( 香水工場の )
香る生活
香りのニュービジネス#3(ネットと香りモノの相性)
ネットで香水販売を試みる
制作した香水は、当時流行し始めたばかりの「ホームページ」で販売を試みました。1996年当時サイト自体まだやや珍しく、まして香水をネットで販売した企業としては日本では最も初期の会社です。
ガールズウォーカー香水事件
他社さんのお話ですが、2001年「ガールズウォーカー」というサイトにて高級ブランド香水が爆発的に売れる「事件」が発生して香水業界の関係者を驚かせました。
香水業界だけでなく「手にとって確かめて買いたい商品はネットでは売れない」という当時の「常識」を疑わなかったすべての業界の関係者を驚愕させるものでした。
この事件はブランドがすでに確立されている商品なら「ネットでも香水が売れる!しかも爆発的に」という教訓を残しました。
未確立ブランドの試練
反面、ブランドが未確立で認知されていない商材はインターネットとの相性は最悪です。数時間で数千本売れた高級ブランド香水と、当時一日一本行くか行かないかの当社製品ではその教訓はあまりにも切実な体験でした。
無名ブランドで、しかも手にとって確認できない香りモノをネットで販売することは依然厳しいものがあります。
それでも生き残れる背景が
しかし「まったくダメ」でないという事実が重要です。創業当時、サイトへのアクセスログを見れば千人の訪問者に対して一人程度の割合でご購入いただいていました。ユニークユーザー(*2)に対するコンバージョンレート(*3)は0.1%ということになります。
もし路面店で入店されたお客様の購入率が0.1%なら店舗運営は厳しいでしょう。しかし、ネットでの店舗経営は非常に安価に行えます。
しかも地理的制約が存在しないため潜在顧客は全国規模というか全世界ですね。0.1%でもビジネス的な可能性があります。いわゆるロングテールと同じ考え方です。
(*2)ユニークユーザー:Webサイト用語。一定期間におけるユニークな訪問人数。複数回訪問した人も「1人」と数える。アクセス数を表現する用語として他にビジット(延べ訪問数)やページビューがある。
(*3)コンバージョンレート:Webサイト用語。訪問者数に対する商品購入や会員登録など実アクションが発生した割合。
(続く・・・)
->この記事は、#3
香りのニュービジネス#4(ニッチ市場)
香りのニュービジネス#3(ネットと香りモノの相性)
香りのニュービジネス#2(日本の香水市場と創業)
香りのニュービジネス#1(背景)
(2011-02-26)
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