( 香水工場の )
香る生活
調香師と調合師
「調香師」と「調合師」の似ている部分、違う部分 (2018/12/11)
( 香辛料の調合は、漢方薬の調合同様、目的に応じた独自のノウハウとスキルが求められる。職業として成立する専門性 )
インド料理は、ブレンドされた香辛料を多用するので、インドでは一般ご家庭のほとんどの主婦は香辛料のブレンド達人と聞きます。
これは主婦の話ですが、混ぜ合わせることを職業としている人々もおられます。
たとえば、私はスーパーでカレールーをよく買います。
あのカレールーを作る工場には、多様な香辛料を混ぜる専門の担当者がいるはず。
どういう肩書きで呼ばれるのか不明ですが「ブレンダー」とか「調合師」とかでは?
サントリー白州蒸溜所を見学したとき、ウイスキーを混ぜ合わせる人を「ブレンダー」と呼んでいました。
最高の味を引き出すため、いろいろな釜からできた原酒をブレンドする仕事です、たいへん名誉あるタイトルだそうで。
ブレンドしない個別の原酒だと、生産ごとに味がぶれますので、ブレンダーの存在は、安定した製品づくりにも欠かせません。
以前、京都・松栄堂さんに取材を申し込んだことがあります。
当社では『香る生活』という香りに関する読み物を、お客様向けの読み物として発行しています。毎回、数万冊刷っていましたかね。今は事実上の休刊状態ですが。
松栄堂さんへの取材は『香る生活』の記事の一環でした。
松栄堂さんといえば、ヨーロッパの大ブランドさんも足繁く見学に通うお香の老舗、世界的なお香のブランドです。
当社の取材に応じてもらえるはずもないのですが、ダメモトで取材依頼書を送ると、なんと許諾いただきました。
しかも、社長さまに直接お話を伺える機会をいただき、ありがたかったです。
業界は違いますが、香りビジネスの大先輩として、なかなか刺激的な話でしたよ。
「香水業界では、香りを創る人間を "パフューマー" と呼びます、お香の世界では、どのように呼ばれますか?」と質問すると、一瞬、少し考えられて「調合師」と。
お香やお線香の一般的な原料は、タブの木の樹皮やほかの木材粉末をベースに、伽羅・沈香・白檀などの香木材や、竜脳や樟脳、樹脂系の安息香や乳香などを合わせます。
シナモンやクローブなどのハーブ類も加えられるとか。
お香の処方は、お店ごとに比較的完成されており、新しい新規な香りの追求より伝統を守る香り創りが重視されているのではないかと空想しています。
「調香師」という職業をご存じでしょうか? 香料を混ぜ合わせ香りを作る職業人のこと。
とくにフレグランス制作の場合「パフューマー」、食品の場合「フレイバーリスト」と呼ばれます。
(日本語では同じ "調香師" ですが、欧米圏では別名。このへんの事情は昔の記事 → 調香師という便利なコトバ)
偉いパフューマーさんになると、アシスタントがついていて、実際の香料の調合は、あまりしない人もいますが、パフューマーも、いちおう「混ぜる職業人」。
私は「調香師 = 調合師の仕事の中で香り制作に専門化・細分化した形態の職業人」、つまり調香師も調合師グループの1パートと理解しています。
スパイスやウイスキーの調合であれ、香料の調合であれ、素材を熟知し、混ぜるためのノウハウと経験が高度に要求される専門職です。
しかし、調香師の場合、新しい香りを作るクリエーションのイメージが伴います。
そのため、ちょっとカッコいい感じがする点が、調香師と調合師のイメージの分かれ目ですかね。
映画やドラマでは、調香師がテーマになったり、重要な登場人物として調香師が登場する作品がそれなりにあります。
(一方、調合師のドラマや映画は多くありません)
映画『パフューム ある人殺しの物語』は、私にはやや濃厚すぎて、今ひとつ共感できませんが、世界的な大ヒット作でした。
日本でも、映画やドラマで、ちらほら調香師は出てきます。
最近では、『天才調香師 宝条ミカ』という連載マンガも人気だそうで、調香師って、物語になりやすい職業なんですね。
ただ、調香師は企業の採用枠が少ない。とくにパフューマーは、肝心の就職先がほぼありませんので(日本でも海外でも)、絶滅危惧種的な職業となりつつあります。
(2018-12-11)
( 香辛料の調合は、漢方薬の調合同様、目的に応じた独自のノウハウとスキルが求められる。職業として成立する専門性 )
混ぜ合わせる人
インド料理は、ブレンドされた香辛料を多用するので、インドでは一般ご家庭のほとんどの主婦は香辛料のブレンド達人と聞きます。
これは主婦の話ですが、混ぜ合わせることを職業としている人々もおられます。
たとえば、私はスーパーでカレールーをよく買います。
あのカレールーを作る工場には、多様な香辛料を混ぜる専門の担当者がいるはず。
どういう肩書きで呼ばれるのか不明ですが「ブレンダー」とか「調合師」とかでは?
サントリー白州蒸溜所を見学したとき、ウイスキーを混ぜ合わせる人を「ブレンダー」と呼んでいました。
最高の味を引き出すため、いろいろな釜からできた原酒をブレンドする仕事です、たいへん名誉あるタイトルだそうで。
ブレンドしない個別の原酒だと、生産ごとに味がぶれますので、ブレンダーの存在は、安定した製品づくりにも欠かせません。
プロフェッショナルな調合師
以前、京都・松栄堂さんに取材を申し込んだことがあります。
当社では『香る生活』という香りに関する読み物を、お客様向けの読み物として発行しています。毎回、数万冊刷っていましたかね。今は事実上の休刊状態ですが。
松栄堂さんへの取材は『香る生活』の記事の一環でした。
松栄堂さんといえば、ヨーロッパの大ブランドさんも足繁く見学に通うお香の老舗、世界的なお香のブランドです。
当社の取材に応じてもらえるはずもないのですが、ダメモトで取材依頼書を送ると、なんと許諾いただきました。
しかも、社長さまに直接お話を伺える機会をいただき、ありがたかったです。
業界は違いますが、香りビジネスの大先輩として、なかなか刺激的な話でしたよ。
「香水業界では、香りを創る人間を "パフューマー" と呼びます、お香の世界では、どのように呼ばれますか?」と質問すると、一瞬、少し考えられて「調合師」と。
お香やお線香の一般的な原料は、タブの木の樹皮やほかの木材粉末をベースに、伽羅・沈香・白檀などの香木材や、竜脳や樟脳、樹脂系の安息香や乳香などを合わせます。
シナモンやクローブなどのハーブ類も加えられるとか。
お香の処方は、お店ごとに比較的完成されており、新しい新規な香りの追求より伝統を守る香り創りが重視されているのではないかと空想しています。
調香師とは?
「調香師」という職業をご存じでしょうか? 香料を混ぜ合わせ香りを作る職業人のこと。
とくにフレグランス制作の場合「パフューマー」、食品の場合「フレイバーリスト」と呼ばれます。
(日本語では同じ "調香師" ですが、欧米圏では別名。このへんの事情は昔の記事 → 調香師という便利なコトバ)
偉いパフューマーさんになると、アシスタントがついていて、実際の香料の調合は、あまりしない人もいますが、パフューマーも、いちおう「混ぜる職業人」。
調香師と調合師の関係
私は「調香師 = 調合師の仕事の中で香り制作に専門化・細分化した形態の職業人」、つまり調香師も調合師グループの1パートと理解しています。
スパイスやウイスキーの調合であれ、香料の調合であれ、素材を熟知し、混ぜるためのノウハウと経験が高度に要求される専門職です。
しかし、調香師の場合、新しい香りを作るクリエーションのイメージが伴います。
そのため、ちょっとカッコいい感じがする点が、調香師と調合師のイメージの分かれ目ですかね。
映画やドラマでは、調香師がテーマになったり、重要な登場人物として調香師が登場する作品がそれなりにあります。
(一方、調合師のドラマや映画は多くありません)
映画『パフューム ある人殺しの物語』は、私にはやや濃厚すぎて、今ひとつ共感できませんが、世界的な大ヒット作でした。
日本でも、映画やドラマで、ちらほら調香師は出てきます。
最近では、『天才調香師 宝条ミカ』という連載マンガも人気だそうで、調香師って、物語になりやすい職業なんですね。
ただ、調香師は企業の採用枠が少ない。とくにパフューマーは、肝心の就職先がほぼありませんので(日本でも海外でも)、絶滅危惧種的な職業となりつつあります。
(2018-12-11)
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