( 香水工場の )
香る生活
薬用植物園でニオイイリスの開花にであう
ラッキーな体験でした・・ (2022/04/28)
( 香水業界の人々がビビるニオイイリス、なぜビビるのかは記事内に。説明の看板に用途として「歯磨き粉用香料」とある、いつの時代の話?と笑ってしまったが、それだけ長い伝統がある香料だったのだ )
東京都の都立植物園。
Wikipediaには「東京都営の植物園。管理は東京生薬協会に委託している」と記載されており、いろいろ歴史がありそうです。
開園は1946年、昭和21年。
太平洋戦争の終結が1945年年なので1946年と言えば東京都内は惨状を極めていた頃。
この植物園付近は、開園当時、まばらな民家と武蔵野の雑木林が拡がる田園地帯だったでしょう。
土地は確保しやすかったでしょうが、戦後の混乱期で多くの人々が飢えていたこの時期に、直接の食料生産とは関係が薄い植物園が開設されたことに興味が湧きます。
東京都の施設だけに大きくて立派な植物園です。
(欲を言えば、開園時、もっと広い広大な土地を確保し、武蔵野の原生林も保存していてくれたらな~と無駄な夢を空想したりする)
当社から車で20分程度。
近いんですが、毎日の業務に追われているとなかなか行けないものです。
一昨日、スタッフの研修もかねて植物園に行きましたのでレポートします。
今回は運が良いことに、ニオイイリスの開花に出会えました。
白いアヤメが開花していました。
それがニオイイリスとは!・・幸運です。
イリスの天然香料は、もっとも高価な天然香料の一つとして有名。
この香料はギリシア・ローマ時代から利用されてきたという。
欧米パフューマーさんには伝統的・文化的にイリス香料に対して敬意ある雰囲気を感じる。
(ギリシア・ローマ時代のイリス香料は現在のように成分抽出ではなく現物をそのまま刻んで使っていたと思われる)
私といえば、とにかく高価であることにビビる希少香料である。
日本には明治時代に香料採取を目的に輸入されたようですが、研究用途は別として日本で香料用に栽培されている事例は聞いたことがない。
イリス香料の特徴は、根から香料を採取する点です。
驚きですよね、根茎(こんけい)は、ゴボウを思い出してもらえるとわかりやすいですが、土臭いもの。
しかし、ニオイイリスの根茎からは、花のような香りの香料が採取されます。
(もちろん、根なので、根特有の土臭さも混じる、それがさらに深みを与える)
イリス香料の特徴として、広く言われることは「スミレの花のような香り」。
私自身は、ニオイイリスの花をはじめて見ました。
そして、鼻を近づけると「おお、南フランス!」と声が出てしまった。
甘くフローラルで、乾いた大地に香るオアシスのような匂い、そして、とっても異国情緒な雰囲気・・
香料事典に書かれているような詳しい記述が下記のページに公開されていましたので拝借。
「ひま人のつぶやき」さんによる「都立薬用植物園の妖精達」
イリス香料の採取方法は、「生育した根茎を洗浄、剥皮、天日乾燥後、2~3年間貯蔵すると、収穫直後の青臭い馬鈴薯のような香りがイリス特有の強いスミレに似た香気に熟成されます」とある。
数年間の貯蔵が必要という点ですでに産業としては厳しい。
日本で生産されない理由は、ほかの天然香料同様、産業としては成立しにくいということなんでしょう。
・・薬用植物園でニオイイリスが開花することがわかったので、今後、継続的に通い香りを楽しみたい。
さて、この日見て回った他の花も紹介します。
こちらも香料が採取されることで有名な花。
枯れても優雅なイランイランですね。
( こちらもビビるほど高価な香料となるイランイラン、開花は終わっていますが、優雅なたたずまい )
ハマナスはバラの仲間というかバラの原種に近いバラ。
日本原産と言われますが、樺太や北方領土などにも咲いているし、ウラジオストックなどでも観察されるようなので、原産地はよくわかりません。
英語では「Japanese Rose」(日本バラ)。
花の形状は、原種のバラ特有の "かわいらしさ" 全開ですね。
一般に香りもよいとされますが、今回の薬用植物園での見学では香りはありませんでした。
( 日本のワイルドローズ、花はかわいいのに強烈なトゲは人間を寄せ付けない )
今回の薬用植物園ツアーでもっともパワフルに香っていた花が、温室内でひっそり咲いていたジャスミン。
「我ここにあり」みたいなパワーでした。
わずか数輪でこのパワーか!と圧倒されましたよ。
( 満開ならこの温室内すべてを染め抜くほどの香りパワーだったに違いない )
(2022-04-28)
( 香水業界の人々がビビるニオイイリス、なぜビビるのかは記事内に。説明の看板に用途として「歯磨き粉用香料」とある、いつの時代の話?と笑ってしまったが、それだけ長い伝統がある香料だったのだ )
東京都薬用植物園とは?
東京都の都立植物園。
Wikipediaには「東京都営の植物園。管理は東京生薬協会に委託している」と記載されており、いろいろ歴史がありそうです。
開園は1946年、昭和21年。
太平洋戦争の終結が1945年年なので1946年と言えば東京都内は惨状を極めていた頃。
この植物園付近は、開園当時、まばらな民家と武蔵野の雑木林が拡がる田園地帯だったでしょう。
土地は確保しやすかったでしょうが、戦後の混乱期で多くの人々が飢えていたこの時期に、直接の食料生産とは関係が薄い植物園が開設されたことに興味が湧きます。
東京都の施設だけに大きくて立派な植物園です。
(欲を言えば、開園時、もっと広い広大な土地を確保し、武蔵野の原生林も保存していてくれたらな~と無駄な夢を空想したりする)
近くにある幸運
当社から車で20分程度。
近いんですが、毎日の業務に追われているとなかなか行けないものです。
一昨日、スタッフの研修もかねて植物園に行きましたのでレポートします。
今回は運が良いことに、ニオイイリスの開花に出会えました。
開花していたニオイイリス
白いアヤメが開花していました。
それがニオイイリスとは!・・幸運です。
イリスの天然香料は、もっとも高価な天然香料の一つとして有名。
この香料はギリシア・ローマ時代から利用されてきたという。
欧米パフューマーさんには伝統的・文化的にイリス香料に対して敬意ある雰囲気を感じる。
(ギリシア・ローマ時代のイリス香料は現在のように成分抽出ではなく現物をそのまま刻んで使っていたと思われる)
私といえば、とにかく高価であることにビビる希少香料である。
日本には明治時代に香料採取を目的に輸入されたようですが、研究用途は別として日本で香料用に栽培されている事例は聞いたことがない。
イリス香料の特徴は、根から香料を採取する点です。
イリス香料とは?
驚きですよね、根茎(こんけい)は、ゴボウを思い出してもらえるとわかりやすいですが、土臭いもの。
しかし、ニオイイリスの根茎からは、花のような香りの香料が採取されます。
(もちろん、根なので、根特有の土臭さも混じる、それがさらに深みを与える)
イリス香料の特徴として、広く言われることは「スミレの花のような香り」。
私自身は、ニオイイリスの花をはじめて見ました。
花は、甘く甘美で異国情緒な香り
そして、鼻を近づけると「おお、南フランス!」と声が出てしまった。
甘くフローラルで、乾いた大地に香るオアシスのような匂い、そして、とっても異国情緒な雰囲気・・
イリス香料の採取方法
香料事典に書かれているような詳しい記述が下記のページに公開されていましたので拝借。
「ひま人のつぶやき」さんによる「都立薬用植物園の妖精達」
イリス香料の採取方法は、「生育した根茎を洗浄、剥皮、天日乾燥後、2~3年間貯蔵すると、収穫直後の青臭い馬鈴薯のような香りがイリス特有の強いスミレに似た香気に熟成されます」とある。
数年間の貯蔵が必要という点ですでに産業としては厳しい。
日本で生産されない理由は、ほかの天然香料同様、産業としては成立しにくいということなんでしょう。
・・薬用植物園でニオイイリスが開花することがわかったので、今後、継続的に通い香りを楽しみたい。
さて、この日見て回った他の花も紹介します。
開花が終わった後のイランイラン
こちらも香料が採取されることで有名な花。
枯れても優雅なイランイランですね。
( こちらもビビるほど高価な香料となるイランイラン、開花は終わっていますが、優雅なたたずまい )
ハマナスの花
ハマナスはバラの仲間というかバラの原種に近いバラ。
日本原産と言われますが、樺太や北方領土などにも咲いているし、ウラジオストックなどでも観察されるようなので、原産地はよくわかりません。
英語では「Japanese Rose」(日本バラ)。
花の形状は、原種のバラ特有の "かわいらしさ" 全開ですね。
一般に香りもよいとされますが、今回の薬用植物園での見学では香りはありませんでした。
( 日本のワイルドローズ、花はかわいいのに強烈なトゲは人間を寄せ付けない )
ジャスミン
今回の薬用植物園ツアーでもっともパワフルに香っていた花が、温室内でひっそり咲いていたジャスミン。
「我ここにあり」みたいなパワーでした。
わずか数輪でこのパワーか!と圧倒されましたよ。
( 満開ならこの温室内すべてを染め抜くほどの香りパワーだったに違いない )
(2022-04-28)
< 『香る生活』とブログ名の変更 || (投稿募集)お母さんの香りの思い出 >
search