( 香水工場の )
香る生活
香水『黒文字の花』はいかがでしたか?
想定以上の人気だったクロモジの香り (2023/06/02)
( 2023年の『5月の贈り物』は『黒文字の花』 )
当社には恒例「5月キャンペーン」というイベントがあり毎年違う香水を『5月の贈り物』というネーミングで限定リリースする。
今年は『5月の贈り物・黒文字の花』をリリースした。
発売前の私の予想は・・
1週間~10日程度で売り切れたらハッピーと目標を掲げ、いざフタを開ければわずか3~4日で完売!
完売後も追加購入したいというご要望や問い合わせをいただいた。
お客様の期待値がかなり高かったことがうかがえるし、実際に手にしてお気に召された方も多かったようだ。
ちなみにもう一方の限定リリース『ローズの贈り物』は1ヶ月後の6月2日現在でも若干残っている。
本製品は毎回中旬くらいには確実に在庫切れになる製品で今年はやや異変気味だが、まあ、そういうこともあるだろう。
( 2023年の『ローズの贈り物』 )
(こちらも「2本まで」という本数制限をしていたが、今となってはミッション終了、すでに購入された方でまだご希望あればご購入ください)
私はこんな仕事なので立場上クロモジを知っているが、もし違う仕事をしていたらたぶん知らないと思う。
武蔵野に多いケヤキやイチョウは、姿も色彩も美しく記憶される樹木だが、クロモジの木は特徴がない上にヒョロヒョロして存在感ゼロ。
雑木林の中の藪(やぶ)にしか見えない、それだけに知っている人も少ない。
しかし『黒文字の花』をリリースしていただいたコメントやVOICEを読むと、クロモジを知っている人が予想より多いな~と感心しかり。
たとえば、
クロモジ認知度は予想以上だった。
植物の精油は天然香料の代表的なオイル。
どうやって植物から採取するのか香水業界の人間には常識だが、一般には知られていないので少し解説したい。
ズバリ「蒸留(じょうりゅう)」という方法で採取される。
蒸留以外の手法もあるのだが、今日は「蒸留法」だけ紹介。
「蒸留」と言えば、なんか加熱するイメージではないだろうか、そのとおり。
蒸留法の中でも「水蒸気蒸留法」という手法は水を加熱してターゲットを蒸す手法である。
植物の中に湯気をくぐらせると、なんとその湯気に精油が混じるという性質を利用する。
湯気は冷やすことで水にもどるが、その際精油が分離抽出される。
蒸留法は、もともとバラの精油を取り出すために現在のイランで紀元10世紀くらいに発明されたもの。
現代の石油コンビナートでの石油精製も原理的には同じ蒸留法が利用される、それほど応用範囲が広い大発明だった。
クロモジ精油も水蒸気蒸留で採取される。下は水蒸気蒸留装置のイラスト。
( 植物から精油を採る蒸留器のイラスト )
水蒸気蒸留の装置はシンプルで簡単なものなら数万円で買える。
業務用でも比較的小規模に作れるため蒸留所建設は小さな企業でも参入しやすいというメリットがある。
過去10年でクロモジ蒸留所は日本全国で増加しており、クロモジ精油は高価ながらも人気は上々とのこと。
だから、クロモジ精油から生まれるクロモジ香水も人気がある・・ということではなかろうか。
このブログは幸いなことに競合他社さんも読んでくれているので、来年あたり「クロモジ香水」がチラホラでてくるかもしれない、歓迎したい。
(競合他社の商品開発部のみなさん、ともにガンバロ~)
【関連記事】
・香水『黒文字の花』はいかがでしたか?
・クロモジ香水を作る
・5月の贈り物・黒文字の花
では今日のメイン、お役様レビューを紹介したい。
一つめは当社の「VOICE」にお寄せいただいたコメント・・
下はTwitterで見つけた『黒文字の花』のツイートの抜粋。
各ツイート主様には個別に転用許可を得ていないが公開情報なので許容範囲と判断して転載させてただいた。
しかし問題ある場合はおしらせいただければすぐに削除いたします。
香りの説明って案外難しくて「好き・嫌い」「良い香り・クサイ香り」「○○のような香り」と言えるくらいで、それ以上が説明しにくい。
しかし、上のコメント、すごいですよね~ パフューマーさんのような言い回し・・
調香師=パフューマーになるためには、単品香料のニオイを覚える地道な訓練を数年続けるが、それと同時に香りを言葉で説明するトレーニングもみっちり積む。
それだけ香りって言葉で説明しにくい、だが今時の人は軽々とパフューマーのようにコメントできることにも驚きである。
そして、この香水らしくない『黒文字の花』を好きだと感じる方の多さも香水トレンドの潮流が少し動いている印象を受けた。
最後に今回『黒文字の花』をお買い上げいただいたすべての皆様へ、ご購入いただき感謝申し上げます。
お気に召されなかった方もおられると思います、その場合はご了承ください。
お気に召された場合は、最後の一滴までお楽しみいただけることを切に祈ります。
(2023-06-02)
( 2023年の『5月の贈り物』は『黒文字の花』 )
3日~4日で完売
当社には恒例「5月キャンペーン」というイベントがあり毎年違う香水を『5月の贈り物』というネーミングで限定リリースする。
今年は『5月の贈り物・黒文字の花』をリリースした。
発売前の私の予想は・・
いや~なんか渋い香りだし、かなりニッチ、売れないかも?
1週間~10日程度で売り切れたらハッピーと目標を掲げ、いざフタを開ければわずか3~4日で完売!
完売後も追加購入したいというご要望や問い合わせをいただいた。
お客様の期待値がかなり高かったことがうかがえるし、実際に手にしてお気に召された方も多かったようだ。
もう一方の『ローズの贈り物』は?
ちなみにもう一方の限定リリース『ローズの贈り物』は1ヶ月後の6月2日現在でも若干残っている。
本製品は毎回中旬くらいには確実に在庫切れになる製品で今年はやや異変気味だが、まあ、そういうこともあるだろう。
( 2023年の『ローズの贈り物』 )
(こちらも「2本まで」という本数制限をしていたが、今となってはミッション終了、すでに購入された方でまだご希望あればご購入ください)
あなたはクロモジを知ってますか?
私はこんな仕事なので立場上クロモジを知っているが、もし違う仕事をしていたらたぶん知らないと思う。
武蔵野に多いケヤキやイチョウは、姿も色彩も美しく記憶される樹木だが、クロモジの木は特徴がない上にヒョロヒョロして存在感ゼロ。
雑木林の中の藪(やぶ)にしか見えない、それだけに知っている人も少ない。
しかし『黒文字の花』をリリースしていただいたコメントやVOICEを読むと、クロモジを知っている人が予想より多いな~と感心しかり。
たとえば、
・お抹茶の時、お菓子についてくるあの黒文字の香り(良い香りですよね)
・黒文字に目が無いので光速で買ってしまった
クロモジ認知度は予想以上だった。
クロモジ精油は蒸留で採取される
植物の精油は天然香料の代表的なオイル。
どうやって植物から採取するのか香水業界の人間には常識だが、一般には知られていないので少し解説したい。
ズバリ「蒸留(じょうりゅう)」という方法で採取される。
蒸留以外の手法もあるのだが、今日は「蒸留法」だけ紹介。
「蒸留」と言えば、なんか加熱するイメージではないだろうか、そのとおり。
蒸留法の中でも「水蒸気蒸留法」という手法は水を加熱してターゲットを蒸す手法である。
植物の中に湯気をくぐらせると、なんとその湯気に精油が混じるという性質を利用する。
湯気は冷やすことで水にもどるが、その際精油が分離抽出される。
蒸留法は、もともとバラの精油を取り出すために現在のイランで紀元10世紀くらいに発明されたもの。
現代の石油コンビナートでの石油精製も原理的には同じ蒸留法が利用される、それほど応用範囲が広い大発明だった。
クロモジ精油も水蒸気蒸留で採取される。下は水蒸気蒸留装置のイラスト。
( 植物から精油を採る蒸留器のイラスト )
水蒸気蒸留の装置はシンプルで簡単なものなら数万円で買える。
業務用でも比較的小規模に作れるため蒸留所建設は小さな企業でも参入しやすいというメリットがある。
過去10年でクロモジ蒸留所は日本全国で増加しており、クロモジ精油は高価ながらも人気は上々とのこと。
だから、クロモジ精油から生まれるクロモジ香水も人気がある・・ということではなかろうか。
このブログは幸いなことに競合他社さんも読んでくれているので、来年あたり「クロモジ香水」がチラホラでてくるかもしれない、歓迎したい。
(競合他社の商品開発部のみなさん、ともにガンバロ~)
【関連記事】
・香水『黒文字の花』はいかがでしたか?
・クロモジ香水を作る
・5月の贈り物・黒文字の花
お客様レビュー
では今日のメイン、お役様レビューを紹介したい。
一つめは当社の「VOICE」にお寄せいただいたコメント・・
5月の贈り物『黒文字の花』、配合をみて好きそうだと思ったので2本買って大正解でした。
春の終わりと初夏の始まりを感じる爽やかさ。
菖蒲と逢魔時&三十日月と合わせて「薬草セット」と呼んでいます。
甘くなくスパイシーさもあり、引き締まりつつ落ち着く。
肌に乗せるとフローラルな感じが前面に出てきてウッディ感は少なめになりました。
甘くないスパイシーフローラルってイメージでした。
・トップ:付けた瞬間、すーっと鼻に抜ける柑橘の香り。
・ミドル:フルーティな甘さの中に新緑のみずみずしさを感じる、グリーンな香り。
・ラスト:落ち着いたウッディな香りとほのかな花の香り。
「5月の贈り物」という季節にぴったりな爽やかで清々しい香りでした。
ランドセルを背負っていた時の通学路にあった、木に囲まれた小さな神社を思い出しました。
ウッド系を集めているのですが、樹木感が全面に出ているのにここまでさわやかな香りは初めてです。
一瞬の柑橘、森、森、ちょっと丸い森!!な変化が最高でした。
到着して香りを嗅いでみたら「これ良い!」でした。
寺系の香りと、新緑系の香りが好きな方には中々ヒットする香りだと思います。
黒文字は、和菓子を食べる時に使うあれですよね。けれども香りを意識したことはなく、そもそもあまり使う機会もなく……。
ですので黒文字の匂いの記憶はないはずなのですが、嗅いだ途端「あっ、これ知っている…?」と、ときめくような懐かしさを覚えました。
雑木林に踏み入って生木の枝を折った時のような、青っぽく瑞々しい生命力にあふれた樹木の匂いです。ほのかに、爽やかな柑橘とお花の気配も。
私が「黒文字」を試した時、「菖蒲の葉」との明確な違いは何だ?と首をかしげました。
ラインナップが増えて結果的に全体的にぼやけるよりは、商品を絞り、その代わりどの香りにもボトル・ねりこの2種類を設けて頂いた方が嬉しい。
Twitterから拾ったコメント
下はTwitterで見つけた『黒文字の花』のツイートの抜粋。
各ツイート主様には個別に転用許可を得ていないが公開情報なので許容範囲と判断して転載させてただいた。
しかし問題ある場合はおしらせいただければすぐに削除いたします。
・甘くないフローラルっていいな 季節的にもすっきりした香りは良い
・なんていうかスパイシー!最初は柑橘系の香りとグリーンが主張してなんかデザートにたまにいる赤すぐりみたいw
・今までの中で一番香水っぽくないなって印象。好き。
・かっこいいフローラルウッディ
・これ好きだわぁ!私の肌ではヒバかな?ウッディーな香りが主張している
・黒文字に目が無いので光速で買ってしまった
・大本命黒文字の花…私の好きなウッディな黒文字そのものにちょっとだけ感じるフローラル…すごい好みな香り
・一瞬レモンのような爽やかさがあるストレートなウッディ
・子供の頃に山歩きした時の風の香りがしました。(素敵な香りでした)
・最初に感じるのは清々しいが青すぎないグリーン、そして爽やかだがフレッシュすぎないシトラス、やや遅れて落ち着いたウッディ
レビューに対するボクの感想
香りの説明って案外難しくて「好き・嫌い」「良い香り・クサイ香り」「○○のような香り」と言えるくらいで、それ以上が説明しにくい。
しかし、上のコメント、すごいですよね~ パフューマーさんのような言い回し・・
調香師=パフューマーになるためには、単品香料のニオイを覚える地道な訓練を数年続けるが、それと同時に香りを言葉で説明するトレーニングもみっちり積む。
それだけ香りって言葉で説明しにくい、だが今時の人は軽々とパフューマーのようにコメントできることにも驚きである。
そして、この香水らしくない『黒文字の花』を好きだと感じる方の多さも香水トレンドの潮流が少し動いている印象を受けた。
みなさまに御礼
最後に今回『黒文字の花』をお買い上げいただいたすべての皆様へ、ご購入いただき感謝申し上げます。
お気に召されなかった方もおられると思います、その場合はご了承ください。
お気に召された場合は、最後の一滴までお楽しみいただけることを切に祈ります。
(2023-06-02)
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