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( 香水工場の )

香る生活


国外発送、スパゲティ状態の付加価値税
当社は1年前まで海外からの注文も受けていましたが、問題があり休止しました。国内発送と海外発送では、注文の処理負担がかなり違います。

受注して発送するまでの作業に要する労力は、単純な時間比較なら海外発送は、国内注文の10倍以上。受注・発送のシステムが整備されていないためですが、経営的な観点からすればもちろん赤字です。

しかし、このグローバル化の時代に国内だけしか相手しないヨ、という頑な態度もやがて行き詰まるでしょうし、海外へのルートは細くとも維持したいと考えています。

休止に追い込まれた第一の原因は「消費税」でした。消費税の趣旨は、日本国内で消費されるモノやコト(サービス)に対して課税されることですので、国外に持ち出されて海外で使用される予定のモノや輸出されるモノは、厳密に言えば消費税の課税は妥当ではありません。

しかし、国内価格と国外価格は簡単な計算式でリンクできるにしても、販売システムや経理処理を2重価格を扱える仕組みに変更することはそれなりの投資が必要になります。

それを嫌いこの辺を手作業で調整すると大きな負担となります。多くのショップさんが海外からの注文も国内消費同様に消費税分を加算したまま販売というケースが多いのはこのためではないでしょうか。

その5%は、消費税ではなく「海外発送手数料」や「国外発送手数料」という考え方をされている方もおられそうです。もともとの価格に5%分が付加された値段でも、それを承知で海外から購入されるお客様も多いのは事実です。

街では、一般商店が外国人観光客におみやげを販売するからといって免税ということはありません。外国人でも日本国内で消費される可能性は高いでしょうし、未使用のまま持ち帰るという保証はないので、実質的に「課税すべきか」「非課税にすべきか」物理的に判断できないのが実状です。

外国人が自国に持ち帰ることを前提にお店で商品を買えば、税関などにて消費税分を払い戻してもらえる申告制度(払い戻し制度、Refund、リファウンド)は世界的に普及し始めています。が、購入者が自分で申告するというのも不便な話かもしれません。

ヨーロッパのVAT(付加価値税=日本の消費税に相当するもの)は約20%。仮に10万円の商品を購入したら2万円のVATがついてくるわけで、これを払い戻しをしてもらえるかどうかは、庶民には切実な問題ですよね。

制度自体を知らなかったり書類や手続きに不備があったりしてリファウンドしてもらえず泣き寝入りしている不憫な体験者もあなたの周囲にもおられるかもしれません。


ということで、海外発送はこの消費税分をなくした定価を設定しないと再開できないと考えていましたが、なんとか技術的な目処がたちましたので、来月から細々と再開を予定しています。

なお、海外発送は消費税分(5%)が非課税になるものの、送料が割高で、現地での消費税相当分が課税される可能性があります。

課税は通関の際に様々な呼び名の税金(Duty、Tax、VAT)で徴収される場合もありますし、それ以外に「通関手数料」という名目の手数料が発生する場合があります。発生しないかもしれません。

米国のセールスタックス(日本の消費税に相当するもの)場合、その課税率や内容は州ごとだけでなく、地域ごとにも微妙に変化する模様です(さすがに地方分権が確立しているお国柄ですね)。

セールスタックスには非課税品目(食料品など)が設けられていたり、課税対象最低金額(110ドル以下は非課税?)があったりしてお送りした商品がその地域にて課税されるかどうか、課税されると何パーセントなのか、そして、どのように徴収される(配達時、年末税申告など)のか配送先の国と地域とその時の税法に依存します。

米国セールスタックスは、そもそも日本の消費税と考え方が違って「消費することに対する課税」でなく「商業活動することに対する課税」だそうです。

ということは、輸入商品には課税されないのが建前のようで、実際、個人で使用する商品の輸入品には課税されないという心温まる話も聞きますが、州によっては消費税のように課税されるとも聞きます。カリフォルニアでは「数年前の税法改正で課税されるようになった」というメールもいただいて、本当によくわかりません。

課税されるかどうかは、EMS(国際スピード郵便)や国際宅配便の配送業者(DHL、FeDex、UPS)によって違ったり、税関の担当者によっても違ったりして・・・なんて考えたくなります。

(以上は、コンシューマー向け商品に関する話です。ビジネス用商材の輸出入に関しては全世界比較的きっちり課税されています。念のために)

(2008-02-17)
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