( 香水工場の )
香る生活
香水小説大賞終わる、審査の裏事情
(2012/12/02)
「香水小説大賞」・・・受賞作品を発表して無事閉幕しました(2012/12/01)
今年は「香水小説大賞」なる企画を実行しました。いかんせん香水屋さん。香水バカに文学賞のような企画がやれるのか、と危惧したのですが、外部ライターさんの協力や関係者の努力でなんとか乗り切りれました。
当初の目標は応募数500でしたが、4月にはじめて毎月100作品くらいの応募がありましたので、7月くらいには「とりあえず目標数にはなり」そうという感触がありました。
締め切り日は10月1日でした。本当はわかりやすい9月30日にしたかったのですが、翌日が日本フレグランス協会が設定した「香水の日」ということもあって、一般的でない締め切り日ですが、月初が最終日となりました。
毎月100作品で安定して応募いただいたのですが、9月の下旬はラッシュ状態で、とくに最終日は一晩で300作品のご応募。
結果的に1,200作品のご応募をいただきました。わずか一晩で全応募数の4分の1が、最終日に集中したことになります。ちょっと印象的でしたね。
10月1日をもってきっちり締め切りました。システムからの応募なのでシステムを止めれば応募できなくなります。
もしシステムをそのまま解放していれば10月2日もそれなりにあったかも。
フランスからご応募いただいた方には「時差がなければまだ間に合った」とご指摘を受け、反省の一つとなっています。
(そこまでしなくても・・・)
下読みは8月以前から始まっていたのですが、本格化したのは9月。そして、10月は怒濤の下読みです。
下読みとは、第一段階の読み合わせで優秀な作品を選ぶと言うより、規格外の作品(字数が極端に制限をはずれるものやポエムなど小説とは言えないもの)や、一般読者にとってあまりおもしろくないものや、香水小説というテーマにあまりにもかけ離れている作品を落としていく作業です。
外部のライターさんにも入っていただき全作品が最低2人以上の審査員によって読まれました。審査員の1人として参加した私は「スクリーニング」という言葉を使用していました。
この段階で落ちると次に進めないので、責任を感じつつ読み進めましたが、困ったことは、難解でわかりにくい作品。
たんにわからないだけなら「一般人には一読でわからない」という理由で落選ですが、「なんかありそうだ」という作品。「自分の読解力不足で、もしや名作を落とそうとしていないか」と思うと腕を組むことになります。
審査中、私の脳裏によぎるものは・・・なんと、カンヌライオンズ(カンヌ広告祭)にエントリーした当社の動画「スイセン」。
「スイセン」は、スクリーニングの段階で落選したと推測されますが、「チクショウー、あいつら、ウチの作品、ちゃんと見てくれたんだろうな!」と思うのは、人情ですよね。
こうやって下読みを通過したものが第2次選考、そして最終選考に入っていくのですが、この課程で作品はデスクの厳しい審査を受けます。
こちらも外部から審査員として参加いただいているプロの方です。大手新聞社で長年編集デスクを経験されているだけに目の付け所も端的でズバリでした。
物書きのプロの評価は、正直、厳しかったですね。
思うのですが、もしこの香水小説大賞が、純粋な文学賞なら、選考結果も少し違ったものなったかもしれません。
テーマは香水。最低でも香りはストーリーの中に扱われるべきですし、企業が、香水や香水文化の普及を目標としたイベントですので、まるで香水や香りが扱われていない作品は選べないという事情は察していただけると思います。
そして、案外、香水や香りに無関係、あるいは関係が希薄すぎる作品もそれなりにあってよい作品なのに落選していくものも残念な気持ちで見守っておりました。
そして、ついに11月30日、受賞作品の発表となりました。
Webだけのささやなか発表となりました。
一応プレスリリースも打ちます。
そして、応募いただいた方全員に結果をお伝えするメールを配信しました。
そうそう、レッドカーペット式の「授賞式」はできませんでしたが、運良くプロのアナウンサーに「朗読」してもらった音声ファイルも公開できました。
音声ってどうよ、と思われるかもしれません。
目で読む方が明らかに速く読めますが、聴いてみてください。耳から入ってくる小説ってのも味わいあるんですよね。目で読むのとはまた別の作品に感じられます。
最後に、審査委員たちの一言コメントからあるコメントを紹介してこの記事を終えたいと思います。
ご応募いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
「誰にでも香りの思い出は、一つか二つあってその気になれば小説に仕上げることができることを知りました。審査を終えて、応募者の方々と香りの体験をシェアした気分です。すばらしい体験ができたことに感謝しております」
(2012-12-02)
「香水小説大賞」・・・受賞作品を発表して無事閉幕しました(2012/12/01)
香水小説大賞レビュー
今年は「香水小説大賞」なる企画を実行しました。いかんせん香水屋さん。香水バカに文学賞のような企画がやれるのか、と危惧したのですが、外部ライターさんの協力や関係者の努力でなんとか乗り切りれました。
目標を上回る1200作品のご応募
当初の目標は応募数500でしたが、4月にはじめて毎月100作品くらいの応募がありましたので、7月くらいには「とりあえず目標数にはなり」そうという感触がありました。
締め切り日は10月1日でした。本当はわかりやすい9月30日にしたかったのですが、翌日が日本フレグランス協会が設定した「香水の日」ということもあって、一般的でない締め切り日ですが、月初が最終日となりました。
最終日が凄かった
毎月100作品で安定して応募いただいたのですが、9月の下旬はラッシュ状態で、とくに最終日は一晩で300作品のご応募。
結果的に1,200作品のご応募をいただきました。わずか一晩で全応募数の4分の1が、最終日に集中したことになります。ちょっと印象的でしたね。
10月1日をもってきっちり締め切りました。システムからの応募なのでシステムを止めれば応募できなくなります。
もしシステムをそのまま解放していれば10月2日もそれなりにあったかも。
フランスからご応募いただいた方には「時差がなければまだ間に合った」とご指摘を受け、反省の一つとなっています。
(そこまでしなくても・・・)
怒濤の下読み
下読みは8月以前から始まっていたのですが、本格化したのは9月。そして、10月は怒濤の下読みです。
下読みとは、第一段階の読み合わせで優秀な作品を選ぶと言うより、規格外の作品(字数が極端に制限をはずれるものやポエムなど小説とは言えないもの)や、一般読者にとってあまりおもしろくないものや、香水小説というテーマにあまりにもかけ離れている作品を落としていく作業です。
外部のライターさんにも入っていただき全作品が最低2人以上の審査員によって読まれました。審査員の1人として参加した私は「スクリーニング」という言葉を使用していました。
この段階で落ちると次に進めないので、責任を感じつつ読み進めましたが、困ったことは、難解でわかりにくい作品。
たんにわからないだけなら「一般人には一読でわからない」という理由で落選ですが、「なんかありそうだ」という作品。「自分の読解力不足で、もしや名作を落とそうとしていないか」と思うと腕を組むことになります。
カンヌライオンズと香水小説大賞
審査中、私の脳裏によぎるものは・・・なんと、カンヌライオンズ(カンヌ広告祭)にエントリーした当社の動画「スイセン」。
「スイセン」は、スクリーニングの段階で落選したと推測されますが、「チクショウー、あいつら、ウチの作品、ちゃんと見てくれたんだろうな!」と思うのは、人情ですよね。
デスクの厳しい評価
こうやって下読みを通過したものが第2次選考、そして最終選考に入っていくのですが、この課程で作品はデスクの厳しい審査を受けます。
こちらも外部から審査員として参加いただいているプロの方です。大手新聞社で長年編集デスクを経験されているだけに目の付け所も端的でズバリでした。
物書きのプロの評価は、正直、厳しかったですね。
価値観はいろいろ
思うのですが、もしこの香水小説大賞が、純粋な文学賞なら、選考結果も少し違ったものなったかもしれません。
テーマは香水。最低でも香りはストーリーの中に扱われるべきですし、企業が、香水や香水文化の普及を目標としたイベントですので、まるで香水や香りが扱われていない作品は選べないという事情は察していただけると思います。
そして、案外、香水や香りに無関係、あるいは関係が希薄すぎる作品もそれなりにあってよい作品なのに落選していくものも残念な気持ちで見守っておりました。
受賞作品の発表!
そして、ついに11月30日、受賞作品の発表となりました。
Webだけのささやなか発表となりました。
一応プレスリリースも打ちます。
そして、応募いただいた方全員に結果をお伝えするメールを配信しました。
朗読もまた味わい深い
そうそう、レッドカーペット式の「授賞式」はできませんでしたが、運良くプロのアナウンサーに「朗読」してもらった音声ファイルも公開できました。
音声ってどうよ、と思われるかもしれません。
目で読む方が明らかに速く読めますが、聴いてみてください。耳から入ってくる小説ってのも味わいあるんですよね。目で読むのとはまた別の作品に感じられます。
審査委員たちの一言コメント
最後に、審査委員たちの一言コメントからあるコメントを紹介してこの記事を終えたいと思います。
ご応募いただいたみなさん、本当にありがとうございました。
「誰にでも香りの思い出は、一つか二つあってその気になれば小説に仕上げることができることを知りました。審査を終えて、応募者の方々と香りの体験をシェアした気分です。すばらしい体験ができたことに感謝しております」
(2012-12-02)
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