( 香水工場の )
香る生活
香水の楽しみ方、コレクター派 vs 実用派
香水コレクターからの投書
お客様よりいただいたメールです。
「元々香水が大好きで、タンス一杯ほど持っておりました。それでも好きで使うものは片手で足りるほどでした。
苦労して手に入れたはずの香水が変色しているのを見つけた時、砂を噛むような虚しさを覚えると同時に、ただ仕舞い込まれてきた香水が可哀想で、申し訳ない気持ちで一杯になりました。
それ以降、コレクション的に買うことはやめたのです」
自動車コレクター
世の中には様々なコレクターがいます。
親戚に車道楽がいて、滅多に乗りもしない古い車を何台か所有しています。時々エンジン吹かして悦に浸ります。
奥さんはそれらを廃車しようとタイミングをうかがっている緊張感のあるご家庭ですが、旦那の心境としては、古い名車を所有することに喜びと満足感があるようです。
名車への強烈な物欲、探す喜び、手に入れる喜び、所有する喜び、そして高額に売りさばく喜び、そしてそのお金でさらによいものを追い求める野心。
コレクター魂に火がつくと大変です。
コレクションしたくなる気持ち
香水の場合、生活消耗品の中で容器やパッケージにこれほど洗練されたものは他にそれほど多くないというほど、世界のブランドさんの香水ボトルや装飾・パッケージは半端ではありません。
ボトルデザインだけでも専門の容器デザイナーや芸術家を投入するくらいですから、ボトルや容器を見ただけで衝動買いの消費者が多いことも特徴になっています。
そんなことから香水コレクターが生まれるのは自然な成り行きかもしれません。
香水は、それ自体が夢がある商品です。しかも、そんな美しい姿なのでお部屋の棚に飾るのも楽しいと思います。
人の趣味、それぞれ
メールを送ってくれた方はコレクターから実用派への移行を決意されているようです。
香水メーカーの私の立場から言えば、コレクションいただくよりもご使用いただきたいというのが本音です。
中身は生物(なまもの)で変色したり劣化したりする可能性がありますので長年のコレクションに向く品物とは言い難い。
しかし、コレクションを否定するものではありません。人には集める喜び、所有する満足感って確かにあると思います。
楽しみ方、それぞれですね。
(2008-01-07)
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