観光客を集める一大イベント)。

ところで、数日前知人に「バラ茶」(ダマスク ローズティ)をいただきました。中国四川省産。中国の内陸部、特に山岳地帯ではバラ栽培が盛んになりつつあります。今年の早摘みバラを乾燥させてお茶にしたローズティです。

花びらは紫色に変色していますが、お湯を注いでしばらくすると、ふんわりと透き通るようなピンク色の花びらが優雅に拡がります。

ダマスクローズ バラ茶

味は好き嫌いがあるかもしれませんが、香りの高さと見た目の楽しさは豪華です。私には、有閑階級になったようでちょっと「お金持ち気分」です。

バラの精油には胃腸・肝臓の壮健作用と、胃袋に常駐し胃潰瘍などを引き起こすピロリ菌の殺菌作用が知られています。

ピロリ菌はかなり強い抗生物質でないと殺せないため厄介な菌(強い抗生物質には強い副作用が伴います)です。

これがバラで殺せるなら健康食品としても需要があるのではないかと考え、バラの花を愛でるお茶よりは「粉末にして全部食べてもらうお茶」にした方が胃腸・肝臓の壮健効果や対ピロリ菌対策としては有効でないかと提案したところ、その場にいたすべての人に反対されました。

蕾加減のダマスクローズが、ピンクの花びらを優雅に拡げる姿にこそ価値があるそうです。「バラ粉末茶」案はあっさり却下されました。



(2007-04-18)
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