( 香水工場の )
香る生活
2020年、5月の贈り物「芍薬」
香水のテーマになりやすい花シャクヤク、5月の贈り物でお目見え・・ (2020/03/09)
( ピンクのシャクヤク、豪華ですね。シャクヤクは一重もあるが、やはり八重のイメージが強い )
今年のテーマが決まりました。
「芍薬」
花のシャクヤクをテーマにした香り。
当社の年中行事に慣れないお客様は「5月の贈り物」って、なんだ?と思われるでしょう。
すみません、毎年、5月に新作の香りを「5月の贈り物」というネーミングでリリースしているものです。
原則、毎年違った香りですが、評判が良いものは、それが後日、レギュラーの製品になるケースがあります。
シャクヤクを語るときに必ず出ることわざ:
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
シャクヤクとボタンは花が似ているので、私は区別が、今ひとつつかない。
英語では、シャクヤクは「ピオニー」(peony) だが、ボタンも英語では「ピオニー」(peony)。
ほら、海外の人も区別がつかないようだ。
ただ、ボタンは低木性の植物で、草花であるシャクヤクとはガタイが違う。
中国の古い古書などではボタンのことを「木芍薬」と書いてあるそうで(wikipedia 牡丹)、花の見た目が似ていることは、古今東西同じ印象を与え続けているようだ。
シャクヤクは垂直に伸びる傾向があり、ボタンは横に枝を出すとか書いている人がいて、なるほど、シャクヤクは立っている姿、ボタンは座っている姿に見えるのか、と納得した。
で、歩く姿がユリってのはどうかは、ここでは問わない。
シャクヤクは、一重もあれば、八重もある。
赤い花もあれば、白もピンクも紫もあってバリエーション豊富。
で、香りはというと・・ボタンと違っていろいろある。
ただし、香りがしない個体もある。
そして、その香りも、これまたバリエーションありあり。
シャクヤクの香りに感動した話は去年も書いた → 綺麗すぎるシャクヤクの香り。
しかし、これはあくまでもシャクヤクの一つの香りである。
土壌やによっても違った香りになるようで、キンモクセイやジンチョウゲのように「これがシャクヤクの香り」という香りはないと思う。
( 2015年、神代植物公園 )
実は、香水のテーマとしてシャクヤクは、香水ブランドさんに、とっても好まれる傾向がある。
あなたがお好きな香水ブランドさんに「ピオニー」という製品ありませんか?
ローズ同様、香水のテーマになりやすい。
なぜ?
ローズは、有史以前から憧れの香りだったし、香料が採取できるので、香水になる理由が手にとるようにわかる。
しかし、シャクヤクは、「これがシャクヤク」という香りがはっきりしない。
香料も採れない。
(たぶん。シャクヤクの根は漢方薬として流通しているが、香料は聞かない)
しかも、中国原産のシャクヤクは、欧米で普及してまだ歴史は浅い。
中国では、ボタンは、別名「花王」や「百花の王」と呼ばれる。
圧倒的な存在感と優雅さゆえだろう。
欧米の人々も、シャクヤクやボタンの優雅さ・美しさ・存在感に魅了されているに違いない。
香水にすれば、ポジティブなイメージ、明るく楽しいイメージが、ネーミングだけで、先行的に伝えることができる。
欧米のパフューマーさんは、お花の香りをそのまま再現する調香をやりたがらない傾向がある。
だから、特徴がない香りのピオニーは、イメージ香水として、どんな香りにでもできる。
花の豪華なイメージと、自由な創作性が可能なピオニーは、パフューマーの制作意欲を刺激するのだろう。
当社は、今回はじめてピオニーに参入することになった。
【関連記事】
・「芍薬」(販売ページ)
・新作香水「芍薬・ピオニー」(2021年3月)
・2020年、5月の贈り物「芍薬」(2020年3月)
・綺麗すぎるシャクヤクの香り(2019年6月)
(2020-03-09)
( ピンクのシャクヤク、豪華ですね。シャクヤクは一重もあるが、やはり八重のイメージが強い )
今年の「5月の贈り物」は?
今年のテーマが決まりました。
「芍薬」
花のシャクヤクをテーマにした香り。
当社の年中行事に慣れないお客様は「5月の贈り物」って、なんだ?と思われるでしょう。
すみません、毎年、5月に新作の香りを「5月の贈り物」というネーミングでリリースしているものです。
原則、毎年違った香りですが、評判が良いものは、それが後日、レギュラーの製品になるケースがあります。
ボタンとセットで語られがちなシャクヤク
シャクヤクを語るときに必ず出ることわざ:
「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」
シャクヤクとボタンは花が似ているので、私は区別が、今ひとつつかない。
英語では、シャクヤクは「ピオニー」(peony) だが、ボタンも英語では「ピオニー」(peony)。
ほら、海外の人も区別がつかないようだ。
ただ、ボタンは低木性の植物で、草花であるシャクヤクとはガタイが違う。
中国の古い古書などではボタンのことを「木芍薬」と書いてあるそうで(wikipedia 牡丹)、花の見た目が似ていることは、古今東西同じ印象を与え続けているようだ。
シャクヤクは垂直に伸びる傾向があり、ボタンは横に枝を出すとか書いている人がいて、なるほど、シャクヤクは立っている姿、ボタンは座っている姿に見えるのか、と納得した。
で、歩く姿がユリってのはどうかは、ここでは問わない。
シャクヤクの香りは?
シャクヤクは、一重もあれば、八重もある。
赤い花もあれば、白もピンクも紫もあってバリエーション豊富。
で、香りはというと・・ボタンと違っていろいろある。
ただし、香りがしない個体もある。
そして、その香りも、これまたバリエーションありあり。
シャクヤクの香りに感動した話は去年も書いた → 綺麗すぎるシャクヤクの香り。
しかし、これはあくまでもシャクヤクの一つの香りである。
土壌やによっても違った香りになるようで、キンモクセイやジンチョウゲのように「これがシャクヤクの香り」という香りはないと思う。
( 2015年、神代植物公園 )
欧米の香水ブランドが好む花シャクヤク
実は、香水のテーマとしてシャクヤクは、香水ブランドさんに、とっても好まれる傾向がある。
あなたがお好きな香水ブランドさんに「ピオニー」という製品ありませんか?
ローズ同様、香水のテーマになりやすい。
なぜ?
ローズは、有史以前から憧れの香りだったし、香料が採取できるので、香水になる理由が手にとるようにわかる。
しかし、シャクヤクは、「これがシャクヤク」という香りがはっきりしない。
香料も採れない。
(たぶん。シャクヤクの根は漢方薬として流通しているが、香料は聞かない)
しかも、中国原産のシャクヤクは、欧米で普及してまだ歴史は浅い。
中国では、ボタンは、別名「花王」や「百花の王」と呼ばれる。
圧倒的な存在感と優雅さゆえだろう。
欧米の人々も、シャクヤクやボタンの優雅さ・美しさ・存在感に魅了されているに違いない。
香水にすれば、ポジティブなイメージ、明るく楽しいイメージが、ネーミングだけで、先行的に伝えることができる。
欧米のパフューマーさんは、お花の香りをそのまま再現する調香をやりたがらない傾向がある。
だから、特徴がない香りのピオニーは、イメージ香水として、どんな香りにでもできる。
花の豪華なイメージと、自由な創作性が可能なピオニーは、パフューマーの制作意欲を刺激するのだろう。
当社は、今回はじめてピオニーに参入することになった。
【関連記事】
・「芍薬」(販売ページ)
・新作香水「芍薬・ピオニー」(2021年3月)
・2020年、5月の贈り物「芍薬」(2020年3月)
・綺麗すぎるシャクヤクの香り(2019年6月)
(2020-03-09)
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