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( 香水工場の )

香る生活


香りで記憶のフラッシュバック、プルースト効果

匂い・香りの持つ特殊は記憶再現効果


香りと記憶に密接な関係があることは何度か書いてきました。それに関する話題もインターネットでは豊富に出回っています。香りで突然過去の記憶が鮮明に蘇る作用を心理学では「プルースト効果」と呼びます。

私的には日本語では「プルースト現象」がしっくりくるのですが、おそらく「Proust Effect」をそのまま直訳した結果「プルースト効果」が流通するようになったのかも。


小説から命名された心理学用語


プルースト効果とは、フランスの文豪マルセル・プルースト氏の著作『失われた時を求めて』から命名されました。私は残念ながら読んだことがありません。何でもかなりの長編らしいです。

フランス文学は難解ですのでなかなか手が出しにくいです。テグジュペリの『夜間飛行』は、この本がテーマとなった同名の香水もあるくらいで香水関係の仕事人には必読の書なのですが、途中で放置されたまま。

読んでいないモノはwikiさんの相談。『失われた時を求めて』から引用します。

--- quote(引用) ---

「物語は、ふと口にした紅茶に浸したマドレーヌの味から、幼少期に家族そろって夏の休暇を過ごしたコンブレーの町全体が自らのうちに蘇ってくる、という記憶を契機に・・・」

--- quote end(引用ここまで) ---


香りでフラッシュバック:リアリティのある記憶


「マドレーヌの味」と書いてありますが、事実上マドレーヌの「香り」「匂い」から呼び覚まされた記憶がビジュアルにフラッシュバックされる様子が伝わってきます。

コンブレーの町の様子が、まるでそこにいるかのようなリアリティを伴って再現される点が通常の記憶(言語や情報としての記憶)との違いです。

この現象は多くの人が人生で何度か体験している感覚で、記憶自体に感情が伴う点が生々しいんですよね。フラッシュバックのメカニズムは嗅覚や脳科学的には不明なことだらけです。


香水と恋人、香りで蘇るあの頃


さて本題です。香りにプルースト効果があるのなら、それを利用しよという人がいてもおかしくないと思います。

たとえば、恋愛。付き合う恋人ごとに香水やフレグランスを変えるのは、あるいは、グッドなアイデアかもしれません。

恋愛モードでは感情は特別な状態にあり「あのころのときめき」を映像や文章で記録することはいまいち不可能ですが、香りなら脳内に「生々しく記憶」されます。

問題は、プルースト効果を発揮させる意図的な手法がないことです。ひょっとしたら脳内には記録されていてもその再現方法がない、ということも十分にありでしょう。

かなり不確定性な要素だらけですが、お付き合いする恋人や入学した学校や勤務している職場、あるいは海外旅行や出張、取り組んでいるプロジェクトごとに香水を変えてみるのは、あとあとおもしろい思い出になるかもしれません。


スペシャルイベントで使い分ける香水のススメ


先日、「香水のつけ方」の動画を探していたらこんなビデオを見つけました。

How To Apply Perfume(香水のつけ)

ステップ1〜ステップ7まであって、異論もあるでしょうが、おもしろいと思ったのが、ステップ7。


特別なオケイジョンには特別な香水・フレグランス


Step 7: Pick a new scent
「ステップ7:新しい香りを試せ」

Pick a new scent for a very special occasion or for a vacation, and wear it only during that time. Later, when you smell the perfume, your brain will associate it with the event, and you’ll be flooded with memories.

「特別なイベントや旅行では、その期間だけ限定の香水やフレグランスを使用してみましょう。後日、その香りをかぐと、その時の特別な感情が、もう洪水のように蘇るでしょう」

あなたの成功を祈ります・・・ってな感じ文章ですね。で動画の方は、お色気モードに入っておりました。トレビアンですね。


(2010-06-11)
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