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( 香水工場の )

香る生活


ヨーロッパの香り
お客さまよりいただいたメールです。用件の下の方にちょっとだけ個人的な体験がついていました。

「数年前のコモ湖周遊の時に、湖畔に立つベルサーチの別荘のアプローチに、たまたまその日屋敷を訪れることになっていたマドンナを迎えるために沢山のキャンドルがたかれ、少し離れて通りかかった我々の船まで柑橘系の爽やかな香りが漂ってきたのには心底感動しました!」

コモ湖とはイタリア北部、スイスと国境を接する山岳地帯にある湖です。湖畔にはヨーロッパ王侯貴族の館が並ぶヨーロッパでも有名な避暑地です。日本と比較するとあちらは階級意識が強く、また庶民とお金持ちの貧富の差は現実に相当大きいですので、社会的な階級が違えば「とっても別世界」な世界ですよね。

コモ湖は日本で言えば、戦前の箱根あたりに相当するかもしれません。そんなコモ湖を周遊した彼女が偶然出会った光景は、ヴェルサーチ家のパーティらしいのですが、キャンドルと湖面に漂う香りってのは豪華です。

ジャンニ・ヴェルサーチ。イタリアのファッションデザイナー。ウイッキさんによるとジャンフランコ・フェレとジョルジオ・アルマーニとともにミラノモードの"3G"と呼ばれているそうです。

「3G」は日本で言えば、ケータイのことですが、あちらではミラノ・ブランドの巨匠さん達をさすようですネ。余談です。

残念ながらジャンニ・ヴェルサーチは、故あって1997年銃弾を受けお亡くなりになりました。その後ヴェルサーチブランドは、妹さんによって引き継がれました。そんなお屋敷でのパーティ。

ヨーロッパでは富と権力の象徴として香りを効果的に用いる風習があります。それは世界中で観察されることであり、世界の宗教(昔の宗教は政治や権力と一体)を見れば間違いないことですが、特にヨーロッパでは宗教を離れても上流階級の方々は香りに嗜好を示し、またイベントに香りや香り物・香りの演出を取り入れる方が少なくないようです。

それはクレオパトラ伝説が語る女王クレオパトラさん以来の伝統かもしれません。クレオパトラ伝説とは、彼女がカエサルやアントニウスを迎えるとき床にバラの花びらを敷き詰め、バラ風呂に入り、彼女が乗る船はバラや百合で香り付けがしてあり、数キロ先からも「クレオパトラの船が来た」とわかるという例の伝説です。

クレオパトラ伝説は、話が膨らんでいる可能性が大ですが、お客さまからのメールを一読して、私もヨーロッパのセレブな世界のセレブな光景に浸りました。ヨーロッパのお金持ちのみなさんは優雅ですね。


(2008-04-11)
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