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( 香水工場の )

香る生活


『VANストーリーズ』#2
現在の大阪・アメリカ村で創業した石津商店(後のヴァンヂャケット)は、次第に高級服路線に移行しVANブランド立ち上げとなります。

東京進出後、「男の服飾読本」(後の「メンズクラブ」)の評論と編集顧問となり、メンズファッションのオピニオンリーダーとしてのし上がりますが、同時にVANが権威あるマスコミに裏打ちされたブランドとして地位を固める結果となります。

また、偶然ながら戦争中に知り合った歌舞伎俳優との再会を契機に芸能界へと販路を拡げます。

VANブランドは芸能界やスターたちにも浸透。まだまだお洒落なメンズファッションが少なかったことから有名人や芸能人たちのお気に入りのカジュアルブランドとして受け入れられました。

VANは当時、裕福なシニア向けの高級紳士服であり庶民や若者には手の届かないものでした。


VANブランドを貫くバックボーンは、アイビーリーグ・ファッションであり、米国東部の名門大学の雰囲気や思想なのです。

しかし、初期のVANブランドはアイビーを全面に押し出していたわけでなく、石津さん自身、アイビーリーグをよく知らなかった。際本場米国でアイビーリーグ・ファッションに触れるのは昭和34年。はじめて渡米したときとのこと。

しかし、生来のファッションへの情熱と才能に恵まれた石津さんがアイビーリーグ・ファッションのなんたるかを理解・吸収するまで時間はかかりませんでした。

渡米の翌年、VANは若者向けファッションへと大きく舵を切ります。「VANにとって大きなターニング・ポイントとなった」と書かれています。

石津さんはやがて「アイビーの神様」「ファッションの神様」となりVANは不動のブランドへと成長します。

このように急成長した巨人VANが、アパレル界では戦後最大といわれる巨額の負債をかかえて倒産するまで、その変貌の仕方はジェットコースターのようです。

(続く・・・)

『VANストーリーズ』#3
『VANストーリーズ』#2
『VANストーリーズ』#1

(2007-12-25)
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