( 香水工場の )
香る生活
体験!ウイスキーの香り(宮城峡蒸留所)
香水ブログなのにウイスキーの香りの話 (2023/06/20)
( ウイスキーの蒸留装置。香水の原料である精油を蒸留する装置もほぼ同じ形状。ウイスキーと香水は共通性が高い )
WHO(世界保健機関)がお酒を発ガン性物質の最悪グループ『GROUP1』に入れて以来、お酒はなるべく止めようと思っているが、なかなか。
現在の若い世代は世界的に「お酒離れ」「脱アルコール」だとか。
これからの社会では飲まないことが普通になっていく予感ですが、一方でお酒は文化だし、極端な考え方ですが、お酒は神事の領域。
少なめになるでしょうが、なくなることはないでしょう。
というわけでお酒を止めたいのにお酒を愛する国分が宮城峡蒸留所(みやぎきょう じょうりゅうじょ)を見学してきたので香りレポートをお届けしよう。
今回は取材でなく完全に一観光客として行きました。
サントリーさんもそうですが、お酒のメーカーさんは一般消費者を観光客としてもてなす傾向があるようですね、ありがたい。
私の中ではお酒には2種類あって一方が「酔うためのお酒」、もう一方が「味わうためのお酒」。
「酔うためのお酒」の私的ランキングのトップはウォッカで、「味わうためのお酒」の私的トップがウイスキー。
(ちなみに私が日常的によく飲むお酒は日本酒)
ウォッカは味や香り、風味を極限まで取り除いたお酒。
味がないことが特徴なのになぜだか旨い。
(飲むと何らかの幸福系の脳内物質がでている感じ、ドーパミンとか?)
ウォッカの飲み方は(真のウォッカファンでないので自信はないが)口に含んだらワインのように舌の上で転がさずに胃袋に直行、そのまま流し込む飲み方が主流。
一方、ウイスキーは口に含んだ際の香りが実に楽しい、口の中で一瞬余韻を楽しんだ後に流し込んでいく。
味覚において風味と香りはなぜだか一体化しており、「風味=香り」と考えてよい。
ウイスキーの香りは木製樽のエッセンスが40度のアルコールに時間をかけて溶け出したもの。
それがこんな奇跡を生むのか・・と驚く。
Youtubeなどでもウイスキーを語る人は多いが、その表現はかなり大げさである。たとえば・・
とか
いや~香りの表現が劇的・大げさ、一種のエンタメであり演出だろうが、それだけウイスキーの香りには語りたくなる魅力があるのだろう。
ウイスキーは香水と同じ香りの製品だ。
下の写真は宮城峡蒸留所のビジターセンター内にあるディスプレイ。
香りのカテゴリーが展示してあった。
タイトルは『Whisky Flavour』(ウイスキーの風味)。
( ウイスキーに「『焼きたてパン』とか『花束』のような香り、本当にする?」と突っ込まないでほしい、多少大げさに言わないと伝わらないのだ・・ )
写真に見える香りの種類をピックアップすると・・
凄いでしょ?
木材エッセンスとアルコールとの化学反応から生み出される風味は、当然基本「ウッディ」だろうし、原料のモルトなど焙煎するので「スモーキー」ってのも納得だが、「フローラル」や「バニラ」「ハチミツ」などは予想外の話と思いませんか?
香水の香り表現に負けない多彩さに驚く。
( 見学ツアー最後はウイスキーのテイスティング・・味わい深いツアーでした )
工場見学ツアーにはビデオ放映もあって、そこでブレンダーさんのインタビューがあったが興味深く拝見した。
ブレンダーとは文字通りウイスキーをブレンドする人。
香水でいったら調香師(パフューマー)に相当する。
ウイスキーの製造では同じ原料を使用したとしても、原料の生産年度や産地や焙煎具合や醸造タイミング、樽の種類、樽の新旧などで細かく違った原酒がうまれるので、蒸留釜ごと、さらに言えば樽ごとに違う味のウイスキーが生まれている。
ブレンダーの役割は、商品の味にブレが発生しないよう複数種類のウイスキーをブレンドすることで毎回安定した味わいの商品を作り出すことと、新作やテーマごとのブレンドを生み出すことなど。
それぞれの原酒の香りを日常的にチェックし記憶してクライアントや市場が求める香りを創り出す仕事である。
宮城峡のブレンダーは日に100種類のウイスキーをスメリングすると話されていた。
それぞれの原酒の香りを記憶し、これとこれを混ぜたらこんな味になるという空想をしながらスメリングされているのだろう・・香水の調香師とまったくおなじじゃないか。
パフューマーは嗅覚が冴える早朝に調香する人が多いが、ブレンダーたちもスメリングは朝されるのではなかろうか?と空想した。
お客様コメント:
宮城峡蒸溜所
・コメント:
6/2013:00からの見学コースで参加しました。
その日の宮城峡蒸溜所はとっても良い天気でしたね。
香りが好きな私ですが、ウイスキーについては全く知らないので見学は楽しいことばかり?
ブレンダーの佐久間さんの話がとっても興味深く、香りの世界というのは奥深いなぁ~などと思ってビデオを見ていました。
日本酒と違って(古酒もありますが)10年以上先を見通して造るウイスキーの世界にすっかり魅了されました。
香りを紐解くのが好きな私は香道が好きなのですが、ウイスキーの香りにも興味が湧き、無料だけでは足りず有料の試飲コーナーへ。
佐久間さんの様に鼻の手前や奥、そして左右という風に感じる事は出来ませんでしたが、ピュアモルト竹鶴17年は美味しかったです。
・・ゆき
(国分) 今年の「6/20」ですか?すぐ近い日で同じコースに行ったようです。無料試飲だけで酔いそうでしたので有料コーナーはムリでした。「10年以上先を見通」すビジネスモデルに私も感心しました
(2023-06-20)
( ウイスキーの蒸留装置。香水の原料である精油を蒸留する装置もほぼ同じ形状。ウイスキーと香水は共通性が高い )
お酒は、たぶん生き残る
WHO(世界保健機関)がお酒を発ガン性物質の最悪グループ『GROUP1』に入れて以来、お酒はなるべく止めようと思っているが、なかなか。
現在の若い世代は世界的に「お酒離れ」「脱アルコール」だとか。
これからの社会では飲まないことが普通になっていく予感ですが、一方でお酒は文化だし、極端な考え方ですが、お酒は神事の領域。
少なめになるでしょうが、なくなることはないでしょう。
というわけでお酒を止めたいのにお酒を愛する国分が宮城峡蒸留所(みやぎきょう じょうりゅうじょ)を見学してきたので香りレポートをお届けしよう。
今回は取材でなく完全に一観光客として行きました。
サントリーさんもそうですが、お酒のメーカーさんは一般消費者を観光客としてもてなす傾向があるようですね、ありがたい。
香りのお酒、ウイスキー
私の中ではお酒には2種類あって一方が「酔うためのお酒」、もう一方が「味わうためのお酒」。
「酔うためのお酒」の私的ランキングのトップはウォッカで、「味わうためのお酒」の私的トップがウイスキー。
(ちなみに私が日常的によく飲むお酒は日本酒)
ウォッカは味や香り、風味を極限まで取り除いたお酒。
味がないことが特徴なのになぜだか旨い。
(飲むと何らかの幸福系の脳内物質がでている感じ、ドーパミンとか?)
ウォッカの飲み方は(真のウォッカファンでないので自信はないが)口に含んだらワインのように舌の上で転がさずに胃袋に直行、そのまま流し込む飲み方が主流。
一方、ウイスキーは口に含んだ際の香りが実に楽しい、口の中で一瞬余韻を楽しんだ後に流し込んでいく。
味覚において風味と香りはなぜだか一体化しており、「風味=香り」と考えてよい。
ウイスキーの香りは木製樽のエッセンスが40度のアルコールに時間をかけて溶け出したもの。
それがこんな奇跡を生むのか・・と驚く。
香りの語り方が大げさではあるが・・
Youtubeなどでもウイスキーを語る人は多いが、その表現はかなり大げさである。たとえば・・
フルーティでバニラを思わせるふくよかさ
とか
口の中に広がるオレンジのフレッシュ感、華やかなフローラルが花開く・・
いや~香りの表現が劇的・大げさ、一種のエンタメであり演出だろうが、それだけウイスキーの香りには語りたくなる魅力があるのだろう。
ウイスキーは香水と同じ香りの製品だ。
ウイスキーの香り分類
下の写真は宮城峡蒸留所のビジターセンター内にあるディスプレイ。
香りのカテゴリーが展示してあった。
タイトルは『Whisky Flavour』(ウイスキーの風味)。
( ウイスキーに「『焼きたてパン』とか『花束』のような香り、本当にする?」と突っ込まないでほしい、多少大げさに言わないと伝わらないのだ・・ )
写真に見える香りの種類をピックアップすると・・
Baked toasts(焼きたてパン)
Banquet(花束)
Caramels(キャラメル)
Creal(穀物)
Cream(クリーム)
Floral(フローラル)
Fruity(フルーティ)
Green(グリーン)
Honey(ハチミツ)
Oily(オイリー)
Raisins(レーズン)
Seaweed(海藻)
Smoked(燻製された)
Smoky(煙っぽい)
Sweet(甘い)
Vanilla(バニラ)
Woody(ウッディ)
凄いでしょ?
木材エッセンスとアルコールとの化学反応から生み出される風味は、当然基本「ウッディ」だろうし、原料のモルトなど焙煎するので「スモーキー」ってのも納得だが、「フローラル」や「バニラ」「ハチミツ」などは予想外の話と思いませんか?
香水の香り表現に負けない多彩さに驚く。
( 見学ツアー最後はウイスキーのテイスティング・・味わい深いツアーでした )
ブレンダーは日に100種類スメリングする
工場見学ツアーにはビデオ放映もあって、そこでブレンダーさんのインタビューがあったが興味深く拝見した。
ブレンダーとは文字通りウイスキーをブレンドする人。
香水でいったら調香師(パフューマー)に相当する。
ウイスキーの製造では同じ原料を使用したとしても、原料の生産年度や産地や焙煎具合や醸造タイミング、樽の種類、樽の新旧などで細かく違った原酒がうまれるので、蒸留釜ごと、さらに言えば樽ごとに違う味のウイスキーが生まれている。
ブレンダーの役割は、商品の味にブレが発生しないよう複数種類のウイスキーをブレンドすることで毎回安定した味わいの商品を作り出すことと、新作やテーマごとのブレンドを生み出すことなど。
それぞれの原酒の香りを日常的にチェックし記憶してクライアントや市場が求める香りを創り出す仕事である。
宮城峡のブレンダーは日に100種類のウイスキーをスメリングすると話されていた。
それぞれの原酒の香りを記憶し、これとこれを混ぜたらこんな味になるという空想をしながらスメリングされているのだろう・・香水の調香師とまったくおなじじゃないか。
パフューマーは嗅覚が冴える早朝に調香する人が多いが、ブレンダーたちもスメリングは朝されるのではなかろうか?と空想した。
お客様コメント:
宮城峡蒸溜所
・コメント:
6/2013:00からの見学コースで参加しました。
その日の宮城峡蒸溜所はとっても良い天気でしたね。
香りが好きな私ですが、ウイスキーについては全く知らないので見学は楽しいことばかり?
ブレンダーの佐久間さんの話がとっても興味深く、香りの世界というのは奥深いなぁ~などと思ってビデオを見ていました。
日本酒と違って(古酒もありますが)10年以上先を見通して造るウイスキーの世界にすっかり魅了されました。
香りを紐解くのが好きな私は香道が好きなのですが、ウイスキーの香りにも興味が湧き、無料だけでは足りず有料の試飲コーナーへ。
佐久間さんの様に鼻の手前や奥、そして左右という風に感じる事は出来ませんでしたが、ピュアモルト竹鶴17年は美味しかったです。
・・ゆき
(国分) 今年の「6/20」ですか?すぐ近い日で同じコースに行ったようです。無料試飲だけで酔いそうでしたので有料コーナーはムリでした。「10年以上先を見通」すビジネスモデルに私も感心しました
(2023-06-20)
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